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私にできること  作者: 常盤周
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6

「何それ?呪われる事なんてないのに!皆と違うからってそんなひどい事を言うの?誰か呪われた事があるの?」


ウィルさんは黙って俯いた。

誰か知ってる人に言われたんだね。

ウィルさんの顔を両手で挟んで目を合わせて


「ウィルさんの目は呪いの目じゃないよ?太陽の贈り物のような金の目と冷静・・・うーん知的・・・ミステリアスな感じの緑の目がキラキラしてて綺麗だよ。すぐには無理だろうけど、ひどい事言う人よりも私が言う事を信じて?呪いの目でも呪われた目でもない。ウィルさんの目は綺麗だよ。」


ニッコリ笑って言った。

ウィルさんは固まっていたけど、そぉっと私を抱きしめて肩に顔を乗せて、ありがとうと呟いた。


「ありがとよ嬢ちゃん。こいつの目を綺麗だと呪いの目じゃないって言ってくれる奴に会えて嬉しいぜ。よかったなぁ。ウィル。ほんとよかった。ちょっと待ってろ。」


ライルさんが部屋を出て行く。

しばらくしてウィルさんも落ち着いたようで、すまないと言いつつ離れる。

なんか寂しい。

人に抱きしめられたのってお母さんが亡くなってから初めてだよね。

人の温もりが久しぶりで泣きたくなる。

ううぅ〜。

我慢、我慢。

ライルさんがお茶とお菓子を持って戻ってきた。


「待たせたな。まぁ、飲めや。で、品物見せてもらおうか?」


あれからガラクタ部屋で見つけた普通の剣や少しいい槍、地味な花瓶など興味ある文章の出ない品物をいくつか持ってきた。

正直いくらになるのかわからない。

でもお金はあるだけ困らない。

何が必要かわからないけど食料や着替えなど必要そうな物を買わなきゃだし、何があった時の為にいくらかは余裕がないとね。

ライルさんがモノクルをかけて品物を見ていく。

ウィルさんが、あの眼鏡で鑑定してるんだよと教えてくれる。

普通はモノクルなのかな?

部屋にあったのは眼鏡だったけど。


「全部で銀貨8枚銅貨3枚鉄貨7枚だ。どうする?寄り合いカード作るか?そのカードに入金しとけばカードで支払いができるぞ。」

「カードを見せれば支払いできるの?お願いします。」

「ちょっと待ってろよ。」


私のような子供がお金をジャラジャラ持っていたらぼったくられるかカツアゲされるかだよねぇ。


ライルさんがカードを作ってきてくれた。


「あとはこのカードに嬢ちゃんの血を垂らしたらいいぞ。落としたり盗られたりしても他の奴らにこのカードは使えないようになるからな。」

「ありがとうございます。」


やったぁ。

食料や調味料を買うでしょう。

あと何がいるのかなぁ。


「ウィルさん。旅には何が必要か教えてもらえませんか?」

「旅?嬢ちゃん子供が何言ってんだ!1人で旅は危ないからやめとけ。第1親が許さないだろう!」

「でも・・・」


どうしよう。

俯いて考えていたら


「両親はいないと言っていたな。何か事情があるんじゃないのか?」


顔を上げてウィルさんを見ると真面目な顔でこちらを見ていた。

大丈夫、信じろと言われているような気がして、継母の虐待や父親は知らん顔で放置、食事の話をした。

話を聞いた2人は唖然として段々怒って吐き捨てるように


「親じゃないな。出て行くのは正解だ。」


と言ってくれた。


「旅に出るならどこに行くんだ?」


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