私の何が悪かったのか
少年時代には夢を持つ。
自然に持つ人もいれば、教育の最中強引に背負わされる人もいる。
この話は前者による、未来のために人生を賭け、全損した話である。
子供の頃夢を持っていた。
その夢は世界のヒーローだとか、救世主だとか大それたものではない。
幼い頃にあったブラウン管越しに見たゲームの世界。それを私も作ってみたいと思っていた。
学生の頃、もっと具体的に言えば、小学校の頃から誕生日で買ってもらった中古の本から勉強を始め、貧乏なのでインターネットもなく、ひたすらがむしゃらにやっていた。
そんな姿を大人や親族は好意的に見てくれて、「努力をすればきっと誰かが見ていてくれる。」と何度も私の背中を押してくれた。
そんなこともあってか、奨学金を使って何とか進学した専門学校では首席となり、ゲーム業界の内定も複数勝ち取り、望んだ輝かしい世界に行けると思っていた。
『サブプライムローンが破綻しました』
ブラウン管から流れる短いニュースを聞くまでは。
自己責任で完結させるには無理があるこの出来事は、なぜか自分の努力を、自分の犯した業という形で理不尽に精算させられる日々の始まりだった。