#48~力の好み~
凪乃は春香達と巨大遊具で遊んでいた。
遊具は高さが3mほどある物で、横幅は全体で10メートルほどもある。
階段で登ったり、ポールでショートカットして登ったり出来る遊具で、頂上からは滑り台で滑り降りる以外にも橋で隣の櫓に行き来きしたりも出来る、櫓は骨組みが梯子状の丸田で組まれ、それで上り下りが出来る物だ。滑り台の終点・遊具の周りは全体が砂場で秘密基地の様な趣きがある。
滑り台の傾斜裏側にはブランコや、鉄棒が付いていたりと、これ一つで様々な遊びが出来る。
昔からある物で、大人や高校生、果ては元気なお年寄りまでいろんな人が遊んでいる姿を見る事が出来る。
この近くに住む者は必ずと言って良い程一度は遊んでいるので、皆、童心に帰る事が出来るのだ。
この公園の人工物では大きな目玉になっている。
遊具の頂上は人が飽和しやすく、詰まり易い。そんな階段上では勝也が凪乃に話しかける。
「凪乃おねぇさん、飯吹さんと話してましたけと…俺の法力…『水爆発』の事聞かれましたか?…やっぱり、法力警察には嘘つけないですかね…?無免許で力を使った事探ってるんじゃ…」
「い、いえいえ!違います!人の敷地内で発現した法力はその敷地の所有者が被害届けを出していなければ違法にはなりません。あれはむしろ、私が怒られてたんです……」
『え?どうしてですか?』と勝也は話を聞いた。
「実は…私が勝也君の家をお手伝いし始めた次の日に、勝也君の家の庭でロールを点検していたんですが…その時、法力警察の変装をした、黒ジャージの男がやって来て…」「えっ!そうなんですか…」
凪乃の言葉に驚きの声を上げる勝也。凪乃は謝る様に応える。
「はい、相手の聞きたそうにしてる情報を気取らせない様に撃退出来たのですが…その時は気が動転して、警察に通報し忘れちゃってまして…彼等は私に勝也君の学校へ案内させようとしてました……」
「よ、よく独りで撃退出来ましたね…前は秋穂お姉さんがほとんど一人で相手にしてたのに…」
勝也は知らなかった攻防を聞いて驚いている。それと同時に凪乃の実力が解らなくなっていた。
「まぁ、相手の意表を突く事が出来ましたからね……でも…その事を飯吹さんに言ったら、怒られてしまいました…『ちゃんと通報してよぅー…』って…飯吹さんは職務中の仮面をかぶると人が変わるんでしょうか?話でしか聞いてませんが、『魔人』を一発で倒してしまったんですよね。とてもそんな人には見えません…あのおっきなお胸じゃ…動けないでしょうに…」
話が反れ始めている凪乃の言葉を締めくくる様に言う勝也。
「い、いや、女の人は胸とかじゃないですからね…分かりませんよ…あ、次、凪乃おねぇさんの番ですよ…」
『はい!胸の大きさなんて関係ないですよね!』と言って凪乃は勢いよく滑り始める……
勝也は黒ジャージ男達に狙われていたのは”凪乃本人”では無いかと思い始めていた…
家を探し出せる者が学校の場所など聞いても意味は無い。学校までの道に罠を仕掛け、『”凪乃”を捕まえようとしていた』と考えた方が普通だ…
階段にいる、後ろの女子はそんな凪乃達の話を聞いていて、後を引き継ぐ。
「ふぅん?アマチ―はお胸が小さい人が好みなの?」
『お前より大きい人が好みだよ…』とあしらうと、勝也は勢い良く滑り台を滑って行った…
後には『ふん!』という春香が一人残っている…
不(ry




