1番星★~双子視点~★
双子視点、ラストです。
これだけは、分ける必要が無かったので分けてないです。
スゥは僕たちがお家に辿り着く前に、1人ずつにネックレスをくれた。
僕たちのお家と部屋の鍵になるから、無くしたらダメな物なんだって。
どんな魔法が使われてるのか鑑定しても、鑑定できなくて不思議だなって思った。
そうしたら、ここには沢山のそういった珍しい物があるから秘密だよって教えてくれた。
あと、バラしたらレイさんが怒るとも。
…僕たちでもわかるけど、きっと、レイさんが怒ったら誰も止められないだろうし、スゴく怖そうだから、絶対に秘密は守ろうとみんなが強く思った。
スゥにお家を教えてもらって僕たち全員固まった。
お家がとっても大きなお屋敷みたいだったから。
僕たちは見たことも無い大きなお屋敷に住めることが嬉しくて、つい、はしゃいでしまう。
でも、それは仕方の無いことだなとも思う。
だって、どれもあの宿で見たスゴいものがここにも付けられてあったんだもん。
最後に、1人1人の部屋を見せてもらった。
マークおじ…お兄さんは、森って感じのお部屋。
トニーおじさんは、話を聞いてると物騒な部屋になると思う。
ノースおじさんも、話を聞いてると図書室になるのかなと思ってる。
どの部屋も綺麗で格好良い部屋で、おじさん達もとっても喜んでいた。
これだけスゴい部屋ばっかりを見せられると僕たちの部屋が、待ち遠しかった。
ようやく、僕たちの部屋の番がきた。
ワクワクしながら僕たちは扉を開けた。
開けたその部屋は、僕たちが見たかった星空だった。
スゴく綺麗。
先生の言ってた通りだった。
先生が星を好きだと言ってた理由がとっても分かった気がした。
先生と星を見たかったな。
僕たちは気づいたら泣いていた。
僕たちを見てスゥが慌てて別の部屋にしようとするから、手を掴んで止めて説明した。
先生とのこと。
約束のこと。
そうしたら、私が連れて行ってあげるって、今度はスゥが約束しようって言う。
でも、正直、怖かった。
僕たちは、不幸を呼ぶ悪魔だ。
信じてるわけじゃ無いけど本当にそうなのかなって思うときがある。
僕たちのせいで、お爺ちゃんは魔族に襲われて、先生は亡くなったんじゃないかと思えるから。
約束をして繋がりを持つことで、また、いなくなるんじゃないかって。
「もう何処もいかない?」
「もう消えていかない?」
「勿論よ、私は2人と一緒にいる。約束も守るよ。クロもシロも私と一緒にいてくれる?」
スゥは僕たちの欲しい言葉を全てくれた。
だったら、僕たちは何も断る理由なんて無かった。
僕らは頷いた。
そして、スゥに抱きついて精一杯の今の気持ちを伝える。
「「ありがとう。スゥ、世界で1番大好き」」
これからずっと一緒にいてくれる。
優しい笑顔を向けてくれる。
手を繋いだり、抱きしめたりしてくれる。
大好きを返してくれる。
世界中探してもそんな人、スゥしかいない。
僕たちの世界1大好きな温かい人。
ずっと探し求めてた人をやっと見つけた。
先生、やっと見つけたよ。
僕たちの1番星。
もう、離したりしない。
その為に出来ることをやろう。
僕たちはそう固く決意した。
僕たちは、スゥと離れるのが嫌で一緒に寝ようとお願いした。
でも何故か、おじさん達は頑なにダメって言う。
何がダメなのかはわからないけど、僕たちも譲ることはしたくなかった。
そうしたら、スゥはあっさりと良いよって言ってくれたから僕たちの部屋で寝ることにした。
「…スゥ、寝た?」
「…うん、寝たよ」
僕たちの間で、スゥはスヤスヤと眠っていた。
それでも、僕たちと寝る前に繋いだ手は握られたままだった。
「スゥ、可愛いね」
「うん、可愛いね」
目立ったすごく整った顔立ちでは無いけど、僕たちには誰よりも可愛く見えた。
「ねぇ、クロ?」
「なぁに、シロ?」
「どうやったら、スゥとずっと一緒にいられるの?」
「強くなれば良いんじゃないかな?」
「どうして?」
「強くなったら、スゥに近づく悪い人から守ってあげられるから」
「そっか!守るには一緒にいないとだもんね!…でも、スゥが誰かと結婚したら?」
「それでも着いていけば良いんじゃないの?」
「僕たちを旦那さんが嫌がるかもしれないよね?それに、旦那さんがスゥを守ってくれるなら僕たちがいる意味ないよね?」
「そうだね。…なら、どうする?」
「「うーん」」
