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アキヒトバトルアドベンジャーズ  作者: モフきのこ
第1章 『出会いと別れの一年間』
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EX.47 「女の戦い(後編)」

『かぐや物語』 16章『7人の豪傑』抜粋


 @@@@@


 アリアが呼ばれたこの地は将来『日本』と呼ばれた土地、その中で『太陽の聖域』———現在の王城のある場所に『初代キング』合わせて7名が集まっていた。


 アリアが訪れたのはメンバーの中で最も遅く、最後にこの地についていた。


「遅いですよ。盟友を待たすのには傲慢過ぎませんか?」


『英雄王』———アーサー·ペンドラゴンはこういう。


「グハハハハハハハ‼良いではないか‼アーサーよ‼遅れるも、待たすも、己の力に自身があると言うことではないか‼」


 そう『獅子王』———デトロイト·モータは言う。


「そうだぞ、ペンドラゴン。『傲慢』とは我の為に生まれた言葉であり、他の者に指す為の言葉ではないぞ‼」


 そう『太陽の守護神』であり、唯一の『初代キング』の付き人であるサン·グランダビストは言った。


「まあいいじゃないんかい?筋肉のおっさん二人とも。相手は女の子なんだよ?そう興奮するもんじゃない。俺達のこれからの『パートナー』となるんだから、第一印象は重要だよ」


 そう、一見チャラ男のように見える、眼帯を縫い付けた男性が『死神ヲ殺セシ者』ハートロード·ビスタは言った。


「不服な会話はよせ。奴が来たぞ」


 そう、『時雨刀』を肩に持って『剣技の創設者』である。雨風 新風郎は言った。


 コツ、コツコツ。


 タッ、と何処かの国で仕入れたタキシードを着て『初代キング』レオン·ハザァードが現れた。


「やあ、皆。来てくれてありがとう。交通手段については後々聞くとして。さっさと今回こんな極東の島に来てもらった訳を話そう」


 そして、レオンは一つ間を置き。


「ここからは人類にとって俺達は敵になる可能性があまりにも高く、これは神にも運命にも喧嘩を売ることになる———それでも良いならここからの話を聞いてくれ。強要はしない」


 出ていってもいい———という事だろうか。


 アリアはその言葉を聞いた上で言った。


「喧嘩を売るとかはどうでもいいですが、報酬とかはどうなります?一応私、貧乏なんですが」


 その言葉にビスタは乗せた。


「俺は別に金とかは間に合ってるから、何か珍しい物が欲しいなぁ〜なあレオンくん?」


 バン‼とアーサーは机を叩き怒号した。


「貴様ら‼それでもレオンに選ばれた物がなのか‼真の英雄は媚びるような物はしないはずだぞ‼」


「ほら」


 コトン、と円卓のテーブルにレオンはどこから出したか分からないような壺を置いた。


「なんじゃいそれは」


「不老不死の薬『天上薬』だよ」


「『天上薬』······聞いた事がある。確かそれはまるで呪いのように精神と肉体を離さず、『神』のような存在———いやそれ以上になる伝説の薬。何故お前が!?」


 そう雨風が驚き、疑問を彼にぶつけた。


 レオンは壺をくるくると回しながら。


「まあ、これは貰い物なんだけどな······効用は本物だ。たとえ腕の1本や2本千切れとんでも1、2時間ですぐ修復する」


「何故そう言い切れるの?」


「もう、飲んだからだよ」


『‼』


 すでに飲んだのはレオンとグランダビストの2人。


「副作用とかはどうなんだ?」


「お前達と出会う前からコレは飲んでたが、こう副作用はないな」


 レオンは回していた壺をパシッと掴み。


「これが前払いでどうだ?」


 まず、その言葉に反応したのはビスタであった。


「ククク······いいな、コレ。副作用なしでこうも力を身につける事が出来るのか。ハイリターンノーリスクじゃねぇか。乗ったぜレオンくん。前払いなんてとんでもない。これが料金でいいよ」


