第1話.序章
村から離れたとある場所‥‥
周辺には何もなく、野球なんか伸び伸びと出来そうな所。風も吹いてて心地よい。いい場所ね♪ただ一つのことを除いて‥‥
‥‥そこには、見渡す限り骸骨の群れ・群れ・群れ
手には各人ボロボロになった武器を装備♪
「うわぁ〜うざっ」
どこから湧いて来るのか、コイツら‥‥葬儀屋のオッチャン、ちゃんと燃やしてよー!!!
こんな時、剣で相手にするのも面倒だ。そう‥‥こんな時には、やっぱりこの人!!!パチパチ
「先生♪出番ですよ」
「‥またぁ〜」
あからさまに嫌な顔をする少年。
「頼んだよー」‥‥と言いながら私は少年の後に隠れる
「面倒はいつも僕なんだよな‥ブ-ブ-」
なにやらブツブツ言っているが、全くもって無視。
観念したのか呪文の詠唱を始める少年
その間にも、じりじりと迫り来る骸骨の皆さん方。うーん、ホント‥‥うざっ!!!
そして少年の呪文が完成した。
「真夏の鍋焼き!!」
‥‥オイオイ、相変わらず分けわかんねー、ネーミング
少年が発した謎の言葉が引き金になり、私達の目の前は物凄い炎で包まれた。
魔力の炎の後には骸骨さん達の燃えカスだけ♪
「ふう‥火葬完了♪」
「‥‥殺ったのは僕じゃん」
後でボソッと呟く少年、あえて無視
「ほらっ置いてくよ」
私は少年を置いて、スタスタと村に向かって歩き出した。
「‥‥ちょっと待ってよー」
少年は私の後を追いかけてきた。
――――――――――
名も無き村、村長宅
「おぉーあの化け物達を退治してくれたのか」
「‥‥まぁー、たいしたことないッスよー♪」
「さすがじゃのー」
私もヨイショされて悪い気はしない。
「‥‥全部‥僕が」
‥ドカッ
「‥‥‥」
何やらボソッと呟きかけた少年の頭の上には私が投げた鈍器が直撃♪少年、そのまま沈黙
「あ‥あの‥お連れさんが‥倒れて‥ますよ」
村長は、冷や汗たらたらで私に話しかけた。
「アハハハ‥‥彼の趣味ですよ。鈍器で頭をぶつけるのが♪」
「‥そ‥んなもんですか‥まぁ‥とにかく助かりました。謝礼の方は既に斡旋所に伝えてあります」
村長は私の無言のプレッシャーに耐えきれず。それ以上は追求しなかった。
「それでは、ご機嫌よう♪」
私は不意に沈黙している少年の首根っこをガシッ!!!と掴み引きずりながら村を出た。
「‥‥彼が一番不幸だな」
私達の姿を複雑な表情で見送りながら、村長は一人呟いた。
――――――――――
近くの斡旋所
「お疲れ様です。今回の謝礼です」
お兄さんが笑顔でこちらに袋を差し出した。
「どれどれ♪‥‥チッ、こんなもんか」
中身を確認すると、100ルニ‥これじゃ〜メシ一食分(私のみ)ね。
私の落胆した姿を見てお兄さんがすかさずフォロー。
「しょうがないんですよ。あそこの村は特に特産品もなく貧しいので」
「‥まぁ、いいわ。それじゃ」
私は斡旋所を後にした‥‥もちろん荷物?を引きずりながら。
ズルズル ズルズル
ズルズル
あ″〜いい加減重い!!!
ゴスッ!!
「‥‥‥?」
私はいい加減ウンザリして少年の脇腹を踏みつけた。その衝撃で少年は意識が戻った。
「‥あれ?レニー、おはよう!!!」
「おはよう!!!‥‥じゃないわよ」
どうやら少年は、先程の事故によって?記憶が飛んでいるらしい。
「ほらっ置いてくよ」
「‥‥待ってよ」
少年は慌て私の後についてきた。