第9話.振り向けば最終回
「あれだけ頑張って結局コレだけか…」
私の手の中には卵型の物体が一つ。一体何なんだろうかなコレ?
まぁ…何処かの店に売っ払って食事にありつかねば!
…アレから何も食べてない!お腹を押さえながら歩き出した。
ようこそ!勇者様御一行!
街の入り口にはそんな垂れ幕が掲げられている。
「…何この街?」
私達は目の前に群がる人の群れ、建ち並ぶ出店の光景に暫し唖然とした。
街のいたる所に垂れ幕や看板だらけ、その内容が、魔王出没弾丸ツアーとか魔王討伐観戦崩式ツアー、はたまた流れ弾的野次馬ワイド何てのもある。
「いらっしゃい!当店名物の魔王饅頭はいかが♪」
呼び込みの少年が客に向かって叫んでいる。
「…ちょっと!」
「!」
とりあえず少年を近くの暗い所に引っ張り込んだ。
「…何なのこの街?」
いきなり掴まれて多少怯えていた少年だが、持ち前の営業スマイルで、
「勇者様ですか?お待ちしておりました!」
「痛っ!」
とりあえずこちらの質問に沿った返答が返って来なかったんで一発殴った。(※腹が空いてる私は獰猛です♪)
「もう一回、だけお姉さん質問するね♪この街は何をしてるのかな?」私の手に握っている鉄アレイを見て、血がダラダラ出ている鼻を押さえながら少年は答えた。
「は…はひ、この街の近辺で魔王が出没したらしいので街を挙げての大々的な催しにしようと…で今のうちにガッツり稼いで…もとい!勇者様のお役に立てる様に支援しています」
私のプレッシャーに本音をチラッと吐きながら少年は答えた。
いるんだよね〜何かにつけて金にする輩達が!…って?
「もしかして魔王が出たってこの辺りなの!」
「はい、そうですが…あの〜もう行ってもよろしいですか?」私が手を放すと少年は慌てて逃げ出した。
「どういう事かしら、レニー?」
リリスが困惑した表情で私を見る。
「たぶん噂が広まるにつれて情報があやふやになったのかもね!」
「…作者の都合じゃない?」
マカロが鋭いツッコミを入れる。
その瞬間!マカロの頭上に狸の置物が落ちる。
そしてマカロも暗い世界に墜ちる。
触れてはいけない部分だったみたいね、気を付けよ♪
動かなくなったマカロを眺めながら私達は思った。、気を付けよ♪
動かなくなったマカロを眺めながら私達は思った。
まぁ…どおりで強面の方達が沢山いる訳だ。
街の人、観光客に混じって傭兵姿の男や、引きこもりのニート、RPGのパーティーみたいなの等、まるで仮装パーティーの様だ。
「このままだと誰かが先に魔王倒しちゃうんじゃない?」
いつの間にか復活したマカロが私達に向かって話す。
…ちょい待てぇぇーい!それは不味い!
それでは私の計画が…幻のお宝鉄アレイちゃんが…!
「よし!こうなったら今日にでも魔王退治よ!」
「えーーーっ!」
マカロとリリスの声がハモった。