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1人目のお客様

はい!妄想フィーバー第二弾!

やっときました、お客さん!!

私も楽しみながら書かせて貰いました。

なので、浮かれすぎて多々読みにくくなっていたらすいません。

 私は宿の開店準備のため女将さんのところで学んだことをそれぞれの部屋に施したり確認したりしていた。

 フカフカのベッドや机イスはもちろん、カーテンや布団の色や香り、壁のデザイン、食材の調達、お釣りをだすためのお金などなどやることは多かったが何とか完了した。

 最後に、お客さんが来たことが分かる鈴をドアにつければ完成だ。


(私、スゴい頑張ったわ!えらい!)


 ほとんど魔法に頼っただけではあるが1日でここまで出来た自分を自分で褒める。

 自画自賛である。

 こうして昼の開店にまにあったのだった。

 そして、夕方ごろ。


 カランカランッ


 初めてのお客さんが来た。

 見ると深くフードを被った男性客だった。

 私はささっとカウンターに出る。


「いらっしゃいませ」


 来てくれたことが嬉しくて満面に笑みで挨拶をする。

 男性はビクッとされたがすぐに戻った。


「…今日から2日間泊まりたいのだが」

「はい、大丈夫ですよ。では、こちらの紙にご記入をお願いします」


 そう言って1枚の紙を男性に渡す。


「…これは?」

「これは、私がどのお客さんがどの部屋にいるかが分かるように書いてもらっているものです」

「…これは書かなくてはダメか?」


 その紙には

 名前、種族、滞在期間、何人部屋か、料理は必要か

 などが書かれている。

 たぶん、この人は種族を明かしたくないのだろう。

 彼はきっと宿が取れるか不安なのだ。


「えーと、この宿は私1人で管理しているため情報が混濁することを防ぐためにしていることなので出来ればやっていただくと有難いです、すいません」


 思い悩むように顔を下げる彼を見て私は声をかける。


「大丈夫ですよ、どんな方でもこの宿をちゃんと提供しますから」


 そう言うと彼は少し考えて「…分かった」と言い恐る恐る書いて渡してくれた。


 名前:ゼノール

 種族:獣人

 滞在期間:2日間

 希望する部屋:1人部屋

 料理:いる


 紙を渡しながら彼はフードを取った。

 顔を見てフリーズした。

 少し癖のある焦げ茶の髪から生えたピクピクとした三角形の耳、二重で少しつり上がり不安そうに揺れるグレーの瞳、こんがり焼けた綺麗な肌、鼻はスラッと高く、眉は左右対称でキリッとしておりいる。

 バランスのとれた顔のパーツ。

 スラリと細いがしっかりとある筋肉。

 紛うことなき久しぶりの()()()()だった。

 やっと会えた。

 そう思うとつい嬉しくなって微笑みながら答える。


「ようこそおいで下さいました、ゼノール様。夢の宿オーナーである私は心よりあなたを歓迎いたします」


 そう伝えるとゼノール様は「は?」と声を上げる。


「…お前俺の顔見えるか?」

「はい、しっかりと」

「…女だよな?」

「えぇ、もちろん」

「……俺、獣人だし醜いぞ?」

「だから何だというのですか?種族や顔が何です?そんなもの、私は気にしません。むしろ、良いではありませんか!」


 言いたいことだけを言い切った私はゼノール様を見上げる。

 すると、さっきの不安そうな瞳は嬉しそうで泣きそうな瞳になっていた。

 それでもまだ信じきれていないゼノール様の手を取り部屋へと案内する。

 これでもう本当に泊まれるのか実感が湧くだろう。

 部屋に入れると、今度は感動して動かなくなってしまったようなので「食堂にて食事を用意しますのでまた後でお越しください」と言葉を残して、キッチンへ向かう。

 とにかく今の私は上機嫌だった。

 初めてのお客様があんなイケメンだったことと、獣人だったからだ。

 前世で好きなもの上位にランクインするのだから仕方ないだろう。

 ルンルンでキッチンで料理を始めた。

 正直、創造魔法で作れるし面倒くさくなくて良いのだが、今の私は嬉しさの余り手料理を作ることにした。

 見たところゼノール様は、犬族なのではないかと考える。

 そこで私はお肉を使った料理を作る。

 加えて、ここで前世の私の大好物!お!こ!め!だぁ~!

 大先生いわく、東の国にお米はあるとのことで使うことにしたのだ。

 まず、お肉にしっかり火を通して、魚?らしきものでとった出汁と卵を混ぜたものを投入。

 あとは塩を入れて完全に固まる少し前に火を止める。

 もう少しで完成というときにゼノール様が降りてきた。

 すぐに鼻をくんくんとさせる。


「…良い匂いがする」


 そう言っているゼノール様は目をキラキラさせていた。


「ふふふっ、まだですよ?ゼノール様。もう少しで完成なので待っててくださいね」

「わかった」


 そして椅子に座ったゼノール様は、こちらをじーっと見て今か今かと子供のように待っていた。


(ゼノール様、可愛すぎるよ。はぅっ…尊い!)


 そんな視線を背に私は素早く盛り付けた。


「はい、完成しましたよ~。これは親子丼という物です。美味しいはずなので是非食べてみてください」


 親子丼をまじまじと見つめ、パクッと一口食べた。


 モグモグモグモグ…ゴックン…。


 私は感想を聞くために横に立っていた。

 すると、ゼノール様がこちらに顔を向ける。

 見ると瞳がこれ以上ないくらいに輝いていた。

 どうやら相当お気に召したらしく、ゼノール様は何も言わずひたすら食べ、あっという間に完食してしまった。

 良かったぁとホッとしている「ん」とお皿を渡される。


「???」


 私はその行動が理解できずにいるとぼそっと


「おかわり」


 とゼノール様が言った。

 その瞬間、発狂して悶えそうになった。が、根性で耐え忍ぶ。


(キャーー!え、何この子、神だよ、拝む場所どこですか!?)


 内心はこんなにもうるさいのは誰も知らない。


「はい、どうぞ」


 そう言ってからゼノール様が食べ終わるまでこの穏やかな時間を2人は過ごしていた。

ゼノール~!

可愛い!耳がピクピクとしたのとかイイ!

ぜひ、ゼノールを好きになってくれる人が増えてくれると良いなと思ってます!

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