表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/126

妹に貢ごう



 ダンジョンから出ると、ドロップアイテムをリュックから出してブルーシートの上に置いて、俺も疲れたのでシートの上に座る。


 まずは確認がてら俺を鑑定してみるか。


【名前:佐々木 光希

 性別:男

 年齢:16

 職業:学生

 lv:24

 スキル:鑑定偽装Ⅹ P 

 エクストラスキル:天眼 AP (10000EP)

 HP: 7950/7950

 EP: 427/5428+5000  】



 おお、ちゃんと鑑定も使えるみたいだな。


 鑑定結果はlv24か。

 エクストラスキルの天眼さんの消費EPが1万の様なので、lv23から24に上がる時に1万EPを超えたって事だろうな。


 しかし、この+5000って何処から来たEPなんだ?


 それに天眼さんの消費EPが以前は見えなかったのに、今は見えるようになっている。


 まあ、天眼さんの消費EPの方は、多分lv0の時はEP表示がバグっていて天眼さんが使えてしまっていたのが原因だと思う。


 今消費されているEPは10001EPで1万は天眼さんの維持費で、残りの1は鑑定の能力で今消費されたものだろうな。


「はあ~」


 精神的な疲労感で頭が余り回らない。

 今日はもうお金を下ろしてから家に帰る事にしよう。


 残りの洗剤とドロップアイテムをスクロールと謎の瓶を除いてブルーシートに包み、昨日と同じ場所に隠してから森を出る。


 自転車に乗り一番近くのATMのあるコンビニに向かう。


 コンビニなら24時間営業だから行くのは朝でもよかったな。


 まあ、一番近いと言っても銀行よりは遠い場所にあるんだけどな。


ーーー


 コンビニに入り、ATMでお金を3万円下ろす。


 2万も有ればダンジョン探索用の洗剤を買うのにも十分だろう。


 ついでにここで軽い食べ物と追加の洗剤でも一緒に買っていくか。


 おにぎりは昼に食べたから、サンドイッチにしよう。

 サンドイッチのセットとカフェオレ、そして同じ種類の粉末洗剤を5つ買う事にした。


 レジに向かって商品を出す。


「2108円になります」


「うん?」


 聞いたことのある声が聞こえ顔を上げて店員を見ると、その顔に見覚えがあった。


「3組の山田」


「あ、佐々木さん」


「山田、このコンビニには居なかったよな。いつから働いているんだ?」


「2日前からだよ。春休みの間だけね、すぐに辞めるかもしれないけど」


「2200で。そっか、頑張れよ」


「ありがとう。92円のお返しです。」


「じゃあまた新学期にな」


「うん、またね」


 山田とは別に交流がある訳でもないが、山田はその性格とは裏腹にスポーツ万能らしく何処の部活にも所属していない事から、去年は一年中勧誘が続いていたと、噂を耳にした事があった。


 だから俺は山田の事を知っていたが、山田が何故1組の俺の事を知っていたんだろう?


 そうだ。まだ天眼さんで他人を鑑定した事はなかったな。山田で試してみるか。


 コンビニのガラス越しに山田を鑑定する。


ーーー


【名前:山田(やまだ) 大地(だいち)

 性別:男

 年齢:17

 職業:学生

 lv:8

 スキル:

