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振り向けば最終回2

辺りは墨を溶かしたように真っ暗だ。街から離れたとある山中。ここから街の明かりがチラチラ見える。流石に山の中、この辺りまでは明かりが引かれていない。


数人の足音。松明の灯りに照らされた一行が見える。


無論私達だ。


「この先ですよ!」


少年が指差した方を見ると大人が一人何とか入れる位の洞穴がある。


「あの〜明日も仕事があるんで、そろそろ帰っていいですか?」


「ん?あぁ…ありがとね♪」


少年は来た道を戻って行った。


「さぁ…行こっか♪」


「ねぇ…レニー!本当に行くの?」


「当たり前でしょ!…ほらっ!」


私に押されてマカロは渋々っと、穴の中に入って行く、それに続いてリリスもついてくる。




「ふ〜ん…中はヒンヤリしてるね♪」


穴の中は陽が射さない為、湿った空気が漂っている。


「…ちょっと寒すぎない?」


後ろからマカロが白い息を吐きながらついてくる。

「まぁ…ちょい寒いかな、リリはどう?…ってアレ?」


私がマカロの肩越しにリリスを見ると…コイツ!


「どうしたのレニー?」


当のリリスはていうと…ちゃっかり毛皮のコートを着込んでいる。


「いや…何でも無い」


「それはそうと貴方達寒く無いの?」


リリスが不思議そうな顔でこちらを見ている。


「だ…大丈夫よ、ねぇマカロ」


「あ…あ、あ、うん」


「それなら良いけど」


私とマカロの恨めしそうな顔はリリスからは見えなかった。


…私はメモ帳を取り出し書き込む。マカロが後ろから除き込む、暫く後マカロの顔は恐怖で歪みガタガタ震えている。


えっマカロが覗いた物は何かって?そのメモ帳には、

『抹殺ブラックリスト』と書いてある。メモ帳には、リリスの名前が書いてあり、その名前の下には、九ポイント抹殺まで後一つ♪と走り書きがしてある。

…もうすぐよ♪ウフフフフ!私の嬉しそうな微笑みにマカロだけは震えていた。


「…まぁ、それはさておき…こんな所にホントにいるのかな?」


周りはゴツゴツした岩壁、私達以外に生き物の気配はない。


「基本、悪役ってのはジメジメ、暗闇、ネガティブってのが基本三原則ですからね♪」


とリリス。


…基本三原則って?


私とマカロの頭には特大クエスチョン!あえて面倒なんでツッコミは無し!


「レニー見て!」


マカロが前方を指差す…指差すその先は魔力の灯りで照らされている。


「ん?…行き止まりみたいね!」


灯りで照らされているそこには何もなかった。


「ちっ…街の人間のガセ情報かっ!」


まぁこんな場所に魔王なんかいても戦いづらいし…。


「レニー、そこになにか有るわよ!」


言われて落ちている紙切れを拾う私。


「…ふむふむ」



『勇者のみなさんへ…


拝啓 初夏の訪れと供に暑い日々が続いている今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?

私、魔王は以前より皆様方のお越しを心待ちしておりましたが、一身上の都合により一度実家の方に帰らねばならなくなりました。


つきましては…折角お越し頂いて大変恐縮なのですが、今回の予定はキャンセルということでお願いします。次回の訪問予定は百年後となっております。最後に、本日は忙しい中、私の為に時間を割いて頂きありがとうございました。



敬具 』



「…律儀な魔王だね」


「…そうですわね」


「……」


私達は顔を見合わせた。


「…とりあえず帰る?」


「…そうね」


私達は来た道を戻り始めた。帰りの道で話しかける者は誰もいなかった。




翌日…



「リリはこの後、どうするの?」




ショキングな出来事が起きて一夜明けたその日の昼下がり。


外がにわかに騒がしい…多分、例の『魔王』の話題でもちきりなんだろう。


「そうね…一度お父様の所に戻るわ!貴方達は?」


リリスは自分の荷物を整理しながらコチラを見る。


「う〜ん、考えて無い!」


私とマカロは顔を見合わせながら答える。


「…えっ!」


「元々、目的何てたいして無かったし…適当にブラブラ旅するわ♪」


「…そっか、じゃあもうすぐお別れね!」


リリスが少し寂しげに答える。


「また何処かで逢えるわよ♪」


私がリリスの肩に手を置く。


「…そうね♪」


「リリ、元気でね♪」


「うん!レニーもマカロも元気で…」


宿を出て私達は自分達の進むべき道に別れた。


…あんなのでもいなくなると寂しいな。


ふとリリスの後ろ姿を見て思う…。


…よし!


「さて!マカロ、コレからどこ行く?」


「レニーに任せるよ」


マカロはコチラを見ずに答える。


ははぁーん、さては…。


「マカロ泣いてるの?」


「泣いてないよ!」


慌てて袖で目頭を拭うマカロ。


「泣いてんじゃん!」


「泣いてないったら!」


必死で否定するマカロを横目で笑いながら私は、


「まぁ…いいわ!そういう事にしときましょ♪行こっか」


「うん!」


私達は歩き出した。これで私達の旅が終わった訳では無い…まだ始まったばかり。


これから先何が待ってるのか分からないけど…暫くはコイツと一緒かな?


必要以上に元気に振る舞うマカロを観ながらふと考える。


旅は道連れ…そんなフレーズが頭をよぎる。コイツと一緒なら悪くないかもね♪

『勇者はじめました』最後までお読み頂きありがとうございました♪作者のくろぱんだです!


この作品は一応作者の初作となります(同時進行の作品有り)


小説を書くにあたっていろんな問題点がありました。物語の構成の層の薄さ、適切な表現…まっ例えを挙げると切りが無いですけど♪

ただ小説の更新期間が長かったりして御迷惑をおかけしました。


至らない作品だとは重々承知ですが自分にとっては想い出の作品になりました。作品の内容がまとまれば続編なんてのも考えています♪


…最後に、ここまでお付き合い下さいまして誠にありがとうございました♪


くろぱんだ

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