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アキヒトバトルアドベンジャーズ  作者: モフきのこ
第1章 『出会いと別れの一年間』
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EX.24 「『傀儡の王』と『銀河の覇者』」

 全身が汗を噴き出して、まるで恐怖が細胞自体に植えつけられているようだった。


 黒髪を抜けば三色髪の彼は戦いの中で鬼神にも似た戦いを見せることがあった。実際、30分も満たないこの時間の中でポックル自身が感じていた。だが、その戦いの中に一定量の慈悲と敬意が感じされていたのだ。だが、今の彼からはただひたむきな、たった一つの感情だけが存在していた。


 目の前の相手を殺すだけしか――――


 @@@@@


 50億年前


 初代『傀儡の王』リオル·アレクシスと『銀河の覇者』黒鬼がトリア星の唯一の国『赤の王国』王城にいた。


「案外、時間が掛かるものなんだな星一つ創るのに」


 黒鬼の冗談にも似た言葉にリオルは声高々に笑い。


「わっはっはっ‼まぁ『破壊屋』って言われているお前には到底考えられない時間と苦労があるんだよ!」


「まぁ···俺の『破星拳』だったら、この星なんかものの数分で崩れ落ちるけどな」


「いや、それだけは本当にやめてくれ頼むから‼」


 この二人が元々こんなに仲良くはなかった。

 黒鬼は『銀河の覇者』として孤高な戦いに身を投じ、リオルは『傀儡の王』として多くの死体と共に銀河を支配しようとし、時折二人は大戦レベルの戦闘をしていた。


 それが、10と2万5427回、数えた後二人がお互いの力を認め合い、今では良き話し相手となっている。


 そして、リオルはその後、宇宙の様々な隕石を繋ぎとめ『トリア星』を創り、そこから3億年経ち己のある違和感が感じていた。


「なぁ、黒鬼」

「ん?」

「俺、そろそろ死ぬと思うんだ」

「そうか、そろそろだと思ったよ」


「で、俺は何をやればいい?」


 その言葉が自分に対する黒鬼の優しさだと感じ、リオルは嬉しくなった。


「ん···なあに、俺を殺してくれないか?」


 @@@@@


 場面は戻り、50億年後の『赤の王国』王城、王室―――二人の会話から始まる。


「アキヒトさんは二重人格なんですか?」


「別にアイツ自身は二重人格じゃあないな···まぁ二重人格よりも多重人格の方が近いかな―――それよりも見ろ」


「え···?」


 ポックルはそう言われてユウスケの方を視線を移す。そこには、ピクピクと動いているユウスケの右手があった。


「体が動き始めている···アイツの意識がアキヒトの方に向いているのと、俺達が慣れてきたというのがあるかもな」


 なるほど、だったら僕ももうすぐ動けるかもしれない。


「なぁ、ポックル。一つ聞いていいか?」


「はい、何でしょう?」


「お前の能力は何だ?」


 @@@@@


 アキヒト―――もとい、黒鬼が飛び出した。先程つけられた傷はすでに回復している。まるでマジシャンの様に瞬きの瞬間で傷を治したのだ。

 だが、彼の―――メセラ·ディファインの不安はそこではなかった。


 ―――――――――魂が違う。


 傀儡を扱う、いわば『魂の専門家』である彼にとっては、アキヒトの突然の変化に驚いていた。


 恐らく、あの口振りからは『黒鬼』だろう···だが、伝説と言えどもたかが伝説だ、尾ひれがつくことだってある。それに、勝てないはずがない···‼


「ふはははははは‼そこは私の円だぞ‼」


『知っている』


「は···?」


 どごぉぉぉぉぉぉぉん‼と強い音と衝撃と共にメセラの体に黒鬼の拳が入る。


「ぐぼぁはぁ······」


 メセラの口から大量の血反吐が飛び出す。


『どうした?もしかしたらその玉座が安楽椅子になるかも···なぁ‼』


 どぉぉぉん‼と鋭い蹴りがメセラの顎に入る。


「···て···めぇ···」


 口を抑えるメセラに黒鬼は指を指し。


『一つ答え合わせをしておこうか。お前の言う『円』はリオルの最も得意だった、死者製造技『万里天祥』だ、お前は過信していたんだよこの技に···何万回もアイツに戦っている俺にあの技を気付かないわきゃねぇーだろ―――そして』


 黒鬼はメセラの頭を左手で掴み、言う。


『この体じゃあ···本気の1%も出せねぇんだよな』


「···嘘だろ?」


『嘘だと思うのなら食らってみろよこの拳を』


 すると、アキヒトの本来の右腕から筋肉が盛り上がり、黒く変色した。

 黒鬼の由来、それは単純に鬼族の中で1兆分の1の確率で生まれる『忌子』につけられた。見た目そのままの言葉である。

 宇宙から見離された彼は強くなり、故郷を潰し、様々な星を壊し尽くし、今に至る。


 星を破壊したのは兵器などてはなく―――いつだって拳だった。


『破星拳‼』


 その拳はメセラの顔ど真ん中にめり込んだ。

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