僕たちは必死になって、スゥと一緒にいられる方法を考えた。
「そうだっ!」
「なぁに?クロ」
「スゥと結婚して僕たちが旦那さんになれば良いんじゃないかな?」
「そっか!そうしたら、ずっと一緒にいられるね!」
僕たちの間で安心して眠っているスゥに僕たちは片方ずつの頬にキスをした。
ちゅっと軽く音は鳴ったけど、それでも起きる気配はない。
「ふふっ、ちゅー、しちゃったね」
「ふふっ、頬に、しちゃったね」
「スゥ、僕たちのお嫁さんになってくれるかなぁ?」
「お嫁さんになってくれるまで、頑張れば良いんだよ」
「そっか!その為にも強くならないとね」
「うん!強くなって格好良くならなくちゃね」
スゥの寝顔を見て、僕たちは話しかけるようにお願いをした。
「「スゥ、いつか僕たちと結婚して本当の家族になってね。僕たち、頑張るから」」
もう、目の前の大好きな人を離さないように。
置いて行かれないように。
守れるように。
僕たちが頑張るんだ。
大好きなスゥの手を握りしめ、僕たちは眠った。
久しぶりに、とっても温かくて優しい夢を見た。
夜の森の中、僕たちは2人でいつものように手を繋いで歩く。
歩いていると、周りに木がなく月の光が零れる池の畔で見知った背中が立っていた。
その人は僕たちが近づくと、振り向かないで話しかけてきた。
聞いたことがある声のはずだけど、思い出せない。
『今、幸せか?』
「「うん、幸せだよ」」
もう、僕たちは2人だけじゃなくなったから。
ずっと一緒にいてくれると約束してくれた人や、僕たちを仲間だと言ってくれる人達に出逢えたから。
『そうか。なら、良い。…やっと、お前達の1番星を見つけれたんじゃな。これで、安心して逝ける』
"1番星"
それを聞いてやっと誰なのかわかった僕たちは、振り返る背中の人を見た。
振り返って見えたのは、懐かしい先生の顔だった。
先生の体は、どんどんその池に吸い込まれて薄くなっていく。
「「先生っ!」」
『お前達が幸せになって本当に良かった。…最後に1つわしの願いを聞いてくれるか?』
「「うん!もちろんだよ!」」
『出来るなら、いつか友に会って笑顔を見せてやっておくれ』
「でも…」
「お爺ちゃんは…」
『大丈夫、近い将来、必ず出来る日が来る…そろそろじゃ、じゃあの、わしの可愛い教え子達よ。わしは、いつも空から見守っておるぞ』
「「先生っ!!!!」」
先生は池に吸い込まれ、姿を消した。
まだ、ありがとうも言えてないのに。
悲しみに暮れていると、池が急に光り出す。
目が開けられないほど眩しい光は、空に向かって飛んで、やがて夜空に星が1つ増えたのだ。
さっきの先生の言葉が頭をよぎる。
『いつも空から見守っておるぞ』
僕たちは、先生は星になったんだと理解した。
あの星は、先生なんだと。
だから、空に向かって僕たちは言えなかった言葉を伝えた。
「「先生!今までありがとう!僕たち、頑張るから見ててね!」」
僅かに光った気がして、僕たちは安心した。
そして、どんどん池に霧がかかっていき周りは何も見えなくなっていった。
「クロ、シロ。朝だよ。起きて~」
「「…ん」」
スゥに起こされて僕たちは目を覚ました。
夢を思い出してボーッとしていると、スゥが小さく笑う。
「ふふっ、2人とも同じ所に寝癖がついてる。今、直してあげるね」
そう言ってスゥは、僕たちの頭を手で梳き始めた。
起きたばかりの僕たちは、それが気持ちよくてまたウトウトし始めてしまう。
「あれ?また寝ようとしてる?…そんな悪い子達にはぎゅうの刑だぁ~」
僕たちは勢いよく、スゥに抱きしめられてしまった。
ビックリして起きたけど、離れたくなくて逆に抱きしめ返す。
やっぱり温かくて柔らかくて、良い匂いがする。
「どうしたの?今日は2人とも甘えん坊さんね」
笑うスゥを見てやっぱり幸せだなと思った。
先生、見ててね。
絶対に僕たちはこの1番星を捕まえられるように頑張るからね!
こうして、僕たちの幸せな1日がまた始まった。
1人これ書いてて、悶えてました笑
自画自賛になっちゃうんですけど、一瞬、自分天才か!と思っちゃいました笑笑
だって、しょうがなくないですか?
双子、可愛いんですもん!天使なんですもん!
理想が目の前に…もう、ヤバいです。
双子、本当に推せます。双子最強。
ヽ(≧▽≦)/ε=ε=(ノ≧∇≦)ノキャー
…以上、ブッ壊れ気味の作者でした。
どうか、放置の方向でお願いしますm(_ _)m




