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恐るべきもの

ちょっと投稿スピードが遅くなります!

 はい、皆さんおはようございます!こちらスゥです。

 普段皆さんが起きてやっと活動し始めた頃、私は掃除して、うり坊のケガを治したりやりましたよねぇ。

 すると!今私にはたいへん可笑しな光景?が見えております!

 何故かステータスに【聖女】が追加されてました~!

 …って何でやねん!!?

 いや、だって本当に可笑しくない?

 何で「へいっ!お待ち~!」みたいな感じでどんどん来るわけ??大将!?それ頼んでないですよ~!?

 いや、原因はあの天使かその上司の神様しか思い浮かばないけどね!?そりゃ、向こうには自責の念みたいなのがあるかもしれないよ?でもさ、物事には色々限度ってもんがあるじゃん??それ超えちゃったらダメでしょうよ。

 …はぁ…。

 と、まぁ、色々言いましたが【聖女】についてですね、はい。

 いつも通り、大先生から教えてもらおう。

 どうせ、この称号もお伽話レベルなんでしょ?

 もうそれ位で驚く私ではないのだ。


 聖女:全ての命あるものに癒やしを与える者の証

 この称号を持つ者は、治癒の力が宿る

 そして、状態異常が無効となる


 全ての命あるものに癒やし?

 もしかして、(獣人)場所(居場所)を与えて癒やし、植物()に水をあげて癒やし、動物()のケガを癒やしたからってこと?

 まぁ、確かにそれぞれ全て癒す機会は少ないのかもしれないけど、でも、出来ない訳じゃないよね?

 回復魔法があるのに何故にお伽話レベル?

 誰でも出来ることだよね?

 え、何々?この称号は女性限定で人や植物や動物を自分の力で癒さないとダメだから?

 あー…うん、理解した。

 前にも言った通りこの世界では女性は少ないため甘やかされて育つ。

 何かのためにということを基本的にはしない。

 つまり、そんなことをする人自体が少ないのに、他人の力を借りず、自分の力で癒せる人、ましてや自分以外の存在に癒やしを与える女性などいなかったのだ。

 女性陣よ、成長してほしい。

 はぁ…こんなとんでもな存在の私が恐ろしく感じる。


 また、これに伴い他の人に見せるためのステータスも少し変更することにした。


 名前:スゥ(15)

 種族:人族

 体力:70

 魔力:200

 攻撃力:50

 防御力:10

 瞬発力:40

 スキル:危険察知.索敵.水魔法.風魔法.回復魔法.鑑定

 称号:なし


 体力と魔力が上昇したから、少し上げといて

 見せるためのスキルに回復魔法と鑑定を足して、もしもの時にケガをしている人や動物がいたら助けてあげられるようにした。

 だって、ケガした人が来るたびに今回のように隠蔽発動させて、創造魔法使って大量の魔力を消耗するくらいなら、鑑定でちゃんと調べれる上で回復魔法使えますよってことにしとけば楽になるんだもん。


 色々あったが完全に朝日が昇りきった頃、魔力も体力も少し回復したので、また宿に戻って仕事をするためフロントに行くと、ローブを被りうろちょろしているゼノール様がいた。

 私に気づいたゼノール様が声をかける。


「ちょうど良かった。スゥを探してた」

「私を?何か用事ですか?」

「あぁ、今から出るが夜遅くに帰る。だから、夕飯はいらない」

「わかりました。…あ、なら、ちょっと待ってて下さい!」


 そう言ってキッチンに私用に置いてあったサンドイッチの木箱を持ってきて、ゼノール様に渡す。


「夜遅いならぜひ、これを持っていってください。まぁ、朝ご飯の残り物なんですけど良かったらどうぞ」


 そう言って渡すと、一瞬目を真ん丸にしてフッと笑った。


「そうか、あの朝ご飯も、旨かったからな…有難く、貰う」


 少し頬と耳が赤くなり照れながらも笑って伝えてくれるゼノール様。

 さらには私の頭に、私より大きな手をポンポンと乗せた。

 その姿に私は赤面する。


(こんなのまるで…新婚夫婦みたいじゃない…)


 顔からプシューっと湯気を出しながら直立不動になっていた。

 気づいていないゼノール様は「じゃあ」と言い歩き出したので、慌てて後を追いかけた。

 玄関の外まで出て見送る。

 私は行ってしまうことに寂しさを覚えながら


「いってらっしゃい」


 と笑顔で手を振って言った。

 ゼノール様はさっきよりも笑顔で嬉しそうに


「…いってきます」


 と言ってまた昨日と同じように尻尾を振りながら外へ出かけて


「あ、忘れてた」


 …は行かずに、また踵を返して私の前に立った。


「わわっ、どうしましたか?」


 私の前に立ったのだから私に用事があるのだろうが、何か伝え忘れたことでもあるのだろうか?

 そんなことを考えていると、躊躇うように恐る恐ると両手を握られる。

 そして、握った両手をゼノール様の額に当てる。


「…たぶん俺、すごく疲れて帰ってくる、から、これで元気、貰ってみた。…じゃあ、今度こそ…いってきます」


 ゆっくり手を離して次こそ本当に行ってしまった。

 その場に残された私はもう何も言えなかった。


(…はい!?今の何!?あれって…もしかして甘えてくれたの…??だとしたら、何なんだあの可愛さは!!?途切れ途切れの言葉も、不安そうに揺れる瞳も、ちょっとシュンと垂れていた耳と尻尾も!!あざと可愛い!!…いや、天然かな?もうどっちでも良いけど、もうダメ…萌え死にする…)


 膝から崩れた私はしばらく動けず、ただただ悶えていた。


「天然……恐るべし…!」


 その僅かに絞り出せた声も風によってかき消され誰も聞くことは無かった。


もう、私の理想というか妄想というか、色んなものが詰まってますね、はい。

まだまだありますので、ぜひお楽しみ頂けると嬉しいです。

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