EX.99 「海の森」
次回からちょっとバリエーションを増やそうかと思います。キャラ紹介とか。
「行くぞ〜〜!!【海の森】!!」
「あれ!?······アキヒトくん!!?」
「メガロ······!?——————そして、姫様!!?」
隠し絵の塔から出てきたのはアキヒトとレインボー、メガロとテティスだった。
彼らは自らを追いかけてきたカレン達に気づかずに龍宮城の外に飛び出していく。
「ちょっと!!アキヒトくんっ!!」
「おい待てメガロ!!姫様を何処へ連れて行くつもりだ!!」
テティスも彼らに気づかずに反省の意も込めて祈る。
(お父様お兄様······!!お城の皆様お許し下さいませ······!無断で外出致します!お夕食までには帰ります!!)
「散歩に行くぞ〜〜!!」
「もうヤケですよ〜!!」
二人が同じような体勢で伸びをしながら、その下でメガロは何重にも重ねられたレインボーロードを乗って泳いでいく。
「ゆ······ゆ、誘拐事件だぁあああああ!!」
「えっ!誘拐!?」
二人がその光景に阿呆けているなか、一人の男が凶器を振りかざす——————
「!?——————危ない!!」
さっ、と避けたカレンはそのままキラメラを発動させようとしたが、その男は無理をしたのか傷口がさらに開き血を噴き出したながら倒れていった。
「···············一体何なの······?」
すると、倒れていた人間がヨロヨロと動き出し、口を動かす。
「魚人島と龍宮城をつなぐ【連絡廊】······ゲホッ······その開閉スイッチはどこにある······!!」
「え!?スイッチ!?どういう事!!?」
「少女よ!!とにかくネプチューン様の下へ急げ!!この情報をすぐに報告せねばっ!!」
さらに、ぜぇぜぇと荒れた息を吐きながら血まみれの人間達が立ち上がり、ボロボロの刀や剣を持って動き出す。
「やるしかねぇんだオレ達は······!命令通り······やつらの言う事を聞く他······生き残る術がねぇ······早く教えろ······」
「でなきゃ殺されちまうんだよ!!」
「どう言うことぉおおおお!!」
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『魚人島【サンゴが丘】』
「おいハルトォオオオ!!何で結局兵士全員やっつけちゃうんですかアアア!!」
ハルトにだけ異様に敬語を使わないモフか事後の結果、床を転がっている兵士達を見て声を荒げた。
「くっそ〜〜龍宮城へ行くチャンスだったのにコイツら手錠するなんて言い出すから······」
ハルトは本気で悔しそうに言う。
「みろ、周りの人達が僕達を白い目で見てるぞ。深海魚のような真っ白い目で!!」
「ガタガタ言うな、モフ。やっちゃったモンは仕方ねぇだろ!!」
「仕方ないで済む規模じゃないですけどね!!——————って言うかやっちゃう前に考えろよ!!」
「モフも半分やってまっていただろ!ところでそれ、かっこいいな」
「でしょ〜〜!岡田さんに特注で作ってもらったんですよ〜〜!!」
そう言って岡田特性のアーム(ドリル、大砲、刀、指銃搭載)で頬をかく。
「キャ〜〜〜〜!海岸から血まみれの人が!!」
「お前たしか魚人街の奴じゃないか!どうした!!」
「すぐに医者を〜〜!!」
「ん?僕医者ですよ?」
声のした方向へ二人が駆け寄ると、そこにいたのは——————
「えっ!?ルゥ!?」
そこにはタコの魚人であり、地上との国境を繋げようとしたリュウギョウの部下の一人である彼。あの後家に訪れて感謝と共にお得意の海鮮お好み焼きを作ってくれ、二人にも見知りのある人物だった。
「どうした!!?お前っ!!」
ルゥは矢に身体中刺され、血溜まりを作っていた。
「おい〜〜!ルゥさん〜〜!!僕たちです!何ですかそのケガ!?何があったんです!?」
すると、ルゥは今二人に気づいたらしく。顔をこちらに向けてこう言った。
「おお······お前らか······会えてよかった······。アキヒトさんはいるか······?」
