5年ぶりの再会
7人もの男の人と交際を繰り返してきた春華。新しい恋愛に進むのはもう昔の自分、だから仕事に生涯を尽くすと決めたのに…。
「みなみさんが可哀想。」
そう言っても心の底からの言葉ではないけれど、きっと後悔すると思うからって思っても、その手を止めてくれない。
「俺もさ…。」
あなたの心の底の寂しさを知った瞬間、もう後には戻れないと分かっているのに、私も許してしまった。
《只今より、自動車免許入校式を始めます。生徒の方は2階の会議室へ移動して下さい。》
アナウンスが聞こえて、2階の会議室へと足を運ぶ他校生達。ロビーで座っていた私は、その生徒達の後ろに続いて会議室へと向かう。
扉が開いている部屋が会議室か。扉を支えている眼鏡の男性に軽く会釈をして、部屋の中に入る。
知らない顔ばっかり…。やっぱり地元の学校へ行けばよかったかなあ。長机が3列ずつピシッと並べてある。椅子が1つの机に2脚ずつ置いてあるから、まだ誰も座っていない席に座った。
周りを見渡すと、仲良く喋っている人達がいて私はポツンと1人で座っていた。別に1人でもいいんだけどさ。
すると、左の席に他校の女の子が座ってきた。私はさっきの眼鏡の男性に同じように軽く会釈をして、前を向いた。
話し掛けてもいいのかな?私は特に人見知りもないから大丈夫なんだけれど、またあとで話し掛けてみよう。