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カルサンドの三人衆 2
そのまま日は天高く登り、西へ動く頃、白いミニスカワンピを着たピンクの長いサラサラ髪の少女がやってきた。
「おっはよーリックぅ」
キラキラ輝くような笑顔だ。
背中には白く輝く翼がある。
「ちっ、おっせーんだよバカ」
「ごーめーんちょっと目覚ましが鳴ったのに気づかなくってさぁ、遅刻遅刻ーってパンをかじりながら走ったんだけどねぇ」
「ウソつけ、空飛べるだろ。
てか、そういう遅刻はギリギリ間に合うかどうかの時にするんであって、フィオナのは次元がちげーんだよ」
このミニスカワンピの少女はフィオナ。
いわゆる天使族だ。
ちなみにこの世界には、天使も悪魔も普通に住人としてうろついている。
「どーせどこぞのイケメン悪魔とでも夜遊びしてたんだろーが」
「やーだーんなんでわかったのぉー?
リックすごいねぇ」
「毎日同じパターンなんだよ」
さてその日はそのまま、特に客が来るわけでもなく、特に事件が起こるわけでもなく、平和に一日が終わった。
「じゃぁ私、デートがあるから帰るね~」
「はぁ? てめぇさっき来たばっかじゃねぇか」
「バイバーイ!」