見捨てるか見捨てないか
「すまない三鷹、俺の為にこんな危険なところまで助けてきてくれて」
ヤクザの三島は真剣な顔で言った。
「ああ、構わないさ。お前のためだったらな」
「援軍が来たぞー!」
その声を契機に数10人もの下っ端が来た。
「よし、三島。ここでお別れだ」
「は?」
「お別れだ」
「なんでだよ」
「理由としては簡単だ。お前を連れて帰れる自信がないからな」
「いやいや、待て。お前は俺を助けに来たんやんな」
「ああ」
「で、やばそうになったから俺を置いて行くと」
「ああ」
「それっておかしくない?」
「おかしくないと思うが」
三鷹は真剣な顔をして言う。
「お前が来た意味ないじゃん」
「は?」
「だからお前が俺を助けに来た意味ないじゃん」
「ああ、そうだけど」
「ああ、じゃねえんだよ。俺を助けろよ。ここまで来たんだったら俺を助けろよ!」
「俺は死にたくないんだよ」
「そう言う話じゃなくて、死にたくないならここまで来るなよ!」
「なら助けに来なくても良かったってこと?」
「いやいや、俺は助けて欲しいけどさ」
「ならここまで来るなよなんて言うなよ。俺はお前のことが大切なんだよ」
「なら、捨てて帰ろうとするなよ」
「それは死にたくないからだけだよ。それとこれを混ぜるなよ」
「混ぜるよ、そりゃあ。俺はお前のことを助けようとしてた。でも、助けられそうにないから帰るだけだ」
「そしたらお前はわざわざ危険なところに来て、目的を達成出来なくて帰るだけになるぞ」
「死なないためならいいんだよ」
「なら、もう俺を置いていけよ」
「ああ、置いて行くわ」
そう言って三島は一人で脱出しようとする。
「ま、待ってくれ。置いて行くな」
だがもう言っても無駄だ、三島はもう外に出て行ってしまった。
「行くなあああああああ」
「悪いな、俺は死にたくない」
三島はそう言って待ち構えていた敵を倒し、帰って行った。
数日後
「おい! 三島!」
「おいおい、三鷹、生きてたのか。良かった」
「良かったじゃねえよ。お前のせいで死にかけたんだよ」
「死んでたら、必要な犠牲として割り切るわ」
「なんだよそれは。それはともかく、俺はもうお前のことを許さない。絶交だ」
「そんなこと言うなよ。俺たち仲間じゃないか」
「俺を敵地の真ん中に置いて行ったお前を許せるわけがない」
「そんなことを言ったら俺だってお前を助けたこそ、お前は脱出できたんだろ」
「そんな問題じゃない。俺はお前を殺す」
「なんでだよ!」
「異論は認めない。死ね」
三鷹は銃を放つ。その銃弾で三島は死ぬ。
「さてと、これで俺を置いて行った奴を処理できた!」
そして三鷹はその現場を後にする。




