前世~前編~
完全なる作者の妄想ですが、気に入ってくれると嬉しいです。
また、稚拙な表現多めです。
想像力を膨らまして読み進めてください。
もう見えないよ。
霧がどんどん濃くなって次第に暗くなっていく。
「先生っ!容態が悪化しています!」
「すぐに酸素吸入を持ってこいっ!戻ってこい!頑張るんだ!」
…誰か何かを言っているようだが遠のいていく。
今はそれすらも心地よい。
もう何も見えない。
瞼は重くて言うことをきいてくれない。
音も聞きたくても聞こえない。
なら生きる意味なんてもう無いと思った。
早く…早く逝かせてよ。
私は早くあの子のところにいきたいの。
それに…。
大好きな彼らを見ることの出来ないこんな命なんていらない。
どうせ誰も私を必要としてないじゃない。
だからもういいでしょ?
私は生まれたときから体が弱かった。
体が弱いせいで何度も病院に入院をした。
入院するにはお金がかかる。それが世の常だ。
しかし、我が家にはお金がなかった。
母は私を産んですぐに父と離婚したらしい。
理由は簡単。母には他に彼氏がいた。
母いわく「本気で愛しているのはあの人だけ」らしい。
もちろん、父は大激怒。
父は嫌がらせとばかりに裁判やら何やらかんやらやり、周囲に住むご近所さんにもあることないこと言って回ったらしい。
正直、そんな馬鹿なことするくらいなら私を引き取って欲しかったが、他の男の娘かもしれない子どもの面倒をみる心の広さは無かったようだ。
父が去った後、母は壊れてしまった。
母の愛する彼氏さんには子どもがいるとバレたため別れたらしい。
それ以来、私を邪魔者のように見るようになった。
「あなたのせいで彼氏と別れた」
「あなたを産んでからろくなことが無い」
「産まなければ良かった」
「金だけがかかる忌み子が」
と色んなことを言われた。
酒とタバコの臭いで充満した部屋で毎日母はいた。
そんなんじゃ、お金も集まるはずも無く病院にも行けなくなった。
元々体が弱かったのに加えさらに衰弱していくのと精神的ストレスからか体が動かなくなった。
その何日かして母が出て行ったっきり帰ってこなくなった。
動けないため食べることも飲むこともトイレに行くことも出来ずただただ時間だけが過ぎていった。
ちょっとずつ感覚がなくなってくるのが分かって「あぁ、やっと死ねるかな」って思っていたとき、幸か不幸か、大家さんが家賃滞納を請求しに扉を叩いた。
そして、私が発見されてしまった。
それからは児童養護施設に預けられた。
そこでやっと健康な暮らしが出来て友達が出来て施設を離れ家族を持ち幸せに暮らしましたとさ、ちゃんちゃん。
で、終わったら良かったのだけれどこんなに優しい世界ではなかった。
確かに施設には入れられたものの、その施設にも寄付金や補助金などがあるにも関わらずお金が足りていなかった。
この理由も簡単。横領である。
しかも、ダブル横領という馬鹿げたものだった。
まず、申請を出して国から出た補助金を役所の人間が横領。
次に、その数少ない補助金と様々な団体から得た寄付金を施設が横領。
結果、その残った少ないお金を使って子どもの食費を賄うことになった。
だが、子どもの数が多かったため食事が全てに回ってくるとは限らなかった。
これでは幼い子まで死んでしまうと考えた私は作った食事は下の子達にあげ、私は人は水さえあれば生きれる事を知っていたし、前の家でも実践済みだったのでそうして過ごした。
こんな生活が、いつまでも続くはずがなく私は買い出し中に倒れた。
起きたら懐かしの病院だった。
そして側にはお医者さんと看護士さん、そして…2人の警察官がいた。
警察官いわく、倒れている私に救急車を呼んでくれたのは彼らだったようだ。
そして、私を運ぼうとしたら異常に軽かったこと、側にいた下の子達に家を聞いたら前から怪しんでいた施設だったことで調べるとまぁ、出てくる出てくる悪事の数々。
悪者スーパーマーケットか!ってくらいにはヤバかったみたい。
まぁ、そんなこんなで施設の子供たち全員が栄養失調とその他諸々で、入院は決定らしい。
その中でも1番状態が悪かったのが私だったみたい。
…うん、ここまで来ると私って不幸すぎませんかね?神様よ。
前世の主人公の環境酷いですよね。
こんな設定してよく生きてるなと思います。
次回、少し明るめにいきます!