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スライム狩り



 ダンジョンに入り、スライムを倒していき、ドロップアイテムが溜まったらテントに戻る。 

 ドロップアイテムを各種類別に置き、メイン武器洗剤を補充して、またダンジョンへと戻りスライム狩り。


 この繰り返しを3セット終えたくらいで眠気が襲って来た。


 洗剤を一袋消費するのに2時間かかり、1セットで2袋×3回だから、もうかれこれ12時間もスライム狩りを続けていた事になる。


 もちろん途中で腹が空いたら買ってあるパンを食べ、喉が渇いたら買っておいたミネラルウォーターを飲みながらスライムを倒していたが、流石に疲れたので仮眠を取る。


「1時間後にまたスライム狩りを再開するか」


 既に12時間もスライム狩りに費やしているのに、まだEPが足りない。


 いちいち数えていないけど、大体一袋で60体を6袋で、360体。そして前回の+30で390体だな。


 390体もスライムを倒しているので、結構lvが上がっている筈なのに天眼さんはまだ使えなかった。


 こうなったら徹夜で頑張るしかない。ゴールの見えない単純作業は辛いな。

 スライムをうっかり踏んでしまうと大惨事なので、気を抜く事も出来なかった。


「今が1時で2時まで仮眠を取るから、そうだな、あと3セット終えたら一旦家に帰るか」


 スマホを見ながら時間を確認する。


 2時からまたスライム狩りを再開して12時間後の14時には終わる計算だな。


 母親には、遅くとも明日には帰ると伝えている。

 家と連絡を取り、キャンプ期間を延長しようとしても、今すぐ帰ってきなさいと言われるのがオチなので、明日は大人しく帰る事にする。


 洗剤を20袋も買ったのに、たったの6袋しか使えなかったな。

 消費するのにこんなに時間がかかるとは思わなかった。


 自分の懐事情的に喜べば良いのか、まだまだ続きそうな作業に苦しめば良いのか分からないな。


 いや、両方ともこれから身に染みる事か。


 それだけやってもまだ8袋も洗剤が残ってしまうが、それは次回以降に頑張ろう。


 俺はスマホのアラームを設定して、目を瞑り1時間の仮眠を取る。


ーーー


 スマホのアラームが鳴り目が覚める。


「もう時間か。少し腹が空いてるな」


 パンを食べて終えてから6時間以上も経っている。腹が空いていてもおかしくはないか。

 夜食になってしまうが、インスタントラーメンを食べるか。

 持ってきていた調味料で味変をしたかったが、スライムに全部使ってしまって既に無かった。


 スーパーマーケットで買い物した時に憶えていたら良かったのだが、あの時はスライムを倒してlvを上げることばかり考えていたからな。


 今はシンプルに普通のインスタントラーメン(味噌)を食べている。


ーーー


 夜食を終えると、リュックとサブザックを準備してダンジョンに入る。


 洗剤でスライムを倒していき、たまに残るドロップアイテムを拾いながら、地図を頼りにダンジョンを廻っていく。


 このダンジョンのモンスターはリポップ(再出現)するのが早い。


 これでもかなり早くスライムを倒して移動しているというのに、スライムは多分30分~1時間ぐらいで再リポップしていた。


 同じ道を30分後に来た時はまだリポップしていなかったのに、1時間後に来てみればリポップしていたので、大体4、50分でスライムはリポップするんだろう。


 その事が分かってからは、大体1時間ぐらいで同じ道に戻るコースを廻っている。


 このコースを4周して1セットが終わり、メイン武器洗剤の補充とドロップアイテムを置く為、テントに行きまたダンジョンに戻る。

 これを3セット繰り返せばいい。


 しかし、本当に地図を作っていて正解だった。

 地図が無ければ、スライムを倒した道をスライムのリポップ前に何回も通り過ぎ、時間を無駄にしていた所だ。


ーーー


 暫くスライムを倒しながらダンジョンを廻っていると、スライムから本がドロップした。


 見た所、表紙には魔法陣の様なものが描いてあり、触ってみると何かの皮の様に感じる。


 動物の皮を使って作る羊皮紙で出来た本か?


 試しに開いてみるが読めない文字が書かれていた。

 

「あ、何やってんだ?」


 本だから警戒もせずに無意識に開いてしまったが、この本がスクロールの様にスキルを勝手に押し付けてくるタイプの本だった場合を考えていなかった。

 また特殊なスキルが手に入ってしまいEPが大量に消費されるかもしれないのに、今の行動は不用意過ぎる。


「魔法陣が描いてある所とかスクロールと似ているのにな」


 今回は運が良かった。反省しろ馬鹿。



 この本の文字は読むには専用のスキルが必要っぽいな。

 流石に1から文字を解読するのは、高校生には荷が重い。


 それにしても硬い本だな。触り心地は結構良くて手で持ち歩きたくなる感じだった。


 まあ、何かの拍子に本の効果を発動させてしまうかもしれないので、天眼さんが戻ってきて鑑定出来るまではあまり触らない様にした方がいいだろう。


 本をリュックの中に仕舞い、スライムを狩りに戻る。


ーーー


 スライム狩りを2セット終え、あと残り1セット。

 その前に、もう朝の10時過ぎなので朝食を取る。


 例によって、インスタントラーメン(とんこつ)を鍋で作り食べる。


 インスタントラーメンにも飽きてきたので、昼は家で食べよう。


 少し休憩してから最後の1セットを終わらせにダンジョンに向かった。


ーーー


「やっと終わった~~~!」


 ダンジョンを出て、固まった体を思い切り伸ばす。


「じゃあ、家に帰るとするか」


 リュックからドロップアイテムを全部取り出して置く。

 

 洞窟装備を私服に着替え、洞窟装備やキャンプで使った物をリュックに詰めていく。


 テントも解体して、キャンプ中に出たゴミをまとめる。

 いつもならこれで終わりだけど、今回はスライムからドロップしたアイテムがあるからな。


「貴重そうなスクロールと本、後は瓶に入っている謎の液体も持って帰るか」


 残りのドロップアイテムは置いていく。

 黒い小石は沢山あって嵩張るし、鉱石系は単純に重い、剣などの武器に至っては持っているだけで捕まるといった理由で置いていく。

 ついでに残りの洗剤も。


 置いていくドロップアイテムと洗剤をブルーシートで包み、見つかりにくい様に草陰に置く。


 こんな感じで隠しておけば、こんなに森の奥にあるダンジョンが見つけられる事もないだろう。


 







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