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アキヒトバトルアドベンジャーズ  作者: モフきのこ
第1章 『出会いと別れの一年間』
36/285

EX.35 「チャット画面の脅威」

アスナは絶句した。


レインボーも同じく絶句した。


何故ならば『星を破壊する』なんて言葉はそう簡単に出ないからだ。


ましては戦闘中、そんな余裕はない筈。


()()()()()2()()()()()()()()()···


「えっ···と、これは答えたほうが良いのかな···?これは確か『フライパン』だったよね···」


「駄目ですよ!罠の匂いがぷんぷんします」


「だよね···」


レインボーはアスナの言葉を強く否定する。


しかし、誰から見ても罠と見える文章でも誰かは答えなければいけない。


『20万人が答えられなければある国から爆弾を拝借して星を破壊します』


少なくとも20万人答えなければいけないからだ。


プリンの争奪じゃんけんの様な自由参加ではなく、クラス行動の様な強制参加。


拒否権など存在しない。そこにあるのは、ただのなすりつけ合いだ。


汚名と勇者の称号の―――――


         @@@@@


『誰やんの?』


『俺、やろっかな〜』


『何言ってんの罠に決まってんじゃん。これでなにか起きたらあんたのせいだからね』


『20万人の勇者挙手プリーズ!』


『誰かやってぇ〜お願いだからぁ〜』


『無責任に人に頼るのは駄目だと思うのだが』


『ここぞの英雄だろ‼』


『助けてぇ〜英雄ぉ〜』


『そもそもある国って一体何だよ?』


『やっぱラシアじゃね』


『だよな俺も思う』


『最近あそこ風評悪いよね』


『あそこだったら星を破壊する爆弾とか造れそうだもんな』


『英雄、キング助けてぇ〜』


『誰でもいいからやってよ』


『そもそもこれに制限時間とかなくね?』


『えっマジで···?うわっ‼本当だ‼』


『じゃあやらなくてよくね?』


『やったぜ!みんなボイコットしようぜ‼』


          @@@@@


「やっぱり···みんなしないよね···」


そうアスナが呟いた瞬間、あるメッセージが残された。


文字ではなく、映像が。


アスナは不可思議に感じたが、思いきって再生のボタンを押した。


そこには、チャットでの予想通りラシアの国の映像であった。しかし――――


けたたましい音と共にある1本のミサイルが打ち上げた映像でもあった。


後に語るが星を破壊するほどの爆弾は未だ開発されてなく、このミサイルの破壊力はせいぜい大きな山を平らな土地に変える程度の威力だったらしい。


だが、世のIT社会――――情報が巡り巡る時代にジャックによる情報遮断。更に、ミサイルの映像。人が恐怖の戦慄を感じるには長い時間は掛からなかった。


もちろんアスナもレインボーに拘束されなかったら危なかっただろう。


その間に『電脳』がミサイルの軌道予測をたてていくがしばらく掛かるらしい。


そして、皆がそれぞれの答えを書いていき、1万を容易く超え、2万3万といく。


「不味いです‼早く止めないと‼」


「無理ですよ!世界人口73億人住んでて、その中で携帯を使ってない人を引いたとしても、たった20万人ですよあっという間に溜まりますよ‼」


「それをやるのがモフちゃんの仕事でしょう‼」


「出来ませんよ‼何ですかその仕事、後始末感半端ないですよ‼――――ちょっ⁉止めてくださいレインボーさん振るの止めてください‼気持ち悪いです‼」


「うわあああああああああ‼アキヒトォォオ助けてぇぇぇ‼」


「うるさい‼」


混乱しかけた3人を我に返させたのは岡田の声であった。


「助けを求める前にアキヒトを···アイツを信じろ!今、あの中でアイツと戦えるのはアイツだけなんだ‼」


「だからこそ見届けろ‼」


岡田は映像に映るアキヒトを見ながら皆を叱る。


「·········そうですね、私にしては戸惑い過ぎました。おかだ、あなたに言われなくても分かってます······私はずっと前からアキヒトの事は信用していますから」


「その減らず口は黙ってたほうが良かったけどな」


「あなたの方がうるさいですよ無理やり閉じましょうか?その口を」


岡田は、止めてください、と言い多少の会話を交えつ2人は画面をじっと見つめる。


そして残り2人は携帯の方を確認する。


もうとっくに20万人は軽く超えている。


しかも、もう50万人を超えようとしている所だ。


「大丈夫何ですかね?」


アスナは、さあ?としか答えられなかった。


自分の今身に起きている事が全て信じられないと叫んでいる自分もいたり、どうにかしてなんとかしようと考えている自分もいた。


だけど、何も出来ないのが現実だ。


アスナは歯ぎしりして、チャット画面を見つめる。


するとメッセージが届いた。


         @@@@@


「くっ······そぉっ‼」


全力の一撃を止められ、その上で全て弾ききれなかった残り1本が脇腹に直撃し、一直線上に吹き飛ぶ。だが、浮遊感の中でなんとかバランスをとり壁に足を付け、全力で蹴り『リヴァイント·ストライク』の体勢をとる。


「うおおおおおおおおお‼」


「ゲ「ゲゲ「ゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲッゲッゲェェェェェェ!!!」


           @@@@@


『こんにちは皆さん

20万人答えが出たのである映像を出させていただきます』


『自分の軽率行動に1人のヒーローが死ぬ瞬間をご覧あれ』


『そして後悔しろ』


          @@@@@


「えっ···どういう事?」


突然きた謎のメッセージによる言葉とそれと共に掲載された映像を見てアスナとモフは困惑していた。


何故ならその映像に映されていたのは今、目の前のパソコン画面に映し出されているアキヒトと生物の姿であった。


『うおおおおおおおおお‼』


『ゲ『ゲゲ『ゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲッゲッゲェェェェェェ‼』


そして、その後彼は()()()()()()()


まるで静止画像のように―――――


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