狐の神(幼女)
シュンはちんちくりん神様を見て目がテンになる。
「あー、なんだろ、狐の神様ってもっと妖艶な感じだと思っていたんだが……」
そう言われ、狐の神は胸を張った。
「何をぬかすか!! この妖艶なボデーが目に入らぬか!」
シュンは狐の神様をまじまじと見た。赤みがかった金髪に、獣の耳。東国の洋服に、妖艶というか幼女というかな見た目。
「そう言われましてもー」
狐の神は怒り始める。
「なんじゃ! その反応は!? まぁいい、貴様らは我の復活の糧となれ!!」
「ブライニクルスラッシュ!!」
ユキミは間髪容れずに技を出し、狐の神は叫びながら避けた。
「のわー!! 何をするんじゃ!!」
そして、避けたは良いが、社が氷でメチャクチャになる。
「のわー! お前この社壊したんか!!」
狐の神は泣き始めた。忙しい奴だなとシュンは思う。
ユキミはいたたまれなくなり、狐の神に詫びた。
「なんか、すまん……」
「社がぁー!! ワシの家がぁー!!!」
そこでチフリが発言する。
「封印対象という事は、悪い神という事ですよね?」
待ってましたとばかりに狐の神は高らかに言う。
「そうじゃ! ワシは強くて悪い神! 貴様らひれ伏せ!!」
次の瞬間、ユキミは魔法で作った氷のナイフを飛ばし、チフリも狐の神に斬りかかった。
「おわー!!!」
全力疾走で逃げる狐の神。
「なにをするのじゃ!!」
命からがら狐の神が言うと、チフリは冷たい顔をして返す。
「封印される悪い神なら、別に倒しても問題ないかと」
目がマジだった。狐の神は怯えて目を潤ませていた。
シュンは見ていられなくなり、助け船を出してやる。
「まて、チフリさん。仮にも神様だっていうんなら、勝手に討伐するのはまずい」
その言葉に、狐の神は顔がぱあっと明るくなる。
「そうじゃそうじゃ! 殊勝な心掛けじゃのう!」
シュンは調子に乗る神に話しかけた。
「そんで、神様は何で封印されていたんです?」
その幼女顔で精一杯悪い顔をし、狐の神は答えた。
「300年前、この地を我が手中に収めようとして忌々しい人間によって封印されてしまったのじゃ!」
「シュン先輩、やはりコイツ仕留めた方が良いのでは?」
短剣を持ち、近付いてくるチフリに怯える狐の神。
「待て待て、チフリさん。でも俺もその昔話は聞いたことあるぞ? でもおかしいな? その狐の神は封印じゃなくて完全に討伐されたはずだったが?」
「い、いや、そのー。アレじゃ! 倒されたふりをしていただけじゃ!」
訝しむシュン達。チフリは狐の神に鎖付き短剣を投げた。
「のわー!! 何をするのじゃー!!」
「本当のこと言わないと刺しますよ?」
「ふん、脅しに乗るワシじゃな……」
「刺しますよ?」
チフリの圧に負けた狐の神はポロポロと真実を語り始めた。
「うぅ、その悪い狐の神と間違えられて封印されたのがワシじゃあ……」
シュンは、なるほどなと理解した。
「あぁ、冤罪ってコト?」
「そうじゃあ、冤罪じゃあ……」
泣きながら冤罪を訴える狐の神に、チフリは冷ややかな目で言う。
「どうせ、そんな調子で調子に乗ったから間違われたのでしょう」
うっ、と言った後に狐の神は情けなくポロポロ泣き始める。
「あ、あぁ、うわあああああ!!」
シュンは情けなく泣く神を見て言った。
「泣いちゃった!?」




