第2話.いつもの日々
「‥‥アレね、今回の相手は」
少し先の方に数人の人影が見える。
「先手必勝♪」
ポイッ
とりあえず近くにある拳大の石を相手に投げつけた。
ゴスッ
期待を裏切らない音をたて一つの影が地に沈んだ。
「ウガーー」
仲間が殺られて他の者がこちらの方を見た。
「‥ゴブリンだ」
少年はその異形の者達を見て叫んだ。少年の声に気付き一斉にこちらに向かってきた。
迫り来る野良ゴブリン達。その内の一体を私の剣でなぎ倒す。ゴブリンは呻きながら倒れて動かなくなった。
んっ‥野良ゴブリン?そもそもゴブリンに野良とか飼いゴブリンとかいるのだろうか。
レニーの想像‥‥
とある家の中庭。
「ほらっ!!ボブ‥餌の死肉だよ♪」
「ウガー」
ゴブリンが小屋から出て来る。
「アハハハ‥‥ボブ!!!駄目じゃないか僕の手まで食べちゃ」
「ウガー」
ボブは飼い主まで美味しく頂いた。
「うーんやっぱり餌は生き餌か‥‥」
「何、言ってるんだよ。それより早く手伝ってよ」
少年は四体のゴブリンを相手に苦戦している。
元来、魔道士と言うのは非力と相場が決まっている。
何故なら相手に近付かなくても遠くから魔法で一撃♪だからだ。この少年マカロもその一人。ワケわからん呪文名を考えるだけにしか脳が活動してない。多分脳の大半は壊死してる。
「‥ほいっ」
「えっ‥」
ゴスッ
私が投げた鉄アレイが見事標的に命中♪マカロは白眼を剥いてあっちの世界に旅立っちゃった♪
「‥下僕の分際で私に指図するな」
カジ‥カジ
そのマカロをゴブリンさん達がかじっている。
その光景をまるで、愛らしい子猫を眺めているようなキラキラした目で暫く観ていた。
「、そろそろ、助けてやるか」
私は、食事中?のゴブリンさん達に向かって走り出した。
「ウガ」
私の行動に気付いたのか、はたまた獲物が腐りかけで不味いのか(笑)何匹かこちらに向かって来た。
「ウガー」
目の前に迫って来たゴブリンの攻撃を半歩身を引き避けて、走り抜け際に腹を一薙ぎ。
その間に来た二匹目は大きくジャンプして頭から真っ二つ♪
「ウガ‥ウガ」
残りの二匹は、私の実力に気付いたのか顔を見合わせ逃げ出した。
「フフフ‥‥逃がさないわよ」
私は、懐から予備の鉄アレイを二つ取り出してゴブリンさんに投げつけた。
ゴスッ ゴスッ
鈍器が頭部にめり込んで残りのゴブリンさん達も全滅♪
えっ‥なんで鉄アレイなんか持ってるかって?今時の乙女の必需品でしょ♪
「‥後はアイツか」
ガスッ
「げほっ‥アレ」
私のヤクザキックが見事にマカロのボディを捉えてマカロは飛び起きた。
最近コイツの起こし方が上手くなってきた。
「さぁ‥後は報酬よ♪」
私は張り切って歩き出した。マカロも腹を押さえながらついてきた。
「‥おっ結構入ってる♪」
報酬の入った袋を開けるとなんと3000ルニ入ってた♪
「今夜はゆっくり休もうーとっ♪、アンタは野宿ね」
「‥何で?」
「今回、役に立ってないし」
「‥‥‥」
「それでも来るなら、顔の原型が無くなる程度にボコるけど‥どうする?」
私は懐から鉄アレイをちらつかせた。
「‥‥外で寝ます」
半泣きになりながらマカロは何処かのスーパーに段ボールをもらいにいった。