みんなですもう
シュンは不動産屋の扉を開ける。
「はいはい、どうも。いらっしゃいませ」
店主は手をすりすりしながら出迎えた。
シュンの後からユキミとチフリ、サキタマが入る。
店主はユキミの上等な鎧を見て目が光った。
「何かお探しで?」
シュンは店内に所狭しと張られた物件の紙を見つつ言う。
「借家を探しているんだ」
「予算はお決まりで?」
しまったとシュンは思う。
「あ、あぁ、決めていなかったな……」
うんうんと店主はうなずく。
「それでは物件の方から決めていってはいかがでしょう?」
少し高めの物件を何件か提案する店主。
「うおっ、いい値段すんな……。ユキミさんとチフリさんは予算どんなもんにする?」
サキタマは出された茶をすすりながら言う。
「ワシは広い家に住みたいのじゃ!」
シュンは思わずこう返した。
「お前には言ってねーよ!!!」
そこでユキミは物件が書かれた紙を指さす。
「こ、ここ。良いんじゃないか? 部屋も4つあるし……」
指さした物件は、月に金貨7枚もする良い物件だ。
シュンは苦笑いしながら返す。
「確かにそりゃまぁ、住めたら良いが、金貨7枚はちょっとなぁ……。宿屋に泊まった方が安いぞ?」
「わ、私が出す……。家を出る時にお金貰ったし……」
珍しくユキミが自己主張するので、シュンは驚いていた。
「ちなみに、結構あるんですかい?」
「う、うん……」
可愛い子には旅をさせよというが、過保護だなサヴィ家とシュンは思う。
「だけど。ユキミさんにだけ金を出させるわけには」
そこまでシュンが言いかけた時に、店主に言葉を被せられる。
「それではそれでは、早速物件にご案内します!」
店主に押し切られる形で、物件を見学することになってしまった。
向かった先にあるのは立派な二階建ての建物。
店主がガチャリと鍵を開け、ドアを開く。
「さぁ、どうぞどうぞ!」
中にぞろぞろと入ると、なるほど確かに良い建物だと皆は思った。
店主はニコニコ笑いながら話し始める。
「どうです? 良い物件でしょう?」
シュンは答える。
「そりゃまぁ……」
値段を考えなければ良い家だ。
「だが、ユキミさん。本当に決めるのか?」
「あ、あぁ。わ、私は皆と一緒にいたいし……」
そう言われ、シュンも腹をくくった。
「よし、クエストばんばん頑張れば良いだろう! 店主さん、ここに決めたぜ!」
「ありがとうございまーす!!」
その日の内に契約を済ませ、シュン達は新しい家に住むことになった。
「いやー、しっかしこんな家を借りられるとはなー」
サキタマは家の中を目を輝かせて見ていた。
「ワシは一番広い部屋じゃ!」
シュンはサキタマを止める。
「なに言ってんだ、広い部屋はユキミさん。お前は廊下で寝ろ」
「のじゃー!!!」




