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興味★~ルノマリア視点~★

遅れてすいません!

ルノマリア視点第二弾です!

またも長々となってしまいましたが、ご了承下さい。

 私はタンザ…副団長に誘われて"大地の剣"に入った。

 行ってみれば"大地の剣"は私ほどではないが、醜い者ばかりだった。

 中には、普通に他種族も混じっていて、誰もが互いを気の置けない友人として接している。

 そして、何処の誰とも知らない私と仲良くなろうと、話しかけてくる。

 私には理解できなかった。

 前の私なら仲良くなれただろうが、私は知ってしまった。

 家族も、友達と思った人でさえも、私を裏切り見捨てるのだと。

 ならば、関心を持たなければ良いのだ。

 そうすれば、私から関わることもないし、相手も私に関わりたいと思わなくなるはずだ。

 こうして私は誰とも話さなくなった。

 すると、必然的に表情筋も使わなくなり、無表情になっていった。

 愛想が悪いと散々言われたが、私が望んだことなので直す気は無かった。

 副団長はそんな私が心配らしく


「もっと人と関われ。それじゃあ、人生楽しくないぞ?あ、そうだ。お前、回復魔法使えたよな?ちょうど、人がいなかったからお前今日から回復担当に任命な」


 と言って、それ以来、全ての怪我人を押しつけられた。

 治療のとき魔力の無い場合は、勉強させられた薬学を利用して作った薬を使った。

 それを続けている間に、称号が2つもついてしまったのだが。


 そんなことを続けていたある日、副団長が皆を誘って少し上のランクのクエストを受けた。

 かなり大変だったため怪我人が沢山出たので、私はそれを次々に治していく。

 全員治し終える頃、魔力も薬もつきかけていた。


 そんな時、突然ドラゴンが襲来した。

 そのせいで、私を含めた殆どの団員は怪我を負ってしまったのだ。

 薬もなければ、私も魔力は無く、怪我もしている。

 副団長は慌てて助けを求めに街に向かった。

 私は背中に致命傷を負って、横になりながら思う。


(誰も助けてくれるわけがない、だって私達は醜いのだから)


 私は今だに持ち歩いている石を痛む体を無視して取りだし、見つめる。

 貰った石は機嫌取りでくれたものかもしれないが、捨てられずにいた。

 あの頃の幸せな気持ちを思い出せる気がして。

 それがどれだけ思惑によって作られた偽りだったとしても、私にとってそれが全てだった。


(どうせ死ぬなら本当に心から笑いかけてくれる存在に会ってみたかったな…)


 生きることを諦めていたとき、声が聞こえた。


「聞いて下さい!!今からあなた達全員を私の宿に連れて行きます!!絶対に助けます!!だからお願いです!!懸命に生きて下さい!!足掻いていてください!」


 誰かが助けに来てくれたようだった。

 しかも、女性の声だ。

 まさかとも思ったが、その人は1番重症である私の近くまで来て回復魔法をかけていく。

 痛みが消えていく感じと彼女の


「もう少しよ」

「ここまでよく頑張ったわね」

「私が助けるからね」


 と笑いかけながら温かい言葉をくれる事に安心感を覚えたが


(どうして…?赤の他人にどうしてそこまで出来る?)


 不思議に思った。

 そして、同時に久しぶりに他人に興味を持った。


(もし、生きることが出来るならこの人と話してみたい)


 そんなことを考えるほどに私は彼女が気になっていた。

 そして、痛みが完全に消えたとき彼女は


「今から部屋に送りますから安静にしてて下さいね」


 と言った瞬間、私は知らない部屋にいた。

 王侯貴族が使う部屋ではないのかとも思ったが、体力が無かったこと、フワフワとしたベッド、少し甘い花の香りによって、気づいたときには私は眠っていた。


 眠りから目を覚ました私は、ここが何処なのか分からないまま声が聞こえる方へ向かい、ラウンジらしき場所に辿り着いた。

 目の前に広がる光景に目を疑った。

 さっきまで私と同じように致命傷を負った人も、軽症で済んだ人も元気に話していた。


(まさか、どうやってかは分からないが私を送った後、あの場にいた怪我人全てを完全に治したと言うのか!?でも、彼女のステータスは人族の女性にしては特に魔力が多く強い方だが、それだけではこの人数を治せないはず)


 疑問を抱いている私達に副団長は説明した。

 彼女はスゥと言って私達のために、大切な薬や道具を使って助けてくれ、さらに、宿を提供してくれるのだという。


(こんな奇跡あり得るのか?)


