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アキヒトバトルアドベンジャーズ  作者: モフきのこ
第1章 『出会いと別れの一年間』
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EX.44 「名前決め回(本番)」

 今日はまだ終わらない。


 結構木曜日とは時間が長く感じるものだが、本日はさらに感じるようになっている。


 午前中はあんなにあっという間に過ぎていったのに、午後からウキウキワクワクの2連発によって、なんでこんなにも時間が進まないんだよ⁉、という考えが無かったと言えば全く嘘になる。


 まあ実際にはヒーローカードが返ってきたという別次元のワクワクがあったのだが······まぁ、それはいいのだが。


 なんでこいつこんなにも顔真っ赤なんだ?


 今現在、隣にいるカレンさんは真っ赤になってぷしゅぅ〜と煙をたてている。ところどころフラフラしているので不安にはなるのだが。


「大丈夫でしゅ!······だっ大丈夫だよ!!」


 そう噛んだあとそっぽ向いてあうあう言っているカレンさん。先程よりも煙がたっているのでさらに不安にはなるのだが、あの素振りが妹に似ているので微笑ましいような感じになるのは俺がシスコンだからなのか?


 @@@@@


 そんな会話から20分電車や徒歩を続けた後、ようやく目的地についた。


「へぇ〜一度パパに連れられて行った事あるけど、こんな小さかったっけ?」


「場所によって変わるからな······大都市のギルドと違ってこういう地区都市はこれくらいの大きさなんだ」


「ふぅ〜ん」


 おそらくだが、カレンが言っている所はニューヨーク辺りだろう、親父が微かに覚えていた。


 実を言うならば昨日の夜親父に(8時だった)電話をかけたのだ。余島について。


『余島か······懐かしいな、旧友だ』


 話を聞く限り俺の親父は余島父と面識あるらしく、親父がニューヨークに来た際、少しばかりの案内をしたらしい。その時、余島父の膝辺りを掴んでいた少女がカレンらしい。


『第四次英雄大戦』の生還者


 それが親父と余島父を繋ぐ仲らしい。圧倒的な実力で隊長になった親父と一番槍である余島父はなかなかの接点があったらしい。話を聞いている間で親父の勤務時間がきた為、電話を切ったのだがその間に色々な事を教えてくれた。


 親父はギルドの面々とは面識があり、そのツテでカレンにヒーローカードを与えたことや、時々親父の所に遊びに来て強さを教えたりしていたらしい······全く母さんが知ったらまずいような事をしていたらしい···


 ようは薄い縁だが、ずっと俺とカレンは親父という綱で繋がっていたらしい。


 だがまあ、今はそれは関係なく親父は親父とて紹介はしないといけないので、俺の気苦労が現れてきそうな事件性の匂いがするぜ。


「さて!皆待ってそうだしそろそろ行くか‼」


「え、うん。ところで何するの?」


「そりゃあもちろん——————」


 @@@@@


「第2回‼パーティーネーム決定戦‼」


「いぇぇぇい·········」


 返事はあるが屍のようだ。


「いぇぇぇい‼」


 元気の良い声が聞こえる(1名だけ)。


「どうした!?元気ないぞ?もっと盛り上がれ‼」


「いええええええい!!」


 新任さんがものすごく元気な声がするが、その他が様々な状態で死んでいる。


 さらに1名は(岡田)は机に突っ伏して、ハルトに水の入ったコップが乗せられて動くにも動けないような状態になっている。


 もっと質の悪い事にそのハルトはケチャップを手に持って死体のリアル度を増している。······ハルトよせめてケチャップは誰かに持たせろ。


「そんな全員にツッコミを続けたら時間が幾らあっても足りないわよ。さっさと決めて帰りましょう」


 どうやら前回が応えているらしく、テキパキと始めようと急かす吉田。


「残りの死体2体は皆気付いているけど放っつておこう」


「え?死体なのこれ」


「ああ死体死体、今さっき死んだの」


「今さっき!?」


 まさかの独特のリアクションと騙されやすさを見せてくれたカレンさんを横目に俺は2体の死体を端に寄せる。


「俺達の対応が酷いぞ‼」


 そんな死体の叫び(?)を無視して、俺はホワイトボードを1枚だけ置く。


 一発で決めるぞ、の意志だったのだが、そのホワイトボードをとってキュ、キュ‼とペンをはしらせたのはカレンである。


 ちなみに未だに動けていない岡田を合わせて、円型の席に座っていて、カレンの両端は岡田と吉田だ。


 時間がかかり過ぎているのでは······?と思ったのだが、カレンは未だにキュ、キュ‼とペンを動かしていて、終わる様子は見せない。


 長い名前は流石に駄目だろうと言おうと思ったのだが、隣の吉田がちらちらと見てその上で何も言っていないのならば、大丈夫な名前だろう。


「出来た‼」


 そう言ってカレンはホワイトボードを机の上に置いて俺達に見せる。


 今、思ったのだがカレンのこと皆気にしてないのだろうか?まるで自然のように溶け込んでいるのだが。


 そんな疑問を持っていた俺の目に映ったホワイトボードに書かれているもので、完全に吹き飛んだ。


 絵を描いていたのだ。


 しかも上手に。


 7枚の壁と、おそらく俺と吉田とカレンをデフォルメしたキャラが両手を上げて喜んでいる絵だ。


「絵かよ!?」


「絵だよ?」


 リアクションがこれだと······!?


 すると、吉田がコツコツと指先で絵の一部を叩く。


 なんだろう?と俺は彼女の指先を見る、そこには———


『セブン·ウォーリアーズ』


「それ······良さげだな‼」


 どうやら生き返ったらしいお二人がまず反応する。


「へぇ〜いいんじゃないの?」


 それにハルトが乗る。


「助け······助けて·········」


 1名が動きたくとも動けなかった。


「絵を描き出した時は驚いたけど······結構良いわね、コレ」


「ああ······確かにこれはいいな‼」


 最後に俺は感嘆の声をあげる。


「えっえへ······そうかな?」


 カレンは頭をポリポリと掻いて照れる様子を見せる。


「ああ······最高だよこれ、ありがとう‼」


「いやいやぁ〜仲間ですから」


 @@@@@


 そんなこんなで俺はアキヒト『英雄実績認定カード』を出してようやくパーティーとしての認定を行われている間、ようやくカレンという娘からコップを取り除かれ自由を得ていた。


 そこで、ようやく新しい仲間に入った(後にアキヒトの独断と知る)彼女を見る。


 そこで、俺はフッ···と笑って。


「ついにアキヒト2人目の彼女を見つけたか」


 ———その失言は後にアキヒトをかなり苦しませる事になるとは俺は思ってはいなかった。





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