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アキヒトバトルアドベンジャーズ  作者: モフきのこ
第1章 『出会いと別れの一年間』
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EX.27 「岡田智樹という少年」

 俺は考えた。

 このパーティーは近距離戦の(能力さえ使えば遠距離も中距離も使える)俺と、同じく近距離の(こちらも同じく能力さえ使えば遠距離は使える)ユウスケと、100%近距離さんの山本とハルト。

 このたった5行程読んで気が付いた人もいるだろう。


 そう―――近距離ばっかなのだ。


 今更脳筋なのは置いておいて、更にはヒーラーなんか皆無なのも置いておくが近距離ばっかなのは流石に置いておく事は出来ないだろう。


 俺の考える遠距離はどデカいライフルとかで敵を一掃するかと思うのだが皆はどう思うのだろうか?


 やっぱカッコイイじゃん?銃って一応『銃士(ガンマン)』の能力も持っているけどそれを使っても全然扱えないからさ、やっぱ憧れるって―――という事を隣で話しているアスナさん(近距離さん)に話してるんだが、苦い顔をされている。


「アキトくんのその···カッコイイっていうのは分かったけど···それよりも···やっぱ気になるのはその、真っ黒になっているくまなんですけど···」


 説明しよう!今この状態はポックルと別れて数時間後―――つまり、一徹状態である。

 眠いは眠いが、死ぬ程ではない。他にもゲームで一徹さんや宿題や勉強で一徹さんとは違って死闘をしてきたさんなので体のだるさは否めないが、ぶつんと落ちるような眠さではない。

 もちろん死にかけたなどアスナには話せる訳がなく『糸』の能力で服を縫合出来たのは死ぬ程感謝している。


「まっ···まぁ大丈夫だよこんなの最高七徹しているんだぜ、こんなの余裕だよ」


「そう···ならいいけど、気を付けてねあの時だって電池が切れたかのように眠って3日間起きなかったときほんとに心配したんだからね」


「悪い、悪い気を遣わせちゃって。帰ったら即行寝るから」


「約束だからね」


「ああ、もちろん約束だ約束」


 するとアスナは「そう」と呟きカバンの中からスティック状の何かを取り出した。


「な···何それ?」


「くま消しのクリームよ···さっ、目瞑って」


 俺はアスナの言うとおり目を瞑ると目の下辺りがこしょばく感じる。そうして数秒後アスナが「よし!」と言うと目を開けアスナから鏡を受け取り自分の顔を見る。すると―――


「なんで俺の唇が光っているのでしょうか?」


「ラメ入りのリップを塗ったかです」


「いやいや!校則違反じゃんか!」


「校則の穴を抜け出すのが私達の仕事です」


「マジか···」


 まぁ···リップ自体は校則ではNGではないがラメはな···これで俺が怒られたらどうするんだ⁉とツッコミたくなるが、アスナをこんなにも軟化さしてしまったのは俺の責任でもあるのでそこは俺の我慢スキルの使いようだな···。


 そう思う普段の昼、いつもは人やチャイムなどが邪魔をするのだが今回は落下したものが俺の頭に直撃した事で邪魔されたのだ。


 なんとこれは空き缶だったのだ。


 @@@@@


 もちろんこれは、どっかの石を身に着けた美少女が空き缶の姿となって俺の頭にぶつかったのではなく、正真正銘からの空き缶が俺の頭に当たったのである。


 ちなみに犯人の見当はアスナの方がある程度知っているらしい。

 犯人の名前は恐らく岡田 智樹 能力『銃士』。

 何故、この学校に来て余り期間の少ないアスナの印象に残っているのは、アスナ曰く『周りに友達がいっぱいいるのに自分は一人ぼっちの様な表情をしていたから』だそうだ。


 俺は一応どんな奴か分からない。ヒョロっぽい人間、ゴツい人間かもしれないし、カーボーイハットを身に着けたマジもののガンマンかもしれない。だからこそ、俺は空き缶を持ってマウントをとれるように屋上に登り、バン‼と強い音と共にドアを開けた―――。


 @@@@@


 岡田智樹は焦っていた。


 例え最近少々嫌な事がありいつもの日課の空き缶5本撃ちをやっている内に無意識に『バーストショット』を撃ってしまって空き缶を1つこの屋上から飛ばしてしまったのだ。


 岡田が空き缶を飛ばしてしまった方向には人通りは少ないがそのせいかカップルに人気なのだ。


 もし、ゴツいヤンキーとかにぶつかってバン‼とドア開けられたらリンチ間違い無しだ。


『笑え···笑っていたら必ずお前の信頼出来る···そんな仲間が友達が現れるから···笑え』


 自分の命の恩人が最後に残してくれた言葉だ。


 ごめん···まだ···笑えてないよ···。


 岡田智樹は悪く言うと間接的ないじめられっ子であった。彼に集まる人々は岡田智樹という存在ではなく岡田智樹が作るメカなどに興味があった。


 ギブアンドテイクではなくギブオンリー―――それが岡田智樹の人間関係であった。


 その機械を売られて金にされるか、壊されてゴミにされるか――――その兵器を使って村を1つ壊されて責任を全て自分に擦り付けられた時もあった。


 だからこそ、彼の本当の友達は存在しなかった。


『笑え』と言ってくれたある人物には責任を擦り付けられた時に出会った。

 彼は壊された村の出身で本来だったら兵器の製作者―――つまり元々の元凶である自分を恨んでいると思っていた。しかし、彼は自分の事を信じて、あろうことか本当の犯人も見つけ出した。


 だがしかし、彼はもう死んでいる。


 洞窟内で犯人と接触し、その際戦闘となった。


 犯人に半ば半壊した洞窟から自分の事を助け出し。彼は洞窟に残った。


 口から血が出て、腹に大きな穴が開き、死にそうな状態であった。


 自分が泣きながら「逃げよう」と懇願したが、彼は残ると言った。


 そして、その際自分の頭にぽん、と手を置き言ってくれたのがあの言葉出会った。


 彼の名前は大空 元気 座右の銘は「笑顔こそ正義」―――何もかも明るく優しい人であった。


 しかし、あれから5年も経った今、自分はその約束を守れていない。


 そして、今――――岡田智樹は15歳となっている。



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