 そんな思考を巡らせていると、副団長と話している彼女を見つける。

 どんな人なのか知りたくて、私は彼女の元へ歩いた。

 周りが止めようとするが聞く耳を持たず、彼女の前に立った。

 彼女は驚いていたが、私がお礼を言うと彼女は花が咲いたように笑って返事を返してくれた。

 少しあの頃に戻れた気がして嬉しくなった。

 袋に入れた石を握りしめる。


(いや、彼女はきっと表面上取り繕えるのが上手なだけだ)


 そう自分に言い聞かせる。

 彼女もきっとあの少年のように何か打算があるに違いない。

 裏では醜い私を罵倒しているかもしれない。

 しかし、自分がケガをしたわけでもないのに泣きそうな顔をして必死に私を助けてくれた彼女を、信じてみたくなってしまっていた。

 それに、彼女が私を助けてくれたことに代わりは無いのだ。


 自分に言い訳をしながら、部屋で植物魔法を発動させ珍しいとされる花を一輪咲かせた。


(これをお礼として渡そう。お礼を言っただけでは失礼だろう)


 そうして、またさっきの場所に戻ると彼女は団員達全員に囲まれ困り果てていた。

 何故か体が勝手に彼女を助けようと動き出し、彼女を引っ張り出していた。

 助けた際に、躓いてしまった彼女を抱き留める。

 彼女は副団長が怒鳴り散らしている事に唖然としていたが、私は怪我がないか心配になって見つめていた。

 彼女はそれを察したのか、大丈夫だと言ってまた笑ってくれた。

 私は嬉しく思いながら、一輪の花を彼女に渡した。

 すると、さっきよりも嬉しそうに笑顔になった。

 その事に、満足した私はその場を離れた。


 団員達の話し声を聞いていると、どうやら彼女が部屋だけ出なく料理も提供すると言ったらしい。


(成る程、それであの騒ぎになったのか)


 女性と関わることすら少ない私達はおろか、美しい男性達でさえも女性の手料理など食べたことはあまり無いだろう。

 本当に何処まで芝居で本音なのか分からない。

 もしかしたら、本当にこれが彼女本来の姿なのかも…と期待を抱きながら、料理が出来るまで部屋で過ごしていた。


 暫くして、この部屋にいても香るほど美味しそうな匂いが漂ってきた。

 食堂に行き彼女が作った「カレー」を食べる。

 彼女は何処かの凄腕料理人か何かなのだろうか、と思うほど美味しかった。

 あんなにも幸せを感じるのは初めての経験だった。

 料理に満足した私は食堂で暫くゆっくりした後、団員達の熱気に当てられた体を涼ませにベランダに出た。


(心がこんなにも踊るのはいつぶりだろうか)


 私は癖で石を握ろうとした。

 が、いつもあるはずの石もそれを入れていた袋も無くなっていたことに気づいた。


(無い!?気が緩んで落としてしまったのか!?私はあれが無いと…っ!!)


 あの石は唯一私が幸せを感じていた事を思い出せる物だ。

 それが無いと生きる気力も湧かないのだ。

 そんな物を落とすなんて、普段では考えられなかった。


(もしかして、ラウンジを見ていたときか!?それとも今落としたばかりで近くにあるのか!?)


 ありとあらゆる所を隅々まで探した。

 しかし、見つからない。

 顔から血が引いていくのが分かる。

 もう、生きていけない…と、思っていたときだった。


「ルノマリア様…?何かお探しですか?」


 彼女の声が聞こえた。

 かなり近くに居たようだったが気づかなかった。

 さらには、手伝いを申し出てくれた。

 とても嬉しかったが、私は大切な物を他人に触って欲しくなくて1人黙々と手を動かして探した。

 他にも私を心配して話しかけてくれるが、そんな暇は無かった。

 すると、声が聞こえなくなった。

 代わりに、私にずっと視線が刺さった。

 何してるんだろうと見ると彼女は、1人より2人でした方が良いと頑なに言う。

 私を見つめる瞳は、とても真剣で優しい慈愛に満ちた目をしていた。

 そして私に言った。


「どうか私を信じてくれませんか?」


 と。


均等に二弾で終わる予定だったんですけど、まだ終わらないので第三弾に突入します!

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