#57~力のシンパシー~
祝日の今日、雨田家では夕飯の食卓に着くメンツは以下のとおりである。
母:雨田澄玲
息子:雨田勝也
娘:雨田厘
お手伝い:風間凪乃
客:飯吹金子
父の姉(叔母):雨田夕
いつもの夕食は
息子:雨田勝也
娘:雨田厘
通い妻:風間凪乃
(母:雨田澄玲)
な事を思えばいつもの倍の人数だ。母の澄玲はほとんどが夜遅くに帰宅なので夕飯は別である。
勝也が家の玄関を押しあけ、帰宅した所からお話は始まる。
「ただいまー…」「澄玲さーん!お邪魔するよー!!」
勝也の声を聞き、間もなく凪乃が『はい』と言いながら玄関通路に顔を出す。
「お帰りなさい、勝也君。……そちらの方は?厘ちゃん?に似て……と、…どちら様で…」
と凪乃が『誰です?』と聞こうと声を出しかける。
次いで澄玲が『その声は…』と言いながら顔を覗かせる。
「夕お義姉さん!!いらっしゃい、どうしたんですか?…あ、勝ちゃん、お帰り。夕義姉さんが一緒って事は…務義兄にいさんの所に行ってたの?勝也は…」
勝也が『う、うん…』と、剣呑な雰囲気を察知し、たどたどしく肯定する。
雨田親子のやり取りの間に、夕は凪乃を見て『ん?誰?』と言う感じで疑問顔を浮かべる。
その顔と澄玲の声から推察した凪乃は、少し間違って『あぁ…』と納得すると、声を挟む。
澄玲さんのお姉さんでしたか…初めまして、お邪魔しています。勝也君の通い妻をさせて貰っている風間凪乃です。以後お見知りおきをお願いします。」
身なりからして、勝也の身内と断定し、凪乃は少しおふざけ気味に自己紹介をする…
『それで良いの!?』と勝也は迷惑6:戸惑い2:呆れ2の割合で表情を作る…
夕はノリ良く、ほんのすこしの”女の意地”も持って反応する…
『通い妻!!隅に置けないな…勝也…こんな平坦な娘が?』と驚くと、自己紹介を返す夕。
「勝也の父親・大の姉で、雨田夕と言います。今は勝也のお姉さんのポジションに甘んじてるの。勝也に目を付けるなんて……なかなかの目を持ってる娘ね……小さい若いうちから狙って行くのは関心よ……よろしく。風間さん…いや、『凪乃ちゃん』と呼んでも良い?」
対して凪乃も自分の一部分を測られた…と意地になって無駄に張り合い返す。
「ええ!好きに呼んで下さい。お姉さんの大人な落ち着きを学ばせて貰います。私も『夕お義姉さん』と呼びますので。よろしくお願いします。」
凪乃と夕は、互いに印象最悪なファースト・エンカウントを果たす…
厘はスーパーで『目的を果たせた…』と思ったからか、『むにゃむにゃ…』言いつつも、居間のソファで寝転がっていた…
図らずも、少し前の夕をそのまま小さくした格好だったのは、同じく居間でくつろいでいる、飯吹にしか見られていない…
そんな可愛い厘を見つめる飯吹は『晩御飯ご馳走してもらえるー!ご飯はまだかな…』と一人時間を潰していた……
不(ry




