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力の使い方  作者: やす
三年の夏
472/474

#471~力の激動 その2~



「はぁ……子供らといたらなんや?いきなし”不審な男”から『暴行犯』やら?『恐喝犯』?に”見立て”られて?善良な”一般市民”へ”不当に命令”して?どっちが恐喝犯かわかりませんなぁ?!」

キツイケメンはそらもう鬼の首取ったが如くに制服の警官に対して言葉を連ねている。


「いや!、、ですが……私は子供の”防犯ブザー”を受けて近くを”走行中に”やって来たので……清虹署の”規定通り”に動いただけです。この”規定”に文句があるのなら……清虹署に不服を申し込んで頂かないと……」

警官はキツイケメンにただ言われるだけではない、『個人』ではなく『署』の、引いては清虹市の市議会で”合意”された”システムそのもの”が問題だとなすりつけようとしていた。


「いやいやふふっいやいやいやふふっいやいやいや……」

だが、キツイケメンは否定する様にしてイヤイヤを繰り返しながら途中で含み笑いをすると言う、高等テクを披露している。


「兄さん、そらあきまへんわ。兄さんがするんは”言い訳”やのうて”ごめんなさい”言う事やないの?俺に”命令”しとるんやから?……俺どっちかと言うと”今の”方が怒っとるで?」

キツイケメンは警官の顔に自身の顔を近づけて、ねっとりした笑みを浮かべている。言い訳ではなく謝罪を聞きたいらしい。


「……っ、”防犯ブザー”が鳴らされているとは言え、私の確認不足でした。申し訳ありません……」

「うんうん、まっ、”それ”は謝罪を受けたって事で良しとしよか。じゃあ次や。兄さん、所属と階級、あと警察手帳を見せて貰える?一応な?このままだと俺、”不審な兄さんの”命令を聞いて、”なんの意味もない謝罪”聞いただけになるやん?」

キツイケメンの方が年下に見えるが、警官も30代中ごろ程度に見える。未だベテランとは言えない感じだ。

キツイケメンに謝罪して許されるのならさっさと謝罪してしまった方が楽だろう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー―

一応は法律で『警官は警察手帳を職務中は絶対に携帯して市民に提示しなければならない』と定められているとは言えないらしい。

それは潜入捜査の時や、警官がうっかり警察手帳を忘れた時にその警官が法律違反にならない為……と言う事情があるのかもしれない。

だがその代わりに各警察署が内部の決まり事みたいなモノで『警官は特別に命令されていなければ職務中は警察手帳を携帯し、要請があれば見せる事』と言う決まりを作っている。

それは公然の決まりとなっていて日本の警察官は人から『警察手帳を見せて』と言われれば見せなくてはならない。勿論、忙しい時等やちゃんとした理由がある時はその限りではないが。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー―


「……はい……ぇー、清虹署所轄の特捜課、警邏隊の小林(こばやし)(めぐみ)警部補です。得意な事は柔道です」

どうやらこの警官はどこかで聞いた事がある?清虹署の”特捜課”に配属されていて、階級は警部補らしい。

清虹署ではどうなのかはよく分からないが、見た目三十代中盤の男性が警部補と言うのは少しだけ階級と年齢にちぐはぐな所がある。

彼がキャリア組なら歳を取り過ぎていて、ノンキャリア組だと歳が少し若い。警察の役職は昇任試験を受けて合格しなければ出世しない。

その昇任試験は筆記と面接だ。筆記は誤魔化せないが、面接は実績や職務態度等で(かさ)増しする事が出来るかもしれない。

なのでその警官の地域や周りの者と比べたり、時と場合で相対評価的に話しが多少違ってくる。……かもしれない。


「ほー……じゃ警察手帳の表紙をめくって見せて貰える?」

警察手帳は昔のドラマ等で黒い表紙や外側を見せるだけで”手帳を見せた”と思われるやり取りをしていたが、本来は警察手帳の中身を見せなければ”警察手帳を提示した”とは言えない。