 HP:418/430

 EP:82/82 】


 自転車を停めてある所に戻ってから、さっき鑑定した山田のステータスについて考える。


 まず最初に山田の名前って大地だったんだ~。初めて知った。


 それにこいつ4月に入ったばかりなのに17歳って事は俺よりも誕生日が早いみたいだ。


 まあ、冗談はここまででこいつもlvが上がっているって事はダンジョンに入った事があるって事か。


 もしかしたらネットに載っていた様にまだ未発見のダンジョンを隠れて攻略しているのかもな。


 こんなにも身近に俺と同じ様な奴がいるなんて思ってもみなかった。


 スキルは無しか。最初のドロップアイテムでスクロールが出なかったんだな。


 山田のHPとEPは、俺と倍以上lvが離れているとはいえかなり少ない。それにEPに俺みたいな+なんて付いていないな。


 俺は自分だけが特別だなんて考える様な能天気な奴じゃない。これには何か理由がある筈だ。


 多分lvが上がる毎にある一定の倍率でHP、EPは上がっているんだと思う。


 lv0の時にHPが100で今のlv8で430だから、スマホで電卓を開き100×倍数を8回して430に一番近い数字がlvアップに伴うHPの上昇率になるだろう。


 100×2は3回で800を超えるから違う、1.5倍でも4回で500を超えるから違う、1.4は5回、1.3は6回で、1.2倍だとちょうど8回目で429.981696になった、四捨五入で430になるので多分1.2倍が正解だと思う。


 試しに俺のHPが7950でlvが24なので1.2を24回かけると7949.68472になって四捨五入で7950になった。


 HPは大体1.2倍。EPの方は元の数字が分からないが、虱潰しに調べれば多分分かるとは思う。

 面倒なのでやめておくけど。


 となると経験値の方もlvが上がる毎に増えていき、なかなか上がり難くなりそうだな。


 もう1階層のスライム狩りでは効率が悪いかもしれない。

 そろそろ経験値が多そうなlvの高いスライムが居ると思われる2階層に進むべきかもな。


 さて、家に帰るか。


ーーー


「ただいまっと」


 自室に入り荷物を降ろしてから、隣の春の部屋に行きノックをする。


 コンコンコン「春~」

 

「お姉ちゃん、開いてるよ~」


 扉を開け部屋に入ると、春は机に座って勉強していた。


「春、昨日約束した1万円下ろしてきてやったぞ」


「…ありがとう」


「どうかしたか?」


「ううん、何でもない。一万円なんて大金、お年玉の時ぐらいしか貰えないから驚いただけ」


「そうだな。そんな大金を俺から持っていくお前はすごいな」


「お姉ちゃん、去年の夏休みずっとバイトしてたのに稼いだお金全然使ってないじゃん」


「使わないんじゃなくて、それは貯金しているだけなんだけど」


「あっ!それならその一万円の代わりに私のお願い聞いてもらっても良い?」


「うん。全然良くない」


 キッパリ断って春に一万円札を渡す。


「はい、一万円ちゃんと渡したからな。じゃあ部屋に戻るから」


「はあ~分かった。ありがとう」


 一万円も俺から奪っていったと言うのに、春の顔は少し不満そうだった。


 お願い事を聞いて欲しかったのかもしれないが、神社でも一万円を払って願い事する奴なんてそうそうしない。

 確実に面倒そうなので、俺はその願い事を一万円でキャンセルさせてもらう。


 俺は部屋を出る前に春を見てから春の部屋を出て自室に戻った。


 椅子に座って、さっきついでに鑑定しておいた春のステータスを見る。


【名前:佐々木 春

 性別:女

 年齢:14

 職業:学生

 lv:0

 スキル:

 HP:100/100

 EP:0/0 】


 春はダンジョンはまだ行っていないみたいで少し安心した。


 しかし1つだけ思っていたのと違うな。


 俺はlv0の時にEPが?だったのに、春のEP表示は0になっている。


 そういえばスライムもMPの表示は0だったな。


 スマホで調べてみるが、やはり鑑定系スキルの話はないので、他にもlv0でスクロールを使ったという話も出ておらず分からなかった。


 まあ、放っておいてもその内lv0の奴がスクロールを使う事もあるだろう。

 例えば自分では危険を冒したくない金持ちとかな。


 何なら俺が持っているスクロールを誰かで試すという方法もあるが、俺の時はかなりの痛みがあって失明したかと思ったぐらいだからな。

 そんな事を自分以外の人で試すのはちょっとな。


 今は誰かあの苦しみの犠牲者が出て来るのを待ってみるしかないか。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 偽装のポイントは?
[一言] 安全にレベルあげできそうなんだし妹ちゃんダンジョン連れて行ってあげないのかなー。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