#61~力の発表~
『プゥーーーーン…ブルルル――ルゥ、ルゥ……ゴトン…フルフルゥ……フゥルゥ…フゥルゥ…』
清瀬小学校前の公園に降り立つのは凪乃が運転するロールである。
籠の中央に立つ凪乃は搭乗者に声をかける。
「さぁ、着きました。後六分はあるので間に合いますね、『パタン…』……はい、跨ぐ際はお気をつけ下さい。」
凪乃は籠の縁を触ると、籠の一辺が倒れる。籠の側面を跨いで公園の地面に降り立つと搭乗者へ降りる様に促した。
背の低い女子が足早に行動する。
「ありがとう!!凪ノン!今度はもっとジェットコースターにしてくれるとうれしいですっ!」
『なっ…』という男子児童の戸惑いは聞き流された様だ…
次に地面に降り立つのはノリ慣れている女子児童。
「うーん…せめて今の倍ぐらいの速度が良いな~~……でも、ありがとね、凪ノン!」
先に公園に降り立つ二人はケロっとした様子で感想を述べる。
最後に降りる人物はグロッキー状態の男子児童だ。
「あ、ありがとうございます…うっ!……っ…凪乃さん…今のでギリギリです……」
そんな勝也の調子を見て少し引き気味の様子を見せる凪乃は答える。
「……うん?そんな……ま、まぁ…お気をつけて。私はこのまま大学に向かいます。では、また後ほど。」
勝也が公園へ降り立つと、再度籠に搭乗する凪乃は『生成』と発言する。
『ブォォォオオ…』と強風が吹き荒れ、ロールの空に向くプロペラが『フルフル…フフルゥゥゥ…ギュゥーーーー…』と高速回転する。間もなく『ググゥ…』と籠を軋ませると『ググググゥゥゥ…』と空に向かって飛んで行ってしまった。
公園に送り届けられた児童達はすぐそこの清瀬小学校に向き直る。
「行こう、厘ちゃん!」
と足を動かす春香は厘の手を取って歩き出すのであった。
『こんなの毎日続けられたら…朝ごはんをそのまま出してしまう…』と。
勝也は一人『こんどから朝寝坊は絶対しない…』と心に誓う…
いつも通り、平和に学校生活を送る勝也達であった……
最近の清瀬小学校の時間割は、多くが『総合』の時間で勉強以外の作業をする。
児童は学校行事の準備や、何かに向けての作業や、役割・それら作業の班決め等を行う時間だ。
三年一組では担任の神田先生が児童に向け、話を切り出した所である。
勝也達には、内緒でフライングで明かされた事でもある。
「皆が今作業している、『自然公園の季節を見る(春)』は今度の全校集会で取り上げます。清瀬小学校の皆にも三年生皆の、感じた事や、意外な発見を知って貰う為です!発表はクラスで紹介した物を全校集会で先生が皆に見て貰って、全学年皆の投票で順位を付けて貰います。順位で、成績の良し悪しは見ないけど、何か良い事があるかもしれません。三年、全クラスの全部の班がライバルだから、皆も頑張る様に!優勝者が一組から出てくれれば先生も鼻高々です。皆は来週の総合の時間で、自分のクラスで発表するだけだから、皆のやる事は変わりません。放課後に残って発表の作業は駄目だから、みんなはひとまず発表出来る状態まで頑張る様に!」
『えー…何それー!』と言う声や、『後だしの”予定”ありすぎ~~!!』と言う声が目立つ。
しかし、児童の作業は『発表だけ』と、あまり変わりないので、三年一組の皆は、より一層、作業に励みだしたのである。
不(ry




