表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

地獄は続くよどこまでも

作者: dook

何度目だろう

累計借金は何千万円に達しただろう

もう覚えてない

思い出したくもない

凄惨な負けをどこからか持ってきた親の金で精算した私は、しばらく廃人のようになっていた

ギャンブルする金など当然なく、だからと言って働く気力も起きない

食事と排泄時のみ布団から出て、それ以外は一日中布団に篭る日々

私はそんな無為な日々を漠然と暮らした

気づくと一ヶ月が経っていた

カレンダーを見て、何もせずに生きると一ヶ月ってこんなにもあっという間に過ぎるのだなと妙に感心した

私は気づいたら賭博場にいた

金は無い、はずだった

何故か解約した消費者金融への借入申し込みが通ってしまったのだ

なぜか親に預けていたクレジットカードを見つけてしまったのだ

何故か軍資金ができてしまったのだ

私は当然の如くポーカーの席に着いた

100万円しかないため、慎重に低レートの1/2の卓へ座った

収支もつけることにした

楽しくて脳汁が出た

生きているという感覚を取り戻した

翌日、翌々日も僅かな睡眠と休憩で身体はどうにか持ち堪えているようだった

4日目、ふと収支表に目をやってみた

すると、確かに収支上は僅かにだが、数万円程度勝っている

しかし、レーキでマイナス20万円にまでなっていた

レーキ…

ただ、場所とディーラーを用意することがそんなにも偉いのか

私は苛立ちを覚えた

ティルト、してしまった

すぐにハイレート卓、10/20へと座っていた

そして、殆ど記憶がないのだが、数時間と経たずに私はチップを失っていた

即ち、借金100万円が手元に残ったのだ

100万円と聞くと、今までの借金合計額に比べて毛が生えた程度に感じたが、しかし、果たしてこの100万円を得るためには何百、いや、何千時間働かなければならないのだろう

100万円、その巨大さに思わずえづいてしまった

私はどうやら一生ギャンブルからは逃れられないのかもしれない

それでも、ほんの僅かでも借金が返せるように、減らせるように、ギャンブルをしなくて済むように、働くしか無いのだろう

しかし働く気力が湧いて出るのだろうか

高々時給千円ちょっとで借金は返せる日は来るのだろうか

そして、たった数時間で何十、何百万円が動く感覚を味わってしまった私に、そんな仕事が続けられるのだろうか

未来は闇しかない

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