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力の使い方  作者: やす
三年の春
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#59~力の特別~

勝也は自分のベッドで『うぁ…』と気だるげに、いつもより遅くに起床する。



昨日の夜は母の澄玲がいつもより早くに帰宅し、その母は出身校・清敬高校の先輩で、勝也も馴染み深い、法力警察官・飯吹金子を伴っていた…

凪乃と厘が丁度良くスーパーで鉢合わせしたのだが、飯吹は留守番しているハズの勝也が、遅れて帰ったのを見て、少し驚いていた次第である…

「おぉ、『”雨田”ってあんまり見ない苗字…』って思ったけど、澄玲ちゃんの子だったかー…まぁ、澄玲ちゃんとは高校時代に交流が無かったし、人伝に聞いたからね…」

とあけすけに言っていた。


書く言う勝也も、叔母の夕お姉さんを連れて来た事も手伝い、

いつもは慎ましく晩御飯を食べているのだが、昨日の食卓は賑やかになってしまった、まだ疲れが抜けておらず、今日は少し寝坊してしまったらしい…


勝也の身じろぎ音を聞いたのかは定かではないが、勝也が目を覚ましつつあるところに、部屋のドアからノック音が響く。

ノックをするのはいつも有能に動き回る、お手伝いの大学生で、勝也の連れて来た夕お姉さんと”張り合って”いた凪乃だ。

勝也が疲れているのはこの”張り合い”が大きかった為である。

…ノックが止むとドア越しに声を掛けられる。

「勝也君、起きましたか?開けますよ?」

『あい…』と勝也が返事をしたところで部屋のドアが開く。

「おはようございます。勝也君、起き抜けで申し訳ありませんが、そろそろ時間です。厘ちゃんと勝也君が登校する時に私も大学に行きますので…支度を急いで下さい。私がロールで送ります。」

勝也は起き抜けに死刑宣告をされてしまった…



勝也が朝ごはんを食べようと居間の食卓に向かう。いつもは見ないモノがそこにいた。

「ほーら!厘ちゃん、アーン…」

『あー……ん……』と厘に昨日のカレーを与える飯吹。

飯吹は肌着姿でランニングシャツとパンティの上にモモヒキで、ブラとパンティは隠れているが、あまり直視できない姿である。

主に胸が……厘はパジャマ姿。


遅れて食卓に現れた凪乃はその光景を見ると焦って言う。

「あ、ああ!飯吹さん!厘ちゃんに”あなたのカレー”は駄目です!!厘ちゃんのお皿のカレーを…」

そんな声に反応する飯吹は『エ…?』と若干の失敗顔だ。

「あ、あれ?厘ちゃんには”辛さ控えめ”とかだった?私てっきり同じだと……あれ?」

と飯吹は厘のお皿のカレーを見て考え込む。


勝也の記憶では特にそんな配慮はないはずだ。

厘のお皿のカレーを見ても別段、違いは無い様に見える。

カレーを与えている飯吹も、厘のお皿を見て同じ様に思っている。


「いえ…問題無いならいいんですけど…厘ちゃんのカレーは春()レーライスです。他の人の物とは違うんです…厘ちゃんは自分のカレーを食べて下さい。厘ちゃんには”おいしい”ハズです、春香お嬢様の大好物ですから…」

凪乃の言う。春()レーライスなる物は知らないが、どうやら厘に対してだけは特別なカレーライスらしい…


厘に視線が集まり、居間の一同は固唾を飲んで厘を見ている……審判が下される…

「ん?おいしいよ…ん?………食べちゃった…」

凪乃は『何かありま(・・・)した?……』と朧げに聞いている…

「…”飯ブキン”のカレーは…さっぱりしてて厘のとは違う…かな…まぁ、良いや、遅刻しちゃうから、食べちゃうね!凪ノンのカレーは全部おいしいです!!」


厘の言葉に『ホッ…』と胸をなで下ろす仕草の凪乃。

飯吹は『何?春()レーライスって…』と疑問顔である。

勝也は恐れ多い飯吹を『飯ブキン』呼ばわりした事を内心で焦っていた…勝也は食卓に着く二人と朝の挨拶を交わして凪乃の配膳を受ける。

夕お姉さんと母親の澄玲は既に家を出た後の様だ…


今日一日が始まる…

不(ry

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