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アキヒトバトルアドベンジャーズ  作者: モフきのこ
第1章 『出会いと別れの一年間』
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EX.21 「不可視の一撃」

「どう死ぬ〜〜?はらわた出して死ぬ〜〜?それとも血をぶっしゃぁ〜って出して死ぬ〜〜?」


「生きるに決まってんだろ‼女に対して余り本気は出したくないがやらなきゃ死ぬんだったら、本気出さなさいとなぁ‼」


 二人の激しい剣激が始まった。


 @@@@@


「おいポックル‼俺の後ろに立て‼」


 彼らはアキヒトの戦いの少し後ろに立っていた。

 援護するのではなく、ただ立ち尽くしている負けではない。


 もう一人の存在に気付いたからだ。


 二人の剣激が始まった瞬間ポックルはユウスケに対して何故助けないのかと問答に走ろうと考えていたが、たった一矢―――――その一撃とそれと同時に感じた殺気が、ポックルの口を動かせなかった。それと同時にもう一人の存在に気付いたのだ。


 もちろん彼一人では気づかなかった。ポックルの命はユウスケの存在によって助かったのだ。


 その矢を撃つ為に使われたのは恐らくボウガン、しかも音が全くのしない完全に暗殺用だったのだろう。そしてその矢をユウスケは撃ち取ったのだ。


 ポックルの脳天を突く一撃――――まるで、その行動を見知っていたかのように断ったのだ。


 ユウスケは聞いた。


 ピシュッという音を――――そして狙われたのは右足であった事を―――


「ふっ···‼」


 バキッという音と共に刀が矢を弾く。


「何でさっきと同じ様に切れないんですか⁉」


「さっきのは『唐草雨』で切ったからな‼」


 ユウスケの持つ時雨刀にはある特性が付いている。そこには、『時雨流の技ではないと刃が現れない』という事だ。

 だからこそ、一撃目は切り裂き二撃目は弾いたのだ。


 そして、ユウスケが時雨流を使わなかったのには理由があった。

 流派にはある程度のモーションがあり、時雨流ももちろん存在する。ユウスケはそのモーションの時間を潰し敵の探索に使ったのだ。


 二番目の柱の後ろ···!


 ユウスケは飛び出した。

 刀を逆手に持ち、時雨流『逆燕雨』を繰り出す為に―――――


「おぉぉぉぉぁああ‼」


 右斜め下から繰り出される強烈な一撃を――――奴は止めた。


「この技をボウガンで止められるなんて思わなかったな」


「ホホホ、ホッホッホー。これは『アマタイト』製なんで鉄なんかで切れはしませんよ!」


 @@@@@


 相手は二刀流、剣腹が曲がっている『ククリナイフ』を更に長くした様なタイプ。それをアセロラは乱雑に、時より精密に振ってくる。

 気を抜いた瞬間に―――――


「ぐぅぅ······‼」


 アキヒトの腕はアセロラの一撃によって切り飛ばされる。

 治す事は出来るのだが、痛いものは痛いのだ。だからこそ、そこまでは傷つきたくないのだ。


 腕の断面から噴き出す血を見てアセロラは更に興奮する。


「う···ひゃひゃひゃひゃあ‼すっご〜い!噴水みたい‼」


「うるっ···さい!」


 俺は縦斬り技『トライブ』は軽々と躱される―――しかし、俺には少し時間が欲しかっただけなのだ。


「ぐうッ······よし‼これなら少しは大丈夫だろう」


 俺は今一瞬の時間で止血をして、アセロラの攻撃を避ける。


「なんで止めちゃったのぉ〜?すっごくきれいだったのにぃ〜〜」


「背後には気を付けたほうがいいぜ」


「えっ······?」


 アセロラが後ろを向いた瞬間――――


 彼女の胸元から、刀状の剣が飛び出した。


「おっと悪かったな『背後』じゃなくて『内部』だったな」


「なん············で······?」


「分からなかったのか?俺は一度だけお前に攻撃を加え、その後は全て防御に専念した···その意味分かるよな」


「もしかして······」


「あの攻撃の際に剣を私の中に仕込んだ?」


 俺はアセロラの体から剣を引き抜き―――その剣先を彼女に向けて――――――


「ご名答、この剣の名前は『インピンジメント』これは伸縮自在で『不可視の剣』とも言われている。まぁ『見えない』じゃなくて『見ていない』だけなんだけどな」


「なんでこれを···あたしに···?」


「死にゆく奴に隠し事はしない主義でね」


「そっか······じゃあ、さよなら」


「ああ、さようなら」


 俺の言葉を聞くとアセロラはグシャ、という音と共に崩れ落ちた。


 俺は再生させた右腕を軽く振り、ユウスケの方を向く。


「ぐにゅああ···糞ザルがああ!!」


「時雨流『芥雨』‼」


 最後の一撃で撃ったボウガンの矢をユウスケは全て弾き飛ばしそして、ピエロを斬り裂いた。


 @@@@@


「おつかれ」


「おう」


 俺達はハイタッチをする。

 よく見るとユウスケもポックルを軽く怪我をしているため、かなりの接戦だったかも知れない。


「それにしても、実戦って怖いですね。足の震えがまだ止まりませんよ」


「ハハハ、そうだな···でもこっから先がもっと辛いと思うぞ」


「それじゃあ行くぞ‼」


「いや、お前が仕切るなよ‼」


「たまにはいいだろ」


「緊張感ないですね······」


 そして俺達は王室に足を踏み入れる。


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