 そう言って中に入っていた薬1粒を飲み込んだ。


「ガハハハハハハハハハ‼面白い‼乗ったぞレオン‼面白い話には試練は付き物だからなぁ‼」


 そう言い、モータは1粒を飲み込んだ。


「私はいらん。それよりもレオン、頼んでおいた物は出来たか?」


「最上の金床は今部下達に造らせてある。大丈夫だ。あいつらは腕だけは確かだ」


「そうか、なら良い」


 雨風はそう言い、満足したような顔をした。


 アーサーは——————


「おおっと‼あんな事を言っておいて自分も食べようとしているのかい?強欲な女の子はモテないぜ」


「············‼」


「ちょっと待って‼撤回するから‼前言撤回するから‼無言で剣を振り上げないで‼」


 結局、アーサーも食べた。


「私はもちろんお金は貰いますからね」


 そう言って私も『天上薬』を食べた。昔の私が聞いたら絶句して、失神したに違いない。全く、私も変わったな······と思った。


 さて、そろそろか······


「それじゃあ今から内容を———」


「すみません」


『?』


 そこにはコック帽を外し、金髪のみつ編みの女性が現れた。


「お料理の時間になりました」


「いや······でも、今から大事な話があるし······」


「大事な話など、お腹の膨れない言葉なぞ必要ないですよ。どうせいつでも言えるでしょう」


「うぐっ!···まあそうだけど······」


「ガハハハハハハハハハ‼嬢ちゃん強いなあ‼儂でさえ脅かせなかったレオンにこうも仰け反らせるとは‼」


「はぁ···それじゃあお願いします」


「かしこまりました。皆様の好みの料理をご用意しておきました」


 好みなんて言ったっけ······?


 @@@@@


「美味しい······」


 円卓に並べられた料理は全員違うものの、私の目の前に並ばれた料理にもはや無意識にそう言葉を発していた。


「貴方······どうやって私の好みを···?」


 その私の疑問に彼女は特に堪える訳でもなくすぐに答えてくれた。


「私の『異能』です。私の力は『人の好みを知ることが出来る』事です······まあ、それと同時に『人の弱点を知ることが出来る力』を持つ人間も存在する事もあしからず」


「そうですか······」


 そう言って悲しく笑った彼女を見て、私は不安に思った。


「何かありましたか?」


「いえ······ふと昔を思いまして······」


「昔······?」


「レオン様と出会った時の話です」


「ハザァードと?」


「ええ······少し話は暗くなりますがよろしいでしょうか?」


「えっ···ええ、お願いします」


 別に私は他人の黒歴史を暴いて笑うような性格の悪い人間ではないのであしからず。


「私はここに仕える前、ある貴族の料理人を務めていました。ある日、私は異国の河豚という魚を捌きました」


 彼女は1つ間を置いて。


「あの時私は料理を完璧にして、当時のご主人様に出しました———しかし、彼は毒によって亡くなった」


 彼女は再び間を置いて。


「あの時の理由はレオン様によってお伝えされました······あの時の犯人は当時の同業者の一人で、あの事件の後、既に自殺をしていたらしいです······私は牢屋でレオン様と話す機会があり、『生きる』か『死ぬ』かを伝えられた後、わは『生きる』を選択した際、レオン様の『異能』の1つらしい分身をご用意して、私を生かしてくれました」


 その時から私はレオン様に仕えています、と彼女は彼女である根源を話終え、私の感想を聞く前にペコリとお辞儀をしてその場を去った。


 @@@@@


 食事が終わり、レオンは少し咳払いをして言った。


「それじゃあ、そろそろ言っておこうか———皆に手伝って欲しい事は———」


「『かぐやの救出』だ」


 そうして、奇怪で奇妙な7人がそれぞれの力を使い、様々な戦いに身を投じ、将来彼らは『キング』の仲間として、最も有名になるのはまた、別の話。


 @@@@@


 そして、話は急速に巻き上がり。


『初代魔女』から『現代の魔女』に時代が変わり。


 事態が変わる。


 @@@@@


「レインボー‼」


 アキヒトはレインボーを纏い、突っ込んだ。


「カレンちゃんは逃げて——————!?」


 彼女は立っていた。


 彼女は彼を目の前に立っていた。


 彼女の心は落ち着いていた。


 まるで、先程の彼女とは全くの別人のように———


「アキヒトくん······ごめん」


 彼女は彼を目の前に右手を開き——————


「"キラメラ„······"3重連弾„‼」


 先程の炎の球体が、3つうまれ、それが重なり1本の棒となり、彼女はそれを彼の突き刺した。


「"超速上熱大炎火(フラックショット)„‼」


 突き刺した炎が爆発し、彼を焼き尽くした——————と、思っていた。


 焼き尽くしたように見えて、全く焼き尽くしていない。


 アスナは目を擦った。


 すると、そこには一瞬だけ、燃えていない彼が見えた。


「なあ〜るほど‼カレンちゃんを幻覚を使ったのかぁ〜」


 艶めかしい声を出しながら、頭上の彼女は言った。


『幻覚』とは、脳が『そうなった』と勝手に認識出来るような、その全てが現実に『起きたように』なる。脳の『無意識的判断行動力』によって決まるものである。


 彼女はそんな現象に近いものを、ノーモーションで、まるで息をするように行った。


 そんな光景を見ながらアスナは頭上にいる彼女の少し前の言葉を思い返していた。


『天才の魔女』という言葉を何度も反芻しながら、結論にたどり着こうとしていた。


 確かに、今さっき迄の戦闘から······アキトくんが一撃でノックアウトしたなんて想像出来なかった。


 ······もしかして······もしかして、彼がその場にいるのみ彼女の本来の力が出せるというの······!?