「ここにはいません!ちょっと待ってください、すぐに手当てしますから!」
モフが簡易的に包帯と止血帯を巻いて止血しようとすると、ルゥはハルトの服の襟を掴んで。
「仲間達を集めろ······急げ······お前ら——————もうこの島に!······関わらねぇ方がいい······『魚人島』を出ろ!!今から······この島に『新解放軍』が攻め込んで来る!!」
「リュウグウ王国は······崩壊するんだ!!」
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『数時間前——————魚人街【ノア】』
「いいかレオナルド·ディザスターの傘下の奴隷たちよ!!お前たちは幸せ者だ!!この歴史的作戦の協力者となれるのだからな!!」
「······エドワード·ティーチって——————あの世界一有名な海賊の······!?」
「バホホホホ!安心しろ······俺はその子孫だ!!幽霊じゃあねえ······!——————そして歴史的作戦には俺の『呪い』を使う······!!」
「呪い······」
呪いという言葉に見当もつかない彼らにティーチは見本を見せようとするが——————
「ディザスター!!」
そこに現れたのは対ミラ·ライズ戦の際に怪我を負い、療養中だったルゥだった。
「お前ら本気でやるのか······バカなマネはやめろ!!」
周りの魚人は「ルゥさんだ!」などと口を揃えて言う。
ルゥはそんな事に気を止めず、まくしたてる。
「E·Aなんて身を滅ぼすだけの薬だ。魚人が魚人島を潰してどうする!大騎士ネプチューンを甘く見るな!!」
「ルゥさん······!勘弁してくれませんか······もうあんたの意見は聞きたくねぇんだ。とても俺の憧れた一味の幹部とは思えねぇ。あんた達はフヌケちまった!もう世代替えですよ······!」
ディザスターの出す殺気に、周りの人間達は冷や汗を流す。
「人間達に思い知らせる為には【魚人島】が必要でネプチューンは邪魔なんだ!!至高の種族が我らだってのはあんたらの教えだぜ!!」
「だけどルースさんは負けた!!当時の子供に負けたんだ!人間を甘く見ると地獄を見る!!」
「······ルースさんには尊敬すべき野心と行動力があった。———だが、同時に彼は粗暴で器用さに欠けてた······。あんたらが地上で暴れまわってた頃。俺たちは一味になりたくても歳の足らねぇガキだった。その世代が成長した集まりだ——————だから、用意は周到前者の轍は踏まねぇ」
ディザスターとルゥは同じように、大鎌を持った魚人を思い出す。
その魚人は森での戦闘の後、亡きものにされたと話になっている。
故に——————
「——————おれはルース一味の意志を継ぐ男だ······!その憧れの一味の元幹部が、このおれの計画に異論を唱えるなんて気が萎えるじゃないですかルゥさん······!くしくも今、魚人島にはあんた達の野望を打ち砕いた【ミヤタアキヒト】が来てるってのに······あんたは何も思わねぇのか?」
「あいつは確かに俺たちの夢を打ち砕いた。——————だが!それ以上にその俺を助けて、その上『友達』と言ってくれた······すぐに会いに行きてぇけど!!」
彼の脳裏には4色の髪をした少年の姿——————
「ルースの意志がここに生きてる限り、おれはあいつらに合わせる顔がねぇ!!」
「人間が『友達』なんてクソか。ネプチューンみてぇな事言いやがって······あんたにゃもう幻滅だよ!!」
その手は——————エドワード·ティーチの左手はルゥの体を触った。
「"ロックオン„だルゥ······バホホホ魚人街の流儀を忘れちまったのかい?言いてぇ事があるんなら『暴力』で解決しなきゃダメだぜ——————のハズだ!!」
そう言って、ホイ、とナイフを上空に投げる。するとそのナイフは弧上に曲がり、まるでルゥの体に引っ張られるかのように向き出す。
「ギャア!!」
