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買い物



 森を出て、道路横の待避所に停めておいた自転車に乗り移動する。


 一番近いスーパーマーケットはこの森から自分の家とは、反対方向に30分ぐらいで到着する距離にある。

 ここからだと1時間以上離れた場所にあるが、家ではなくそこに向かう。


ーーー


 1時間かけてスーパーマーケットに到着した。


 自転車を停めて店に入る。

 店内を見回してみると品物が全体的に少ない様に感じた。


 よく見ると缶詰めなどの保存食が、いつもの数倍以上に売り上げているように見える。


 惣菜物の様な、その日の物は普通にまだ売っているようだな。


 客の数もいつもより少し多いかな?と感じる程度のものだ。

 どの客も何故だか保存食だけは絶対に買って帰っている。


「これは確実に何かが起こったな」


 十中八九、ダンジョン出現の事だろう。


 しかし国側が国民にどの程度まで情報開示しているか分からない。


 ダンジョンがどのくらいの割合で出現しているかにもよって変わってくるとは思うが。


 スーパーに行く道中も、特に騒ぎになっている感じではなかったから、そこまで密集してダンジョンが出現している訳でもないようだ。

 まあ、自転車で1時間の距離なんて、大したものでは無いから正確な事は言えない。


 警察のパトロールのパトカーを見掛ける回数は多かった。

 あれはダンジョンを捜索しているのかもしれない。


 街中にあるダンジョンに間違って民間人が入ってしまい、その上死んでしまったなんて事が多数確認されてしまったら、国も警察も信頼を失いかねないからな。


 周りの買い物客を見るに、特にパニックになっている様にも見えないし大丈夫そうだ。


 そう言えば、まだダンジョン内のモンスターがダンジョン外に出る事ができるのかの実験をしてなかったな。


 でも、客を見た様子だとモンスターはダンジョン外には出られないんだろう。


 こんな短時間で、全てのダンジョンを見つける事が出来るとはとても思えない。


 もしモンスターがダンジョン外に出て来られるなら、一般市民がこんな所に買い物に来ている筈がない。

 モンスターが彷徨いているかもしれないのに外出なんてしないだろう。


 普通なら家に引きこもるか、近くの避難所で暮らす事になり、外出する事は出来なくなるだろう。

 その間に警察と自衛隊がダンジョンを捜索して、入り口を封鎖する筈だ。


 まあ、全てのダンジョンで1階層目がスライムしか出ないという事なら、その限りではないと思うけどな。


 あのスライムをどうすればダンジョン外に出す事が出来るかな?


 手や物で触れても直ぐに溶かされて、移動させる事ができない。

 モンスターがダンジョン外に出られるのかの実験は、今の所、俺にも出来そうになかった。


 そろそろインターネットでも情報を集めたい所だが、明日家に帰るまでは我慢してもうちょっとでもlvを上げておきたい。


 そんな訳でスライムに特効がある洗剤の売り場に来た。


 洗剤と一言で言っても結構な種類がある。


 どれにすれば良いのだろうか?


 実際、スライム相手に洗剤を使ったのは、ほとんどその場のノリでやっただけで何故スライムに洗剤が効くのかわからない。


「スライムに使ったのは、確かこの洗剤だったな」


 その洗剤を手に取り裏の原材料の欄を見てみるがよく分からなかった。


 まあ、この洗剤をかければ、倒せることだけ分かっていれば問題ないか。


 それから液体より粉状の洗剤の方が使いやすいので、同じメーカーの同じ種類の粉洗剤を選び、その洗剤を段ボールの箱買いをする、

 一箱10キロで約3000円を二箱買う。


 ついでに昼と夜用の惣菜パンも適当に選ぶ。

 カレーパンとハムパン、卵サンドに、かつサンド。

 あと、ミネラルウォーターの1リットル一本とカフェオレも買っておこう。


 今は手持ちが1万円しかないからこの程度の量が限界か。

 流石に所持金をゼロにしたらいざという時に何もできないからな。


 せめて2000円くらいは残しておこう。


 会計を終え店を出る。

 自転車のカゴに洗剤の箱を一箱入れ、もう一箱の洗剤は、自転車の荷台にゴム紐で縛り、ほかのパンや飲み物は持ってきていたリュックに入れて背負う。


 ダンジョンへの帰り道は少し遠回りだが、来た道とは違う道を通って帰る。


 他のダンジョンを見つける事や何かしらの情報、街の様子を知る事が出来るかもしれない。


 自転車のペダルが重い。

 流石に20キロの荷物を乗せての移動は体力を使う。


 まだ800mも進んでいないのにもう後悔し始めた。

 なんで洗剤を二箱も買ってしまったんだろうか? 

 何故わざわざ遠回りのこの道を選んでしまったのだろうか?


 でも、今更今来た道を戻り、洗剤を返品したりするのは、恥ずかしく面倒くさい。


 そんなくだらない後悔や愚痴を心の中で漏らしながらゆっくり進んでいると、駅の近くにパトカーが2台止まっているのが見えた。

 そこでは洞窟の様なものを柵で囲い封鎖して、人が勝手に入らない様に洞窟の前には警察官が立っていた。


「ダンジョンだな」


 もちろん以前はあんな場所に洞窟なんてものは無く、普通にトイレが建っていた筈だ。

 なのに今はトイレが無くなり下へと続く洞窟が出来ているなんて、今の状況ではダンジョンしかあり得ないだろう。


 洞窟の前に立っている警察官に事情を聞きたいところだけど、そうすると俺が、国が国民へ開示した情報を知らない事がバレてしまい、確実に補導されて家に帰される。


 そんな訳で今警察官に話しかける訳にはいかない。


 まあ、話しかけなくても情報くらい集められる。


 まず警察官の持っている武器は見た感じ拳銃と警棒だけだ。

 警察官の標準装備だな。


 そして警察官は洞窟に背を向けて一般人が洞窟内に入らない様に警戒していた。

 この警察官は洞窟への警戒心を抱いていない。


 つまりはダンジョンのモンスターはダンジョン外へ出る事ができないか、もしくはダンジョンの一階層にはスライムしかいないかのどちらかだという事だ。


 まあ、スライムの方ではなく、ダンジョン外にモンスターが出ない事が確認されたからだと思うけどな。


 何故ならスライムは確かに移動速度は凄く遅い。

 それでもまったく動かないという訳ではない。時間を掛ければ移動も可能だ。


 そしてもしスライムがダンジョン外に出たなら、ダンジョン前にいる警察官がそのスライムを倒さなくてはならないが、今警察官が持っている武器は拳銃と警棒だけだ。

 この二つでスライムを倒せるというイメージが俺には浮かばない。


 だからダンジョン外にはモンスターは出れないという事が分かっているのだと思う。


 今、見て分かるのはこのくらいの事か? 

 天眼さんが使えたらもっと詳しく分かると思うのにな。


 天眼さんをまた使う為にはlvを上げないといけないから、lv上げの為にダンジョンに戻るか。


 




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― 新着の感想 ―
[一言] スライムと洗剤で思い出しましたw 内容はアルファポリスと同一ですか?
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