 @@@@@


 これはほんの少し前。


 中学校と同じように卒業していく、『魔法高校』を一年早く卒業していく際———『49代目魔女』のリトラス·メリアと対話をしていた。


『貴方の力には制限がない······そのような力で現代社会———ましてや異国に行く事はお勧めしないわ』


『それでも行きたいんです······それに、貴方には私を止めるのに特に理由はないんでしょう?』


 リトラスは頭を掻いて、やれやれ、と呟いた。


『全く······私の同僚であり、貴方のお母さんにも言われたわ。親子揃って変わらないわね』


 リトラスは、それでも、と言い。


『貴方の力は本当に危な過ぎるし、まだ貴方にはそれを扱える程の器を———それを扱える杖を持っていない』


 リトラスは人差し指を上にたて。


『制限をつけましょう』


『制限······?』


『ええ······制限よ。貴方の魔力を私の魔力で一時的に封じ込め、その制限にはまる場合だけ、貴方の本来の力を発揮することが出来る———というのはどう?』


 カレンは暫し考えた。


『分かりました。では、アキヒトくんという人の為に力を発揮する、のはどうでしょうか?』


『ええ、分かったわ······では、行くわよ』


 リトラスは両手を彼女の頭を包み。


『デル·ラルタ·ミシェル·ギラ·ストライド·アッシェルダン』


 リトラスはその他7つの『詠唱』を行った。


 そして、彼女の頭を少し撫でて。


『行ってらっしゃい······貴方の幸せを私は望んでいるわ』


『はい、ありがとうございます』


 なんとも、懐しい感じがした。


 母曰く、まだ私が赤ちゃんだった頃に一度抱っこしてもらったらしいが、今の私には関係ない。


 未来のアキヒトくんらしく言えば。


「過去の自分なんて赤の他人で


 過去の知人は自分の『核』である」


 私は『49代目』の愛と優しさを貰って———


『魔女の里』を去っていった。


 @@@@@


 そして今。


 昔の級友であり、既に殺すターゲットとなった。アルバニア·ディセントを視界にいれた。


 既にアキヒトくんは私の『幻覚』によって、精神的ショックで気絶している。


 良かった······私の本気が見られなくて······


 だって、本当に醜いんだから。


「街も、誰も傷付かせない——————ただ、貴方を殺すだけ」


「さぁ〜ね‼今度はあんたが殺されるだけかもねぇ〜え!断末魔だけは聞かせてよ‼"キラメラ„‼"100弾倉連弾(ハンドレッドショット)„‼」


 ボッ···ボッ‼という音と共に100発の炎球が浮かびだす。


 でも、アスナは確信していた。


 先程の炎球よりも圧倒的に弱い——————と。


 彼女は先程と同じように右手を上げた。


 見た目が変わり、まるで『初代』と同じ聖女の姿に変わって——————


 そして『詠唱』をした。


『声なき世界の怪物達よ』


『今ここに絶望と共に斉唱し』


『その咆哮を力に変えよ‼』


「"万物の絶望の咆哮(ブラックアウト)„‼」


 その瞬間、彼女の手から暗雲が漂い、その目から骸骨が現れる。


 その骸骨が厳かに口を開き。


 超弩級の咆哮が放たれた。


「放てぇ‼」


 アルバニアは100発の炎球を放つが、その光線に全て蒸発され、無になる。


「ひっ······ひぎゃあああああああ‼」


 その声を最後に彼女自身が蒸発した。


 アスナがもう一度瞬きをしたときには、カレンの姿は始まりと同じ制服を着ていた。


 そして膝をついて未だ眠る彼の頭を触る。


「私は······彼なしでは生きていけません······そんな『制限』を付けました。だから——————」


「私は彼を逃しませんよ」


 そう笑顔で言った。


 私は肩をすくめて。


「前言撤回、やっぱりあなたの事は嫌いだわ」


「嫌いで結構。私は彼に———アキヒトくんに好かれればいいですから」


 そう言って、2人は笑った。


 優しい音色のハーモニーを添えて——————





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