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力の使い方  作者: やす
三年の春
84/474

#83~力のお披露目(通過儀礼)~

#51~力の驚き~ から #71~力の手伝い~

の間な時間軸の話が始まります。が、ほとんど勝也達とは別物になります。

秋穂の話です。

少しの改稿を入れました。話は変わり無しです。

申し訳ありません。

勝也達が教室で発表をしている数日前、秋穂が車を出して勝也達が清虹公園に写真を捕りに言ったすこし後の日である。


秋穂は大学の講義を早めに切り上げ、出身校である清敬高校へ向かっている。

肩には予備の竹刀ケースを引き下げ、三学年下の後輩に当たる、女子剣道部長につけていた稽古の集大成を見届ける為だ。


清敬高校の剣道場で、既に集まっているのは

現清敬高校・二年エース・主将兼部長、久仁子ちゃんこと、佐奈田久仁子。を始めとした剣道部員、30名。

顧問の教師を務める土場輝明(つちばてるあき)教諭・見学に来た清田校長・近くの剣道場の師範を務める、オールバックな30台前半の、体格が良い男性、高山総司(たかやまそうじ)が居る。


剣道部員は練習を始めており、高山が面打ちの素振りを見ていた。


秋穂が久仁子に手ほどきしていた、土の剣(ソイルソード)は土系の心得、特性があれば、発現出来ない事も無いが、かなり癖のある技で、存在自体が周知の物では無い。

何より、前に清田校長が言っていた様に、発動すればしばらくは解除出来ず、剣は手元か、肌に付けてなければ術者の法力が消費され続けてしまう。

力を出し切り、それでも法力を発現しようとすれば、法力を失う、破壊(クラッシュ)状態になってしまうのだ。

『力の実態』とはそう言う物である。


土場教諭は、秋穂に伝えた集合時間ではまだ無い為、手持ち無沙汰を解消する為にも清田校長に話しかける。

「清田校長先生、一つお尋ねしたいのですけど、土の剣(ソイルソード)って、土で出来た物を鋼等の金属に強化するんですよね?土で出来た球体なんかも鋼に出来たりするのでしょうか?でしたら、私も会得してみたいと思うのですが…どうですかね?」


土場先生は清敬高校に就任して、顧問不在の剣道部の為、名前だけの形で剣道部の顧問を務めているが、本音は”美術部の顧問をやりたい”と心に秘めているのだ。可能ならば他の手の空いている先生に剣道部顧問を頼み、美術部顧問に鞍替えしたいと思っている。


「ふむ…土場先生の狙いは美術品の創作活動かな?」

清田校長は美術教師でもある土場先生の疑問を受け、考えるそぶりを見せてから返す。

「ふむぅ…しかし、つるぎの形をベースに法力を走らせる…この地の創設時、盟友の本郷君が開発した技で、私は間近で幾度となく見ただけの、門外漢だからなぁ…」


その昔、清虹市一帯を海から浮き上がらせる様にして創造し、日本の地図を大きく改変したその人・清田校長と共同で清敬学校を設立した、本郷郷史(ほんごうさとし)の名前を出す清田校長である。


その当時は領土を拡大した事で、一時期は戦争寸前までの騒ぎになっていた。

本郷郷史の死を持って戦争は回避されたが、既に前世紀の話である。



するとそこに、待ち人が一人、時間を守る様にして訪れる。

「こんにちは、金山です。失礼します!待たせてしまって申し訳ありません。」

秋穂が道場に現れ、清田校長・土場教諭に挨拶と自分が待たせた事を謝る。


剣道場の奥にいた佐奈田は

「面打ち止め、試合場、借ります!休憩!」

と声高らかに言い、剣道場の入り口に走って来る。

「秋穂先輩!こんにちは!今日はご足労頂いてありがとうございます!」

佐奈田は秋穂・土場教諭・清田校長の前に走り来る。

と、頭を下げて秋穂を迎えた。

秋穂は言葉を返す。

「こんにちは、久仁子ちゃん、お世話になります。丁度用事もあって、来ようと思ってたから気にしないで良いよ。清田校長先生、土場先生、…それに、高山先生もお久しぶりです。」

高山は予定通りの時間に訪れた秋穂に理解の色を示し、秋穂に言葉を返す。実に三年振りだ。

「秋穂ちゃん、久しぶり、”烈土の鬼女”は今日しないのかい?」

秋穂が普段着なのを冗談めかして言う。

が、秋穂は『え、えぇ…』と苦笑いで応えるだけに留めた。



秋穂は剣道場から身を乗り出し、高校のグラウンド地面から剣を抜き、『土の剣(ソイルソード)!』と発言して『キィィン!』と音高らかに発現させると、剣道場の試合場に立つ。

対する佐奈田は無手で試合場に立ち、息を整えると秋穂から習っていた技を発言した。

「すぅ…はぁ…すぅ、火の剣(ファイアソード)!」『ブァ、キン!』

『おぉ!』「うむ…」「ほぉ…」「んっ……」

佐奈田が手元に火を生成すると、それを鋳型に、鋼にしか見えない、実態のある刀を生成した。


高校の教師が”法力教師免許”を所有していれば、高校敷地内で、法力教師がその場で監督していれば、という制約内で無免許者の法力使用が認められている。

久仁子はまだ火系の法力免許を所有していないだろうが、この場合は法力教育と言う例外措置で合法だ。

その場の者が驚いたのは佐奈田久仁子の手にある刀剣を見てだ。

18歳と20歳の女性が刀剣を手に対峙している場に思う所があるからかもしれないが…

二人は正眼の構えをとると

不(ry

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