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力の使い方  作者: やす
三年の春
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#73~力の言うべき事~

勝也は秋穂と二人、大手総合スーパー『(スター)(アンド)(フラワー)スーパー』・スタフラの一角にある、テナント間借りチェーンレストラン・外資系ファストフードチェーン店・スタフラ自前のカフェが並ぶフードコートの一卓で顔を合わせている。秋穂と勝也は遊んでいる二人の持っていた荷物を持ち、身動きが悪い状態である。

春香達を待つのに勝也はファストフードのアイスドリンクを奢って貰い、秋穂はスタフラが製造、販売している独特な、癖のある法力増強ドリンクだ。


秋穂は胡散臭さの塊である法力増強ドリンクを『チューボッボッーズズッ……』とストローで吸うと、勝也に声をかける。

「勝也君、ゲームコーナーで春香達と遊ばなくても良いのかい?クレーンゲームも出来るみたいだから、大きい子でも普通にやってて、恥ずかしい事では無いよ?私に気を使ってくれてるのかい?」

「実はクレーンゲームは苦手で、俺は良いんです。代わりに厘はゲーム類全般が得意で、いつも厘にやって貰ってるんですよ。でも、アイスドリンクをご馳走して貰って…迷惑をかけて、すみません。」

勝也は秋穂と待ち、余計な出費をさせてしまった事を謝った。

「私と春香だけじゃ、一度で買い物は出来なかったからね、手伝ってくれてるお礼だよ。そこは謝らないで欲しいな。下校中に手伝いを頼んだこちらが悪い事をしている気分だよ。」

秋穂は笑顔で勝也にかしこまらない様に頼む。

手伝いは勝也から言いだした事で、秋穂の言う事は拡大解釈なのだが、勝也は秋穂の言葉をヒントに今言うべき事を思い至り、言い直す。

「そう…あ、…今は『奢って貰ってありがとうございます』と言うべきでした。でも、最後の方に買った食材って…多分、ウチの分も…ですよね?俺と厘に食べたいモノ聞いて、量も多分、多いですし…」

食材に関しての買い方や、勝也達に意見を聞いたり、金山家の今の人数に対して買った量が多い事を上げる。

そんな勝也の指摘に驚く秋穂は、勝也に聞き返す。

「君は…本当に小学三年生かい?私がその頃はもう少し”やんちゃ”だったんだけどな…時代かな?…んぅ…」

秋穂は勝也の歳に似合わない落ち着き様を賞賛3、関心3、疑問4の割合で腑に落としている。

「いえいえ!秋穂お姉さん見たいな素敵なお姉さんを前にしてだからですよ!俺のコレは……見かけ倒しです!頭の中ではもっとおちゃらけた事考えてます!そ、それより、相談に乗って欲しいんです!」

「ん…ん?何だい?勝也君の相談を聞こう。手伝ってくれたお礼だ。何でも聞いてくれ。」

と気軽に言う秋穂は勝也の面白い言い訳に笑うと、相談を聞く体制である。

「春香の誕生日って、もうそろそろですよね?それで、ウチで誕生日パーティを開こうと思うんですけど…」「なっ!?男の子の友達の家で、誕生日会!?」

秋穂は少しだけ声を上げて驚く。

勝也は『えっ!』と驚くと、ゲームコーナーに居るであろう、春香を探すが、幸い、秋穂の声は聞かれてはいないようだ。


と言うより、どこにいるか見当たらない。

秋穂は勝也の驚き様から自分の失態を知るが、勝也は構わず続け、相談事を言う。

「あ、あの…それで、凪乃おねぇさんにその事を聞いたら…『お嬢様方が誕生パーティを嬉しがる』かは解らないって、聞いて……やっぱり辞めた方が良いですか…春香も秋穂お姉さんと同じで、『誕生日パーティを本心では喜んてないのかな?』とも聞いたんで、参考にしたいと思ったんですけど…」

勝也は秋穂の驚き声、相談事を聞き、ショックを受けているさまに自分の気持ちをグラつかせる。


秋穂は『風間さんは、勝也君にそんな事を……』と漏らすと相談の回答を始める。

「まず、言っておくけど…誕生日パーティをして貰えれば嬉しいよ。そこは多分、一般論としてだね、勿論私たちにもそれは当てはまる…でも……うーん…勝也君に私たちの事情を聞かせても…」

秋穂は勝也に事の真相を話そうか迷っている。『ん?うん…』と言葉を改める。

「それは風間さんの勘違いだよ、お母様のお友達はやんごとない人が多いからね、娘の私たちは例え、主役であっても『お母様の顔に泥を塗ってはいけない』と思って、はしゃがない様にしていただけさ。うん、勝也君の家で盛大にやって良いと思う、私が保障する。私たち姉妹はそういう事をして貰う機会が無いから春香も喜ぶはず…多分!何を隠そう私も……そぅ、おも…ぅ…」

秋穂は少し声量を誤り、少しおかしな様に返事を言ってしまう。最後は尻すぼみになり、誰にも聞こえない程小さくなってしまう。

勝也はそれを聞き、学校で春香を見る態度を思い起こす。『いじめられている訳ではないが、周りが気後れ』してしまう実態に。

「何が喜ぶって言ったの秋穂お姉様?」

見ると春香がクレーンゲームの景品・顔ぐらいの大きさのぬいぐるみを持ってそこにいた。

春香の後ろにはさらに大きい・自分と同じぐらい大きい人形を『うぅ…』と背負う形で抱えている厘である…

「『厘はクレーンゲームが得意だから、一番大きい景品を持ってきますよ。春香は喜ぶかな?』って言ったんだよ。てか…それどうやって車に運ぶの…?」

勝也は厘のやり遂げた顔を見ながら言った。

不(ry

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