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力の使い方  作者: やす
三年の春
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#69~力のいらない相談~

「い、いえっ!すみません………ど、どうぞ………………居間に行ってます…」

勝也はあたりに散乱しているタオル・洗濯籠を拾うと脱衣所の前に置く。自分が飛び出したとは言え、”見て”おらず、厘を心配して廊下に飛び出した事は解って貰えるはずだ。勝也はあたふたしながらも足早に居間へ去ろうと足を動かす。


『トットットッ……』と階段を駆け下りてくる人影がある。

濡れた髪から水滴を零す厘は、勝也と、脱衣所ドアの小さな隙間から目だけを覗かせる凪乃に報告を始める。

「飯ブキンが朝、タオルを全部二階に持って行ってたのかも?服を洗って、その間は二階に干したのかな?タオルは飯ブキンが寝た二階の部屋にあったよ。……ん?どうしたの凪ノン?勝兄ぃが何かしたの?」

凪乃の普段は見せない目線と勝也のオタオタする姿を見て小首を傾げる厘である…

「り、厘?大丈夫か?怪我は無いな……っ、あ、あんまり、バスタオル一枚で動き回るなよ、そういう時は俺に頼め……早く髪を乾かしてこい…」

勝也の苦言に『う、うん…何?怒ってるの?』と言う厘である。

凪乃は粛々と脱衣所・洗面所に置いてあるドライヤーで『ブォーーーー』と自分と厘の髪を乾かし始める。



その後、『ただいまー……』と澄玲が夜の10時頃に帰宅する。

澄玲は食卓に付いて一人晩御飯を食べ始めている頃である。

厘は一階の自室で『くー……むにゃむにゃ…』と寝息を立て始めた頃だ。

食卓には勝也、凪乃、澄玲の三人が居る。

勝也は夜更かし気味だが、凪乃に言いたい事、聞きたい事があり、言うタイミングが掴めず、話しかけるタイミングが持てなかったのだ。


「凪乃おねぇさん、ちょっと相談があるんですけど…聞いて貰えませんか?」

勝也は食卓の体面に座る凪乃に声をかける。澄玲は凪乃の隣でテレビを見ながらカレーを口に運んで居る。

「はい?何でも聞いてください、私のスリーサイズは……」「いやいやいや、違いますって!凪乃おねぇさんのスリーサイズなんかを聞きたい訳じゃありません!」

凪乃の”悪ノリ”に若干嫌気をきたし始めている勝也である。


食卓で一人、カレーライスを食べている澄玲はカレーを吹きそうにしながらも会話に割り込む。

「っぷ、ん、う゛ん、勝ちゃん!女の人にそんな事言っちゃ駄目よ!気にして(・・・・)るかもしれないじゃない!女の人には優しくしないと!凪乃ちゃんも十分魅力的よ?」

『………』『えっ!い、いや……ごめんなさい…凪乃おねぇさん…そんな(・・・)つもりで言ったんじゃ…』

勝也は焦りながらも凪乃に謝罪の言葉を述べた。

この場では謝罪では無く、否定の言葉を述べるべきだが、勝也は子供らしく、素直に謝る。謝ってしまう…

「…はい……あれですかね…恋愛を経験してこなかったから……こんな風に育ってしまったのかもしれません……子供体けぃ……」「あっ…ごめんなさい…」

と澄玲は少し遅れて自分の失言に気付き、さらに追い打ちをかける。

そんな態度は『列水の奇女』らしい、奇をてらった振る舞いだった……勿論素なのが余計にタチが悪い。


『と、ともかく、相談は…』と言葉を続ける勝也は母親と違い、対応能力は高いのかもしれない…

「再来週の日曜日の春香の誕生日って、『それとなく祝う方』が良いか、それとも、『どこかでパーティ!』みたいな感じで祝った方がいいか、どっちが良いですか?」

『あぁ…』『ふぅ…』とほっとする食卓の女性二人は『勝也に優しくしてもらっている事』に気付けないで話を続ける。

「春香お嬢様は…すみません…どちらが嬉しいのかは私では解りかねます…昔は奥様のお友達がお嬢様方の誕生パーティを開いていましたが、一昨年ぐらいからそれも止めてしまいましたし…春香お嬢様も秋穂お嬢様も『本心から嬉しがっている。』と言うよりは、パーティを開催して貰うから『外向けに喜んでいる。』のかな?…と、私には思えました。多分どちらにしても嬉しい事だとは思いますけど…」

と凪乃は春香の本心に沿って答えている。純粋に勝也の役に立とうとしているのだ。『そうねぇ…』と澄玲は勝也に言う。

「やっぱり、勝ちゃんが考えるべきよ、お母さんは『軽い誕生パーティ』ぐらいで祝ってもらえるとうれしいかな?……でも、それは人それぞれだからね?春香ちゃんも女の子のお友達と何か約束してるかもしれないから、何かするならそれとなく調べなきゃ駄目よ?お誕生日会の場所はココを使っても良いわ。お母さんがご馳走を作ってあげる!再来週なら今から調整出来るし!」

『なら、私は料理の下越しらえや、調理のお手伝いをしましょう!何を隠そう、春()レーライスを……した…は私……です……お嬢様…苦手……人参はそのまま………細かく…で、ルーに……、それを月毎に徐々に大きくして………』


「むぅ…どうしようかな…」

澄玲と凪乃の話がそれ始め、その話しは聞いてもしょうがないと…食卓女性二人の話を意識から遠ざける勝也である。

こうなっては『もう一人のお嬢様の意見を聞いてみよう。』と心に誓う勝也だった。

不(ry

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