中身には所属している地域等を示す記章の他に、顔写真・氏名・手帳番号が記載されている一枚のカードが入れられている。縦開きのカード入れ見たいなモノだ。

”手帳”とは言うが、それは昔の名残でメモを取る為の紙束を差し込む事も出来ない。西暦2000年ころ位昔の警察手帳ならば手帳の様にも使えたが……


「ふぅん?どうやら本物みたいやねぇ?まぁ分かりましたわ。お勤めご苦労さんです。で、相談なんやけど……今車は?」

キツイケメンは小林警部補の身元を確認していたのか確認していないのか分からない様子で話しを先に勧める。

「え?あ、ああ……ぇー”そっちの”路上駐車が可能な場所に停めてあります」

小林警部補はキツイケメンの態度に若干身構えていたのだが……


「ほー?ほな行きましょ。路駐してもええ言うても長く停めるのはアカンやろ?今1人なんはなんでなん?」

そう、”警邏”とは言え、自動車に乗ってパトロールを行う際は清虹市では原則2名で行う様に定められている。

これが徒歩や自転車で行っている場合はその限りではないが、自動車は小回りが出来ない為にそういう決まりがあるのだろう。


「なっ……ぇーお宅は色々と警察の事が詳しそうですね?なんか色々と知ってそうですけど……」

ついに小林警部補は聞いてしまう。

「いやいや、実は俺の”姉ちゃん”が清虹署で働いとってな?まぁその関係で色々と”俺が”昔調べただけなんよ。気にせんでもええ」

なんと、キツイケメンの姉が女性警官をしているらしい。確かにそういう者なら裏事情なんかを調べたりするかもしれない。


「ぁ、あの……参考までに、貴方のお名前を教えて貰えませんか?」

小林警部補はちゃんとした警官だ。もしも相手が上の立場の女性警官の弟ならば下手な事は出来ない……

小林警部補としては”そこは”気になるらしい。一気にこのイケメン男性への態度を変えなくてはならない。


「そこで俺?まぁええけど。俺の名前は雷銅北賀(きたか)、俺の姉の名前は勝手に言えんのや。ごめんな?」

キツイケメンはその顔を悪い者の微笑みの様にしてニタァと笑う。


「ぇ?雷銅さんの!?……弟さん?」

小林警部補はその女性を知っている口ぶりだ。だが、”弟”と言う点で引っかかっているらしい。

「うん?なんや?俺の姉ちゃん、知っとるんかいな?」

キツイケメン、改め、北賀は小林警部補の反応に若干戸惑いの表情を浮かべている。


「ぁ、……いっいえ、実は私が前にいた”隊の班”の1人に女性がいまして……ぇー……まぁご家族ならお知りだと思いますが……一応”知らない”事になってまして……」

そう、小林警部補は以前、最強と名高い”マスコット的な女性”が班長であり隊長を務めていた”隊の班”にいた1人なのだ。

前隊長が辞表を提出した事で班編成が変わり、彼は晴れて?隊を抜け出せて今の警邏隊に所属出来ている。

一応、前は同じ班、若しくはその家族が相手とは言え、法力警察官は身分を明かす事が出来ない。

もしくは今、班員の”名前を借りて悪事を働く者”がいないとは言えない情勢なのだ。おいそれと仲間の存在を話せる訳がない……


「まぁそう聞いてるからええよ。俺も久しぶりに”こっち”来て迷ってた所やし?」

しかし、キツイケメンな北賀は小林警部補の言いづらそうにしている態度を流していた。どうやら”彼にとってもあまり話したい事ではない”のだろう。

「なぁ?悪いんやけど、俺の事を清虹駅まで車に乗せてくれへん?近くまででエエから。どうせ兄さんも清虹署に帰る所なんやろ?行く先は同じ方向やん?」

ここで北賀は図々しくもタクシー代わりに小林警部補を使うらしい。

「ええ。別に構いませんよ。すぐソコにパトカーを停めてあるので行きましょう?」

「ああ、ああ、おおきに!コレで何とか時間に間に合う!」

小林警部補はどうやら北賀を連れて行く事にしたらしい。北賀も今回の誘いにはそのまま了承する。


「じゃあ……行きましょうか?」「うんうん、頼むでぇ」

小林警部補は”それを”任意同行と定めているのも北賀は知らずに……


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー―


「くそっ!?まさか一家総出で来るなんて!?それに、清虹駅で現地集合?!はっ!?無理に決まってるでしょ?”にぃちゃん達”と”父ちゃん”は。母ちゃんは何を……ありえない!」

