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力の使い方  作者: やす
三年の春
53/474

#52~力の秘め事~

今日一日は天気も良く、順調に日も暮れだすと、空はオレンジ色から薄い闇色が見え始める、すでに空気は夜の物に変わっていた。


「では、行ってきます。お留守番はよろしくお願いしますね」

と言う凪乃と『バイバイ、勝にぃ~…』と言う厘は元気に行ってしまった。


『さてと…』勝也は暇を持て余す、何か忘れている気がするが……と、

「あ…そうだった…」

やらなければいけない事を見つけて思い出す。

『コレ…現像しなきゃな…』とレンズ付きフィルム数個を見ている。写真の現像だ。

自分達の班だけはかなり遅れている、一日も早く、写真が欲しい。

『しょうがない…』と勝也は行きつけのカメラ屋さんに自転車で向かう事にする。



凪乃達は歩いて10分の所にある格安スーパーに向かっている。

手段は勿論徒歩である。

「凪ノン!何を買って来るの?…です?厘が持ってきます!です!」

声を弾ませる厘は機嫌よく言う。それを聞く凪乃は優しい顔で答える。

「カレールーが無いので厘ちゃんは食べたいカレールーを持ってきて下さい、私は他の、人参・ジャガイモ・玉ねぎを持ってくるので、レジ近くで落ち合いましょう。」


こういった時は店に入る前に買い物の順序、予定を言って置いた方が良い。

店ではぐれた時に、少しでもお互いの居る場所のヒントになるからだ。


今回の凪乃の予定では足りない物を買ってくるだけなので、凪乃は一瞬で選んで取って行き、恐らくどれにしようか悩んでいる厘を見つけ、そのままレジで精算する構想だ。

凪乃としてはお店で厘の動向を逐一見ている予定である。


『うん!…レジの前…』と、厘は一緒に外を歩く事で満足して来たのか、落ち着きを取り戻しつつある。

思っていたよりも肌寒さを感じたのかもしれない。



『ガーーッ…ピロリロリン…』と店の自動ドアが開いたところで、凪乃と厘は店に入る…

が、すぐには店に入れなかった。二人に声がかかる。

『厘ちゃん!…凪乃ちゃんも!』

「お母さん…」「澄玲さん!…と飯吹さん!?」

『ん?………』


勝也・厘の母親である雨田澄玲と、凪乃が少し前に公園で会っていた法力警察官(非番)の飯吹金子が二人連れ立って買い物をしていた…


「ええと…飯吹さん、紹介します。小さい子は娘の厘で…こっちの大きい子は知り合いの大学生、風間凪乃ちゃんです。…知り合いですか?凪乃ちゃんと…」

「はっはー!奇遇だね、凪ノンちゃん!さっきぶり!……私は知り合いと言うほどでは…ねぇ?凪ノンちゃん?列土の鬼女さんの尖兵(・・)と見まがう気概を見せて貰った仲さ!」「えっ!」

飯吹の発言に耳を疑う澄玲。

凪乃は驚きを恥じ入りつつも、立て直して対応する。

「は、はい!”自然公園”ではどうもありがとうございます……ですが、尖兵はさすがに…いえ、尖兵を名乗るには私”程度”ではおそれ多い事です…すみませんが…澄玲さんとはどういう…」『ーーえっ……』

飯吹の挨拶に驚き、凪乃の返し(・・)に不安を覚える澄玲は困り顔だ…


「いやぁ、高校が同じでね!学年はすれ違ったんだけど…あれっ……っ!…そうかっ!!澄玲ちゃんとは同じ様な(・・・・)あだ名を付けられた仲さ!思い出したよ!”烈水の奇女”さんだろ!澄玲ちゃん(・・・)の高校時代のあだ名は!」

…飯吹のうっかり忘れていた、澄玲の隠していた事実、高校時代に”いつの間”にか定着していた、恥かしいあだ名を大声で暴露され、『な…ちょ…』と面食らう澄玲。


澄玲が何か言う前に凪乃がそれに反応した。

「ぇえ!澄玲さん()剣道部に在籍してたんですか!!」

「えっ…いや、私は生徒会に入ってたの、生徒会の仕事をこなしてたらいつの間にか『列水の奇女』なんて恥ずかしいあだ名が定着してて……ところで……厘ちゃんはどこ行っちゃったの?」


「…え?厘ちゃん……は……」「ああ、すぐに店の奥の方に…」

と凪乃は厘を探し、飯吹が見て知っている事を言う。


……

…独り嫌いな野菜・人参以外全てをカートに積んだ厘は第一目的を達成し、レジ前で皆を待っていた…

不(ry

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