#6~力以外の対処~
頑張って毎日投稿するようにします。
※場合によっては投稿出来ない日があることをご了承してください。
不定期に1日何回かあるいは少ない回数ですが…
ブクマ・感想等々をお願いします。励みになります。
所々編集していますが、ほぼ誤字脱字、言い回しの直しです。
行間を少し付けました。
あまり手を付けて改変しないようにしているので…
では続きます
「おまたせ~……じゃーん!!……どう?勝兄ぃ?」
家からお肉、野菜、フルーツ等々の食材が載る大皿を頭の上に持ち、装い新たに着物姿の厘が家から走ってくる。
大皿を持つには不安な持ち方だが、バランスがしっくり来るのか、着物の着方が良いのか安定している。と言うより、小さな厘にはこの持ち方しか出来ないのだろう。勝也は慌てて皿を受け取り、久しぶりな兄妹の会話をする。勝也は厘を見てこう言った。
「すごいな!!ご馳走じゃないか!今日は本当にご馳走して貰ってありがとうございます!!春香のお母さんに、風間さん、春香も!」
金山家の女性人に目を向けてお礼をすると、代わりに底冷えする目を全員から向けられている事に気付く勝也。
「あら……減点ね……」「勝也様……」「勝也……」「…………」
困った勝也は意味が分からずに黙って下を向く厘にこう言った。
「ほ、ほら厘、綺麗な着物を貸してもらって、こんなに良いご馳走を振る舞って貰ったら皆に言う事があるだろう?」
「はい……おばさん……風間おねぇさん……春香お姉様……今日は……ありがとうございます……」
とペコリ、お辞儀をする厘は可愛い元気な姿を潜め、哀愁を漂わせて顔を上げる。
「ああん!可愛い!厘ちゃん!なんなら今日は泊まっていく?家に帰るのが面倒でしょう?勝也はすぐに帰らせるから!ね?」
春香が助け船を出すように、辛抱たまらず厘に抱きついた。
「……そうね、勝也くんは風間さんのロールで送りましょう。二人乗りの高速タイプで。……これは良くないわ。……着物が似合う、可愛い厘ちゃんは明日の朝にでも私か秋穂の車で送るとして。勝也くんには気持ちの切り替えが必要よ。」
四期奥さまは死刑宣告の様に風間に指示する。
「ええ、今なら数秒の世界最速の新記録を出して見せます。面白い世界を堪能して気持ちを切り替えて貰いましょう。着物姿が可愛い厘ちゃんには少し似合わない世界ですので……」
と風間も不適な笑みで勝也を押さえようとする。
勝也は身の危険を感じ、おもむろにポケットに手を入れ、中の物を取り出しながら言った。
「写真を撮りましょう。ちょっと時期違いですが、着物姿なんて家では拝めませんし……せっかく厘と春香の着物姿をこの場限りにするのは勿体ないです。」「へぇ?」「……それは良いわね!ポイント回復よ!」
取り出した物はデジタルカメラだった。春香は自分が考えつかなかった事に気づき、手際の良い勝也を感心する。四期奥さまは背中まである髪を手ぐしで整えながらご機嫌だ
勝也、風間、四期奥さまの順にカメラマンを交代で皆を写真に撮り、最後は全員の調理風景を自動シャッターで撮る勝也は一人安心している。