肩で風を切って歩く女性がいる何事か喚いている。肩にはある程度の大きさのバッグをかけていて、動きに多少の制約が掛かっているハズだがそれを感じさせない動きだ。

『ガチャン』『ブーン』「あぁ遅い!」

彼女は自分が借りているマンションに着いてオートロックな扉を部屋の鍵で開ける。場所は共用郵便受けの場所だ。清虹駅の程近くに建っている何の変哲もないマンションとなっている。

しかし、オートロックの扉はゆっくり目で開くのだが、彼女はそれを待つのも限界らしい。




『ガッ』「んっ?」

雷銅は部屋の玄関扉の鍵穴に鍵を差し込み、それを回そうとするが、回らなかったらしい。しかしこれはありえない。彼女は確実に鍵を閉めて休暇兼長期出張に出たハズだ。

「遅かった?」『ガァァ』『ダッダッ』

雷銅は仕方なく扉を開ける。すると部屋の中から駆け足で近寄ってくる足音が……


「陽子ちゃーん!?お帰りなさぁい!?」

(かぁ)、ちゃん……」

雷銅の部屋には彼女の母・雷銅(ふく)が人知れずに上がり込んでいたらしい。

雷銅は肩を落として母の現状を見て落胆している。

雷銅福は今年で55歳になるおばさんだが、その身なりは雷銅……いや、陽子と同じく美しい婦人だ。陽子と違って髪は黒いストレート、艶がまだまだ色あせない女性だ。


「ごめーん陽子ちゃん!(ぜっ)くんが陽子ちゃんのベッドを使わせて貰ってるけど、良いよね?」

母親の福は軽い調子で娘のベッドを”誰か”が占領している事を告げる。


「絶(にい)なら構いませんよ。それより、北兄と父ちゃんは?」

しかし、陽子は母の軽い調子の言葉に(いきどお)る事無く言葉を返している。代わりに”もう一人の兄”と父親の所在を聞いている。


「それがー清虹駅で待ち合わせしてたんだけどー父ちゃんは山に芝刈り……じゃなくて、土旗の方に行くって言って別れちゃった。北くんはどっかで色々見て回りたいって言うから風台駅で別れたけど、”清虹駅で待ち合わせ”って言ってたよ!?」

陽子の母親・福は本当に軽い調子で受け答えしている。しかし娘である陽子は……


「いつ会う待ち合わせをしたんですか?」

「母と息子が分かつ時、2人はいつでも会えると”ここ”に秘めて来た。探せ!ここに英知の塊を置いて行った!」

福は妙なテンションで”胸”を叩き、手元に携帯電話を握りしめている。


「はぁ……母ちゃんは”まとも”な人と、昔一時期でも思っていた事が嘆かわしい……もう絶兄しか家族と思わない様にします……」

陽子は悟った。父と母と上の兄は”変人”の域を超えて、狂人の域に立っている。と……

どうやら上の兄・北賀は携帯を持たずに風台駅から歩いて”こちらに”来ている様だ。時間も決めずに待ち合わせ場所だけを決めて来たらしい。それでは決して”待ち合わせ”ではない。

また、下の兄、絶太(ぜった)は彼女のベッドで寝ている様だ。彼は身体が弱く、時折こうして眠りに付く。陽子としては彼だけがまともな家族なのだそう。


「えー陽子ちゃん!それは酷い!」

福はそんな娘・陽子の呟きを聞いて心外そうに喚いている。

今日(4/29)は小袋怪獣行けの復刻共同体の日なんですね。少し投稿が早いと言うか遅いですが……

いの豚怪獣は以前、2019年2月17日開催しました。

今見返してみると16日にそんな事を告知してますね。ほんの少しですが……

時間は14時~17時、

捕獲時に砂が3倍、卵は孵化距離1/2、捕獲時の経験値も3倍と。

卵孵化装置に卵を入れるのは時間になるまで待ちましょう。すこし告知が遅いですが。

14時~19時の間にいの豚怪獣を最終進化させると”原子の力”を覚えるとは怖い。

石も何かをすれば貰えるみたいなので進化は大丈夫そうです。

まぁ石は有り余ってるんですが……

お香、疑似餌はいつも通り延長と、そこらはいつも通りですよ。


ゲッツイロチ、高個体?


追記:申し訳ありません……誤った情報を流してしまいました……

卵孵化距離1/2のボーナスは無かったです……

他は多分間違いはないかと……

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