そのナイフはルゥの肩口に刺さり、血が漏れ出す。
まるで魔法のようなナイフの動きに、取り巻きはドヨドヨと喚いている。
エドワード·ティーチ——————能力『標的』。左手と右手のどちらかでターゲットの肉体に触り、何かを投げる事でその者に当てる事が出来る。そしてそれは範囲が存在しない。弾が尽きぬ限り襲うことが出来るが、制限として一つの手で1ストック分しかターゲットを決める事は出来ない。
「くくく——————防ぐ方法はいくつかある。試して見るがいい」
そう言って取り出すは、10本以上の矢。
「よせ!!そんなに矢を!!おめーの能力なら噂で知ってる!!おいディザスターこれじゃ死んじまう!!ティーチを止めてくれ!!」
「行ったでしょうルゥさん。エドワード·ティーチはおれの部下じゃねぇ。これは対等な『同盟』なんです。第一······お前はもう目障りなんだよ!!腰抜け野郎!!」
「くそ!!」
「そうら!行け〜〜〜!!」
出口に走り出したルゥの体に矢を放り投げる。その矢は弓で撃たれるよりも速く、水中でもそのスピードは衰えず。そのまま——————、
「ギャアアアアアアアアア!!」
その断末魔に近い叫びはもちろんノアの中に響いていた。
「2ストック中の片方はリュウグウ王国王女『テティス姫』本人に触れ時の······ストック!!標的を地獄よそこまで追い詰める!!これがおれの力だ!!」
すげ〜〜!、と魚人達に活気が溢れ出る。これで今までの陰湿なストーカー行為の全般が分かったという事も。
そして、ディザスターはその力を利用して。残虐な作戦を思いつく。それこそがカレン達が出会った人間達——————
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『龍宮城北西【隠し絵の塔】への通路』
「急げ少女よ!!王の下へ!!」
「待って待って待って!!」
手負いの人間と、魚人持ちのカレンではまだカレンの方が速く、ドアを強く開く。
「ネ!ネプチューン様ぁ!!誘拐事件であります!!姫が【ミヤタアキヒト】に連れ去られましたぁ!!」
「あいつ何やってんの!?」
「それとなんか塔の方に人間達が降ってきてた!!······テッ、敵襲だよ〜!!」
「テティスがああああああ!?」
「こんな時に敵襲か······どうしろってっ言うんだよ······」
そう言ってため息をつくのはユウスケ。岡田は頭を抱えて。
「何で今なんだよ!?俺たちも籠城中の敵襲だぞ!!ど、どうする!?······いや止めよう。この話止めよう!!」
「取り敢えず倒すか」
「答えんなよぉぉぉぉぉお!!」
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「どうだ?10年振りの外」
「······ドキドキします。わたくし、とても悪いことを······」
「悪いわけかいだろ。家出じゃねぇし」
「このような事を······冒険というのでしょうか?」
「それは——————」
「そうですね!冒険と言うのです!互いが互いを信じきり、共に結ばれていくことをムギュ!」
「それ以上はやめろ」
そんな俺たちの会話にテティスはくすくすと笑う。
「ところで【海の森】ってのは何だ?何かあるのか?」
「お墓です!建ってからまだ一度も訪れていなくて······10年間
ずっと、一番行きたかった場所です」
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「もう10年経ちましたか······【魚人島】を騒然とさせた······『暗殺事件』から······!早いものだ。——————王子達は屈強な戦士たちに成長なされた······テティス姫は未だ塔の中じゃが······」
彼は神秘的なお墓に話しかける。未だあの方が4人を見守っていると信じて。
「——————しかし、皆あんたの『理想』を······忘れちゃあおりませんよ。オトヒメ王妃······!!」




