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聞こえない、聴こえる

作者: REN
掲載日:2016/07/11

友達に、題名を貰って書きました。

彼は、夢のような人だった。



綺麗な顔立ちで、


とても気立ての良い人。



綺麗な蝶を好み、


けれど捕まえることはなく、


いつも彼の手には蝶が止まっていた。



初めて彼を見た時は、妖精のようだと思った。



1面の綺麗なお花畑の一角に、


たくさんの蝶をまとわせた彼が光を浴びて、


キラキラ輝いて見えた。



抜けるような白い肌。


長いまつげ。


優しい眼差し。



妖精のよう、ではないんだ。


『妖精』という言葉は、


きっと彼を形容しているのだ、と思った。



夢の中の、憧れの生き物。



それでも。


現実の、


私のそばにいた。






「君はどうしていつも悲しそうに笑うんだい?」


そう言って私の頭を優しく撫でる大きい手。


「そんな事ないよ」




私の中に芽生えた予感は、


心の奥に仕舞い込んでも、仕舞い切れなかった。






彼はやはり、夢のように儚かった。






本当に、『夢』となってしまった。






ある日の雨上がり。


彼はいつものように笑顔だった。




うたた寝をしている私を木の下に残し、どこかへ行ってしまった。


きっと綺麗な蝶でも通り過ぎ、ふらりと歩きに行ったのだろう。




目を覚ますと、

髪には綺麗なピンクの花がさしてあり、

私の周りには蝶が1頭飛んでいた。


空には綺麗な虹がかかり、風は穏やかに頬をかすめていった。






「あ」






涙が静かに溢れ出た。






彼にはもう、触れる事はできないのだと気付いた。






『ーーーー蝶』






彼の声は、




夢の中で優しく私の名を呼んだ。

ふわりとした、切な目のお話を書いてみたかったのですが、どうでしょう。

次作もまた、よろしくお願いいたしますm(__)m

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