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一回逝っとく?3

あっ…!


声の主は髭を撫でながらゆっくりと歩いてきた。カシムの屋敷で見た庭師のオッチャン!…何でこんな所に?


「お嬢ちゃん、誰にでも立ち向かう度胸はいいが、ちと己の力量も考えんとの♪」


庭師のオッチャンは此方を見ながらウィンク一つ。


「後は儂に任せとけ!」


足を曲げたり伸ばしたり軽く準備運動をしながら私の前に出るオッチャン…大丈夫?



真打ちの登場で黒装束の男達にも多少なりとも動揺が生じた様子だ。


「主もアレを狙っているのか?…ならば!」


最後まで言葉を発する事無くリーダーらしき男の手の合図と共に、黒装束達が二手に別れて動き出した。


先程の戦闘でこちらの実力を侮っていのか?こちら側に迫って来る黒装束の数が少ない。


これなら何とかなるかな?


私の方に迫り来る攻撃を避けながらオッチャンの方を見ると…。


オッチャンの方も既に戦闘中。


一人目の黒装束の降り下ろした刀を半身を引いて避け、腹に一撃!


「まず!一人」


おっ♪言うだけあって結構強いぞ!


続いてオッチャンを挟み込む様に対峙する黒装束。同時に斬りかかって行く。迫りくる刀を紙一重でかわしながら背後に周り首筋に手刀。


「三人じゃ!」


「…死ね!」


下から斜めに切り上げる様に振り上げられた刀の上に…


おぉ…スゲー乗ってるよ♪


オッチャンを乗せたまま放せばいいのに武器を必死で掴んでいる黒装束の頭の上から、踵落とし♪


「ほっほっほ!四人」


…オッチャンすげぇーな!


私が腕を組んで感心して観てると…。


「余裕だな?小娘よそ見…ぐはっ」


何か話しながら突っ込んで来た約一名を私は前に突き出した拳で一撃粉砕。

…甘いぞ黒いの!


倒れた黒装束を更に追い討ち♪顔面をがしがし踏みながら一言!


「生まれた事を後悔しろ♪」


そして私がしばいている黒装束が生まれた事を後悔している頃オッチャンはというと…。


現在も数人と戦闘中♪三方向から迫って来る複数の黒装束にオッチャンが何かを投げつける。


「うっ…!」


胸元を押さえて次々と倒れる黒装束達。

…よく見ると、


家庭園芸用に使うハサミが刺さってる。


「ほい♪十人目じゃ!」


強いぞ…このオッチャン!


「ほれ、どうした?」


オッチャンは黒装束達に向かって手招きしている。あまりのオッチャンの強さに残った黒装束達は警戒しているのか遠巻きに囲んでいる。


「来ないなら此方から行くぞい!」


叫びながらオッチャンが黒装束達の群れに突撃!と同時に…


「レニー!伏せて!」


背後からのマカロの声に慌てしゃがみ込む私。


「真夏の鍋焼き!」


声と同時に魔力の炎が地面を這うように前方の黒装束達とその他一名をアッサリと呑み込む。


あっ…オッチャン…まっいいっか♪


私は荒れ狂う炎の渦を眺めながら呟いた。


「オッチャン!あんたの事は忘れないよ…多分」


手で十字を切る私♪


それはそうと、お宝、お宝♪


あれ?そう言えばリリスがいない!


「レニー、ここよ!」


私が振り返るとボロ屋の方からリリスが現れた。


「探してたのってコレかしら?」


リリスは手に持っている物を私達に見せた。それは鶏の卵位の大きさの、やや黄色がかった物だ。


不思議な事にその卵は薄明かるく光っている。


「小屋の中に置いてあったわ!」


ちょっと自慢気なリリス。


「それなら用済ね♪とっとと、ずらかるか!」


悪人っぽいセリフを吐きながらそそくさと来た道を引き返した。


後にはまだ魔力の炎がいつまでも燃え続けていた。


…所でほっといていいのかな?アレ!

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