#72~力の目論見~
勝也達一行は秋穂の運転する車・ワゴン車に揺られ、清瀬小学校から見て勝也達の住宅地と反対側にある、大型ショッピングスーパーに向かい、
春香と勝也・厘はお手伝いとして行動を共にしている。
勝也の妹・厘は思いがけずに春香達と買い物が出来る事にご満悦だ。折角買い物に行くと言う事で自分の気になっている事を話す。
「春香姉さま、厘の使っているシャンプーがそろそろ無くなりそうだから、春香姉さまの使っているのを教えて下さい。お母さんに今度お願いして厘も同じ物を買って貰います!」
「…厘ちゃん、髪の毛は人によって違うから、お母さんの使ってるシャンプーの方が良いんじゃない?日用品って、家族で違うからね?」
「えぇ…春香姉さまの髪の毛はサラサラしてて好きなのに……お母さんに聞くのも……」
厘は春香の返しを少しだけ残念そうにしている。運転中の秋穂はそんな二人の会話を聞き、信号待ちのタイミングで提案する。
「ならシャンプーは私が買うから厘ちゃんが持って帰って使ってみたらどうかな?もし合わなければそれを返してもらって私が使うよ。シャンプーは使ってみないと合うか合わないか解らないからね。」
それを聞く厘は『ありがとう!!秋穂お姉さん!!」と満面の笑みで喜ぶ。
しかし、それを聞く勝也は焦りながらも言葉を挟む。
「じ、じゃ、家に着いたらすぐ代金を払います。シャンプーぐらいの生活費は俺が管理できる所に置いてあるんで…さすがにそこまでして貰ったら悪いです。…厘は”春香の使ってるシャンプー”を使いたいんだよな?」
『うん、勿論!解ってるじゃん、勝兄ぃ!』と珍しく兄に賛同する厘である。
「そ、そうかい?別にそれぐらいは何てこと無いんだけど…まぁ、物は良いと思うから、下手な買い物では…ないかな……でも…子供の独断でアレを買うのは…」
と考えながらこぼす秋穂。しかし、すぐに勝也の年齢を考え、『しっかりしてる子だなぁ…』と改めて思い直す。
この地域の大手スーパー・『星&花スーパー』・略して”スタフラ”の駐車場に入り、車を駐車すると、お店の入り口に向かう勝也達。
始めの目的地は出入り口の近くにある、生活用品コーナーへ向かう。
春香達の向かう先、シャンプーコーナーでなぜか、ガラスのショーケースに置かれた一品を買う秋穂である。
勝也は秋穂の買うシャンプーを見て、『なっ!高っ……』と驚いた。勝也の使う物より3倍以上の値段な事を知る。
”物は実物(値段)を見てから買うかは決めよう”と心に誓う勝也である。
秋穂が買う物は食料品・生活用品といろいろな物で、春香が言うところによれば、
金山家では月に一回、食料品以外の買い物をまとめて済ませるらしい、クレジット会計で特売割引サーピス券を併用する。
続いて場所を移動し、何日分かの食料品、生活用品等、比較的日持ちする物ばかりを買っていく。
スタフラは他に、家電製品や、家具・工具・文具等と、必要になりそうな物は大概が揃っている。
スタフラは会計時に一定額以上を一度に支払うと、推定15歳以下の児童を伴っていれば、支払額に見合ったサービスを行っている。
店内にあるゲームコーナーで使える、”メダルが貰える。”と言う物だ。
…実を言うと、『ゲームコーナーの近くにある、フードコーナーへ保護者の客足を増やす目論見なんだな…』とあたりを付ける勝也である…
本音はどうなのかは勝也の預かり知らない所だが…
今回の秋穂の買い物では勝也達三人に配られると言う事で一人20枚程渡されている。
勝也は春香と厘にそれぞれメダルを10枚ずつ渡し、秋穂とフードコーナーで春香達を待つ事にした。秋穂と話をするためである。
不(ry




