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おかしな世界

ブックマークして下さった人が増えてて本当嬉しかったです。

ありがとうございます!

頑張ります!

 人に見せるためのステータスを作ったところで、次に私はこの見た目の偽装に取りかかった。

 前世の私は特別可愛いとか綺麗とかではなかった。

 普通の黒目黒髪の純日本人という印象だ。

 私も一応、女の子なので以前ちぃとよく雑誌を見て可愛くなる努力を必死にしたものだ。

 全てはイケメンと結婚するためにだが。

 だから、正直この見た目になったと分かったとき舞い上がりそうだった。

 しかし、絶世の美少女はこの世界において厄介事に巻き込まれる事しか無いだろう。

 なぜなら、この世界は男女比5:1ということもあり、男性から女性にアプローチをかけることがほとんど。

 男性同士で女性を巡り乱闘騒ぎになることは珍しくないのだ。

 それに私はこの世界でやりたいことをやると決めたのだ。

 称号に頼ってでしか生きていけないなんて私は嫌だ。

 私は強く生き抜く。

 その為にも能力や見た目で厄介事に巻き込まれ、自由を奪われるのは自分で防いでいかなければならない。

 さっきのステータスに意識を向けてみると称号はオンオフが出来ることに気づいたので、必要なときに使うことにした。

 そういった私情も含め泣く泣く見た目を変えた。

 本当だったらこの見た目で街を歩いてイケメンに声かけられたかったよ…。

 残念な気持ちを抑えながら偽装スキルを使い、姿を変えた。

 茶髪で蜂蜜色の瞳、少し焼けた小麦色の肌、そばかすに眼鏡を掛けて普通の女の子に変身した。

 これでパッとしない女の子の完成である。

 よしっ!いったん、これで良しとしよう!


 準備が出来た私は、この神樹から離れることとした。

 世界を支える役割を持つ神樹は、意思を持つとされているので礼儀を払って接するべきと思い礼をした。

 お供え物も忘れてはならない。

 創造魔法で作ったお菓子なのだが。

 スゥは両膝をつき手を合わせて目を瞑る。


(近くに一晩泊めていただきありがとうございました)


 祈りを捧げた私はその地を離れた。


 大先生をもとに人里を目指した。

 私がしたかったこと、それは、沢山の人と接する事だった。

 ちぃと居たときは周りに人が自然と集まった。

 そのとき、沢山の人が笑顔で溢れていて幸せだった。

 私は今でもそれを思い出す。

 忘れることが出来ないのだ。

 あの幸せが。

 だから、色んな人と関わりたいと思っていたのだった。


 しばらくして、街が見えた。

 沢山の人で賑わいを見せていた。

 見たところ中世ヨーロッパくらいの文化レベルだ。

 しかし、所々が私の知る中世ヨーロッパではなかった。

 馬車は馬ではなく翼の生えたペガサスが引いており、人もいるが耳や尻尾や牙などがある人たちもいたり、店は魔法関連ばかりだったり、ペットにドラゴンなどを連れ歩いている人ばかりだった。

 しかし、スゥが驚き唖然とした理由はそれではなかった。


(何でこうもイケメンがいないの?)


 そう、辺りを見回せども、大半の男性が一重で前が見えてるか心配になるくらい肉で覆われていたり、目自体が小さかったりしており、鼻は大きくも低くて潰れたようだったり、豚鼻だったりで、口は裂けたように大きく前世でもなかなか見られないほどのたらこ唇、脂がたっぷり乗って垂れ下がっているであろう頬やお腹、眉は左右非対称の長さや太さで繋がっていたり、輪郭は四角形や台形で、顔のパーツも左右バラバラな人ばかり。

 本気でこの町は男性の病気が蔓延してしまい、あのような顔になってしまったのではないかと大先生と全知全能を使ったくらいだ。

 そして、大先生ではなく全知全能を使ってみると衝撃の事が分かってしまった。


 この世界では私から見て醜い者ほどイケメンとされており、私にとってのイケメンは他の女性から嫌悪される対象であることを。

 加えて、人族は他種族よりも美しい(不細工)とされているため人族よりも醜い(イケメンな)他種族を忌み嫌っていることも。


(何で!!!?!?!?)


 スゥからしてみればあり得ないことだった。

 前世からイケメンが大好きだった。

 彼らのお陰で生きていられたといっても過言ではない。

 そんな神にも等しい尊い存在を嫌悪される対象であることも他種族が忌み嫌われていることも許せなかった。

 このときスゥは新たにやりたいことを見つけたのだった。


「絶対に私がイケメンに幸せを分けてあげるんだから」


 そんな燃え盛る闘志を胸に秘め、街を歩き始めたのだった。


 歩くとどこもかしこも賑わっていて見るだけで面白かった。

 沢山歩いて疲れたので今日は人と関わりたいがためだけに、宿を取ることにした。

 比較的評判の良い宿を探すため、そして、人と話すために魔道具屋、雑貨屋さん、市場、武器屋とお店を見て回るのもかねて人に声をかけていく。

 皆、とても親切で優しい人ばかりだった。不細工だったけど。


 本人は知らないことだが男女比5:1の世界ではモテるために男性が女性に対して優しく接するのは当たり前の事だった。


スゥはしっかりしているように見えて所々が抜けてるんですよね笑

どんどんやりたいこと見つけてほしいと思ってます。

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