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 ミンチになったウルフが消えてドロップしたアイテムを拾う。


「さて、次だ」


 他のダンジョン外に出てしまったモンスターを探しに行こう。


「ん?」


 違和感がある。服に付いた返り血が、ウルフが消えた後も何故か消えない。


 ウルフを踏み潰した時に、ズボンと靴には結構な量の返り血が付いてしまっている。


 まさかモンスターとは違って返り血は消えないのか?


 これまでスライムばかり相手にしていたから気が付かなかった。


 慶が小鬼を倒した時はどうだった? 


 目から頭を貫通していたから、返り血を少しは浴びている筈だ。木刀にもべっとり血が付いていたが、その後どうなった?


「う~ん。思い出せない」


 原理はよく分からないが、この返り血がこの後()()()()()()()

のなら、一つ面白いことが出来るかもしれない。


 早速試してみたいのだが、今はそれよりもこの返り血をどうするかの方が問題だ。


 この後は学校に行かないといけないのに、返り血が付いたまま登校は流石に不味い。


 どうやったらこの返り血を誤魔化せるだろう?


 交通事故で轢かれて怪我をして。

 実は人を殺めてしまい。

 ちょっと月のもので。

 

「馬鹿な考えしか思い付かない」


 そうやって暫く悩んでいると、返り血は乾いて黒ずみ、制服の上から付いた返り血は目立たなくなった。


「おお、これなら大丈夫か」


 今日1日くらいなら問題無さそうだな。


 制服が黒っぽい色なのも不幸中の幸いだった。


 これでジャージ登校なんて真似をしなくて済んだ。


 まあ、血が付いた服が制服でなかったら着替えるだけで済んで、こんなに焦る必要もなかったんだけどな。


ーーー


 それから裏山の地図製作も順調に進んでいった。


 途中見かけたウルフも面倒だが潰さずに一体一体返り血が付かないよう丁寧にドロップアイテムへと変えてやった。


 こんな事なら、昨日海まで行って砂浜から砂を手に入れていれば良かった。


 まあ、この砂も使い方を間違えれば俺にとっても危険な攻撃となるので気をつけないとな。


 見かけたウルフのlvは3~9の間で一桁のウルフだけだった。

 昨日の様にレアなレッドウルフや逸れには出会うことは無かった。


 ウルフを倒すのにlvが一桁以内なら30秒もあれば余裕だが、それは同時に30秒も掛かってしまう事でもある。


 時間効率が悪い。


 lv一桁の相手なんてある程度のlvがあれば、一撃で倒す事が出来るモンスターなんだけどな。


 やはり如何にかして、このユニークスキルの活用法を探さないと、俺は武器(砂)無しでは戦う事が出来ない様になってしまう。

 毎回命の危機を感じながら戦う事態は避けたかった。


 だから急いで考えないとな。


ーーー


 ダンジョン探しと裏山の地図製作を再開した。


 もうそろそろ学校に向かおうかと思っていた頃に洞窟を見つけた。


 この裏山では初めて見つけた洞窟だ。


 その洞窟から丁度ウルフが出てくる所だった。


 数は一体だけなので、手っ取り早くドロップアイテムに変えてしまう。


 ドロップアイテムは、又も黒い小石でガッカリした。

 

 まあ、lv一桁のモンスターから、そう簡単に良いドロップアイテムが出る筈もないか。


 慶が倒した小鬼はlv20越えの逸れモンスターだから、銀鉱石なんて良い物が出たんだろう。


 俺もlv30越えのレッドウルフをドロップアイテムに変えれば、もしかするとスクロールが手に入ったりするかもしれない。


 冗談だけどな。


 しかし、ダンジョン外にモンスターが出てくる時は複数ではなく単数なのか。


 偶然かもしれないが少しだけ安心した。複数のモンスターが一気に溢れ出す様な事は無さそうだ。


 街中で未発見のダンジョンから突然大量のモンスター達が溢れ出してくるなんて事態になると少なくない死者が出るだろう。


 lv一桁のウルフなんて、その辺の野犬よりちょっと獰猛なだけなので、一般人でも対処出来ない事はないから放っておいても大丈夫だと思うけどな。


 まあ、外で目撃情報が出て、この裏山にダンジョンがあるかもしれないと警察に思われるのは困る。


 やっと未発見ダンジョンを見つける事が出来たんだからな。


 時間も迫っているから、早速ダンジョン内に入って間引きを済ませてしまうか。


 しかし、俺の予想ではもっと学校よりの位置にダンジョンがあると思っていたんだけどな?


 これまで見つけたウルフの発見位置から、ダンジョンの場所に大体の目星はつけていたんだがな。

 今見つけた洞窟は、その予測していた場所から少しズレた場所にあった。


 ウルフの発見位置はダンジョンを中心に円状に広がっていると思われるが、この洞窟を中心にウルフの発見範囲を円で囲むと、俺が想定していたダンジョンの位置の円よりもかなり大きくなった。


 ダンジョンに出たモンスターを全て駆除するには、その円の範囲内を今日中に調べる必要がある。

 ウルフを全て見つけるしか無いが、この範囲は骨が折れそうだ。


 予想していた範囲の3倍はありそうだ。


 それでも未発見ダンジョンの存在がバレない為に?この裏山のモンスターを全て狩り尽くさないとな。


 それはそうと、これ以上ダンジョン外のモンスターを増やさない為、間引きやりに洞窟に入っていく。


ーーー


 洞窟に入ってみると、俺のダンジョンとは違い壁や地面が歪んでいていつもの洞窟みたいだった。


 少し進んで行くと行き止まりだ。


「ここ唯の洞窟だ」


 その行き止まりには、何か野生動物がいた様な毛皮と血溜まりがあり、誰かの食事跡の様だった。


 ここはダンジョンではない。さっきの出てきたウルフがこの血溜まりの主を食べていただけだ。


 という事は、やはり俺の予想通りの場所にダンジョンがある可能性が高い。




 


 

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 血が乾いて色は目立たなくなっても、物凄い匂いがすると思うのだけど。
[一言] 色々考察してる主人公ですが攻撃をするという意思を持って風を送ると空気中の原子を一つと数えて何もかも粉微塵に出来るのでしょうか 気になります
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