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私にできること  作者: 常盤周
3/11

3

お昼はパンと朝のスープの残りを温めて食べた。

今まで3食パンしか食べてなかったからかあまり量は食べれない。

それに身体が細すぎる。

少しずつ体力つけていかなきゃ何もできないよね。


午後もあのガラクタをみていく。

ナイフや短剣など必要になりそうな物も入れていく。

またマジックバッグがでてきた。

なんでこんな雑な扱いなんだろう?

ありふれてるのかなぁ?

それとも、ここにある事を知らない?

だったら全部持って行ってもいいのかなぁ?

とりあえず仕舞っておこう。


慣れない眼鏡を外し、ふぅ〜。

夜もパンにスープだと飽きるかな。

調味料が塩しかなかったからね。

本邸の厨房に行ってもらってくるかな?

でも、もらえるかも怪しいよね。

それに本邸に行くと後妻のモナに見つかるかも。

また暴力を振るわれたら?

怖い。

でも体力つけなきゃだし、成長期だし。

小さいままだと年相応に見てもらえないよね。

見つからないように行けばいいよね?

護り石持ってるから大丈夫だよね?

よし!

行ってみよう。



本邸の使用人出入り口とは別に厨房の出入り口があるので、そちらに目立たないように歩いていく。

そんなに距離はないのに足が重い。

息が切れる。

やっぱり体力つけなきゃ!

出入り口の横で玉ねぎの皮を剥いている人がいる。

見習いかなぁ。

そぉっと近づいても石の色は変わらない。

大丈夫だね。


「すみませんが、料理長さんいますか?」

「あぁん?誰だ?子供が来るところじゃねぇぞ!どこの子供だ?」

「ここの子でセシルです。料理長さんいますか?」

「この家に子供はいないはずだが?料理人希望か?おままごとじゃないんだ。子供には無理だ。帰れ!」

「ロン!誰としゃべっているんだ?手を動かせ!」

「はいっ!すいません!料理人希望の子供が来たんで帰るように言ってたとこで・・・すいません。」

「料理人希望?」


男の人が中から出てきて、びっくりしたように目を見開いて


「お嬢様・・・どうしてこんなに痩せて・・・」


私を知ってるみたい。

石の色も変わってないから大丈夫よね?


「あなたが料理長さんですか?」

「はい。料理長をしているマウルです。どうされたのですか?」

「お肉と調味料を分けてもらえませんか?パンだけじゃ体力つかないから、自分で作ろうと思って。」

「えっ?お嬢様が?作れるのですか?私の料理は美味しくないですか?っていうかパンだけってどういう事です?毎食お届けしてるはずですよ?」


えっ?毎食?

朝硬いパンが置いてあるだけで他の料理はないよ?

昼も夜も食事は届かないから朝のパンを3回に分けて食べてる。

そう言うと

ダバーッと涙を流しながら


「だからこんなに痩せて・・・毎食空で戻ってくるから、ちゃんと食べているものだと思っていたのですが

。モナ様に従業員全員お嬢様と関わる事を禁止されてしまってから気になっていたのに何もできずに申し訳ありません。」


フルフルと首を振る。

後妻とはいえ雇い主の奥さんに言われたら従うしかないよね。

意見を言えばクビだろうし。


「これからはこのロンにこっそりと届けさせます。安心して下さい。

さあ、モナ様に見つからないように戻って下さいね。」

「ありがとう、マウルさん。」


そう言ってその場を離れた。

お肉と調味料がもらえなかったのを残念に思いながら離れに戻った。



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