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「親は?迷子か?」
「親はいません。お兄さんの目綺麗ですね?さっきの人達羨ましかったんですかね?あっ、この辺にギルドってあります?」
なぜか固まってる。
「お兄さん?」
「・・・っギルドってなんだ?」
「冒険者になる手続きをしてくれたり買い取りしてくれたりする所?だったかな?」
「寄り合いか。冒険者って何するんだ?こっちだ。」
「えっと魔獣を倒したりダンジョン攻略したり護衛したり?私お金が必要なんで。今日は買い取ってもらえたらと思って。でも場所知らないし人に聞こうにも気持ち悪くなって吐いちゃったし。」
「そうか。ダンジョンというのはわからないが獣を狩って毛皮や肉やら売るのは狩人とか旅人とかだな。」
この世界にはギルドも冒険者もないらしい。
どうしよう。
この世界の常識がわからないから何言えばいいの?
心の中でアワアワしてると
「ついたぞ。」
中に入るとあまり人がいない。
職員の人はなぜか顔をそらしてこちらを見ない。
なんで?
お兄さんが
「買い取って欲しいそうだ。」
言ったら
「ひっ!」
青ざめてブルブル震えてるよ。
なんで?
お兄さんのローブをギュッとと握ると溜息ついて
「こっちにこい。」
と言って歩きだした。
その後をついて行く。
階段上がって奥の部屋に入る。
「なんだ?何か厄介事かぁ?」
筋肉すごっ!
服がパツパツだよ!
ほぇ〜と見てるとお兄さんが
「この子が買い取ってほしいらしい。」
「あん?珍しいな、お前が連れてくるなんて。買い取りなら下で・・・あーそうか。スマン。俺はここの責任者のライルだ。嬢ちゃんの名前を教えてくれ。」
お兄さんと並んでソファーに座り
「クレアです。10歳です。よろしくお願いします。」
「クレアか。年は10?小さいな。」
「むぅ!小さくないもん!お兄さんのお名前は?」
「俺か?俺はウィル、21だ。」
「なんだ?お前達名前も知らずにきたのか?何やってんだ?」
「なんで職員さん達はウィルさんが話しかけたら怯えてたの?」
「あー、なんだ、嬢ちゃん。コイツの目どう思う?」
「やめろ!」
「う?ウィルさんの目?綺麗だと思うよ?緑が濃くてキラキラしてる。髪も濃い青ででも光の加減で紫かな?薄い青かな?夕暮れの夜空の色みたいで綺麗だよねぇ。羨ましいなぁ。」
「はっ⁈」
あれ?
ウィルさんがまた固まった。
「そうかそうか!だがなぁコレ見てどうよ?」
コレ?
首を傾げると固まってるウィルさんの髪を勝手に触って隠れてる目を見せるライルさん。
はっとして隠そうとするウィルさん。
バッと私から顔を背けたけど一瞬でも見えてしまった。
もう片方は金色に輝いていた。
オッドアイだから隠してた?
ウィルさんにしがみついて
「きれいな金色。オッドアイ初めてみたよ。綺麗な色を3色持ってるんだね。隠さなくてもいいのに。」
「何言って・・・」
ブフォ!
ライルさんが笑ってる。
「よかったなぁ。ククッ、綺麗だとよ。嬢ちゃん、コイツはこの目の色が違うんで皆から呪われた目とか気味悪がられたりしてるんだよ。コイツと目を合わせると呪われるってな。」