スープ
しばらく食べ進めた時、サキタマが言い出す。
「ワシはおかわりを要求する!」
シュンは呆れて言い返した。
「いや、お前の食器が空かないと俺が食えないんだが?」
「いーやーじゃー食う!」
その時、見かねたユキミが声を掛けた。
「あのな、私の使ったので良ければ……。使ってほしい」
その言葉に、シュンは驚いた。
「ユキミさん!? いやいや、こいつが渡せば済む話なんで」
するとユキミは落ち込んだように言う。
「そ、そうか……。やはり私の使いかけは嫌か……」
チフリは真顔でシュンに殺意を向けた。
ヤバいと思い、シュンは焦る。
「いやー、それじゃお言葉に甘えちゃおうかな?」
ユキミの差し出す手から皿を受け取り、スープを入れた。
「それじゃ、いただきます」
一口スープを啜る。ちょうどいい塩梅だ。
肉をかじると、旨味が口の中に広がる。野菜の甘みも嬉しい。
「いやー、美味いな!」
シュンの言葉に、ユキミは照れながら返す。
「ほとんど、作ったのはチフリだから……」
チフリは首を横に振って否定した。
「何を言いますか、ユキミ先輩も野菜と肉を切り分けていたじゃないですか」
シュンは野菜を一つスプーンに乗せて言う。
「へぇー。ユキミさんがこれ切ったのか」
「で、でも。味付けはほとんどチフリが……」
「ユキミさんの貴重な手料理が食べられて良かったよ」
シュンが笑顔で言うと、ユキミは顔を赤くして俯く。
その間、サキタマは夢中でスープをがっついていた。
食事も終わり、シュンは立ち上がって言う。
「さてと、それじゃ寝ますかー」
テントまで歩いて、チフリが文句を言った。
「シュン先輩、寝ますかって、テント一つだし、狭いし、何考えているんですか?」
「いや、俺は外で寝るつもりだったからな。テントはユキミさんとチフリさんで使ってくれ」
ユキミは申し訳なさからシュンに意見した。
「い、いや。それじゃ悪いから、私が外で……」
「遠慮しなくていいユキミさん。俺は戦いは得意じゃないが、低級の魔物除けと魔物察知の結界は張れるんだ」
それを聞いて、チフリも同調する。
「シュン先輩もそう言っていますし。それに、私、シュン先輩と一緒は嫌なので」
「うおぉん! 辛辣ぅー!」
そこでサキタマがきょとんとした顔で言った。
「ワシの寝床はどこじゃ?」
それに、シュンはウィンクをして答える。
「お前は社があるだろ?」
「いやじゃあああ!! 壊されているのじゃああああ!!!」
ビービーとサキタマは喚くが、社を壊したのはユキミだったので、罪悪感を覚えた。
「サキタマ。私の代わりに……」
「ユキミ先輩お優しい。この小さいのなら私達が寝ている横でもスペースはあります」
「小さいの言うな!」
シュンはハハハと笑いながら「おやすみ」と言った。
女性陣はテントに消え、シュンは薪の前に座り、山火事にならないように、火が消えるのを待つ。
火が消えると、シュンは自身の張った結界をもう一度確認し、眠りについた。




