表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/17

一回逝っとく?4

屋敷への帰り道…


「…でコレって、何だろうね♪」


私とマカロの間を行ったり来たりしている卵型の小さな物。


「ほらっ!マカロ、ちゃんとキャッチしないと落とすよ♪」


「ちょっと…レニー、ちゃんと投げてよね!」


手元が狂い乾いた音をたて地面に落ちる卵?慌て拾いに行くマカロ。


「ほっほっほっ…あんまり粗末に扱わんでくれないかのぅ」


…この声は!


声のした方から一人の男が現れた。


やっぱし!生きてたんだオッチャン。

しかも傷一つ無い!


「流石にあそこで魔法はちと焦ったがのぅ」


驚くマカロとリリス。私は何と無く無事な気はしていたが…まさか無傷とは…。


「物は相談じゃが」


「嫌よ!」


「…へ?」


即答する私。驚くオッチャン。


「…まだ何も言っとらんが…」


「どうせ、コレをよこせっていうんでしょ!」


「…まぁ、そうなんじゃが」


やや控え目に言うオッチャン。

「…でいくら出す♪」


私は右手で丸の形を作る。


「お嬢ちゃん…若い内は苦労をせんとのぅ」


「…でいくら出す♪」


「…うっ」


オッチャン額に汗タラタラ♪


「…でいくら出す♪」


「それは…元々はとある場所から盗まれた物なのじゃ、儂はそれを取り返しに…」


「へぇー…でいくら出す♪」


根負けしたオッチャンは


「…儂が出す」


ふふふ世の中、慈善事業なんて無いのよ♪


その前に…まず依頼人の所に行かないとね、そんな盗品の依頼なんてしてくれちゃてお礼しなきゃ♪


「当然、一緒に来てくれるよね?」


「儂の方も、あそこに用があるからいいじゃろ」


私達は足並みを揃えてカシムの屋敷へと向かった。


ウフフフフ…カシムちゃん待っててね♪


私の悪魔の微笑みに隣にいるマカロが怯えていた。




カシム屋敷にて…


「待ってましたよ」


カシムは私を見てこちらに手を差し出した。


「…で例の物は?」


「何が?」




「…いや、だから…」


「コレかしら♪」


「それだ!さすがですな」


私の手に持っている卵を見てカシムはニヤリと笑う。


「…で何に使うの?」


「それはお前達には関係の無い事だ!」


私の問にカシムは少し機嫌悪そうに答えた。


「へぇー…じゃあ渡せないね♪」

「契約を破棄するのだな!」


カシムが私をジロリと睨む。


「そう捉えても構わないわ♪」


私も睨み返す。


「…後悔するなよ!」


カシムの言葉と同時にいきなり執事が現れた。


「お呼びでしょうか?」


「お客のお相手をしてやれ!」


「かしこまりました」


執事が此方をチラリと見る。


ゾクッ、コイツ出来る…執事から物凄い殺気を感じる。


うっ…勝て無いかも。人に頼むくらいだからザコ集団だと思いきやなんの!強敵がいた。

私は腰の剣に手をかける…。


「お嬢ちゃんでは奴には勝てんよ」


オッチャンが一歩前へ出る。


「!」


「久し振りじゃのぅ…」


「…そうか生きていたのか!」


執事は残忍な笑みを浮かべた。


「あぁ…まだアイツの所に逝くには早いみたいじゃのう」


オッチャンは遠くを見つめ答える。


「直ぐに送り届けてやるよ!」

「ふっ…その前にお主に引導を渡さぬとな!」


二人は同時に動き出した。


…何があった二人の間に!


周りの事はお構い無しに二人は戦いを始めた。



「喰らえ!奥義、竜王翔破斬」


「何の!秘技、天地激裂断」


…よう分からんが、叫びながらお互いに技を繰り出している。


「やるな!裏奥技、虎空炎舞殺」


「昔を思い出すわい!絶秘技、撲殺脳激症」


技と技とのぶつかり合い、飛び散る汗、吹っ飛ぶカシム。達人同士の戦いとは、とにもかくにも激しいものか?


私達の目の前では常人では計り知れないような戦いが繰り広げられている…ってそれどころじゃない!


私達は慌てて屋敷から逃げ出した。


お馬鹿さん二人の手加減の知らない攻撃の余波で屋敷のアチコチが吹き飛ぶ。既にカシムは二、三どバウンドして動かなくなっている。


屋敷から私達が外に飛び出すと同時に屋敷は物凄い音をたてながら崩れた。


崩れた屋敷からは何も動く気配無い。


「…終わったの?」


マカロが恐る恐る私に尋ねてくる。


「終わった見たいね」


リリスもやれやれといった表情でこちらを見る。


「…行こっか?」


私の言葉に二人は無言でついて来る。


夕日はいつの間にか沈み辺りは肌寒くなってきた。私達は宿に向かって歩き出した。


…お馬鹿さん達よ安らかに眠れ♪


私は崩れた屋敷を振り返りまた歩き出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