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力の使い方  作者: やす
三年の春
46/474

#45~力の諍いとそれを見て笑う素顔~

次の国民の祝日・お昼前である。


勝也達の班メンバーは全員で自然公園に足を運んでいる。


今回は皆で春香の家に集まり、春香の家の車で送って貰った次第である。

自然公園に行く条件も、祝日の今日来ている事も神田先生に報告し、一応は了承を貰ってから来ている。


先生から提示された条件・保護者は運転手でもある、春香の姉・秋穂お姉さんに頼んでいる。

彼女ほど祝日に予定が無い。これ以上ない保護者は他にはいないだろう…

正式に知らせてはいなかったが、集団登校に護衛役として付き添いをしているのを、見かけた先生が太鼓判を押したので申し分ない。

…勿論だが、風間おねぇさんこと、凪乃おねぇさんも一緒だ。


最近は仕事が順調なのか、勝也の母・澄玲は家に早く帰って来ている。

それでも、凪乃おねぇさんが雨田家に来るのは『お手伝い』と言うよりも『厘の顔を見に遊びに来ている』ニュアンスがある。最近は金山家での具合も良くなっている様で春香の言う様に一石四鳥だ。

家事の手伝いも忘れずにしているので目的はブレていない。



前にいろいろあった自然公園の駐車場に降り立つ勝也達。

丁度今、車から降りた所だ。

祝日もあって、人もちらほら遠くに見える。


「秋穂お姉さん、車を出してくれてありがとうございます。最近忙しかったみたいですけど…面倒な事も引き受けてくれてありがとうございます。凪乃おねぇさんも、お弁当まで用意してくれてありがとうございます。」『『『『ありがとうございまーす。』』』』

と一緒に乗って来ていた班メンバーも声をそろえる。


それを聞いた秋穂は顔に笑みを張り付けて言う。

「私も最近、この公園には来てないからね、久しぶりに森林浴が出来て、良い息抜きになるよ、最近忙しかったのは前に通っていた清敬高校に顔を出していたんだ…ちょっと気になる後輩の娘がいて…まぁ、それも遊びみたいな物さ、用事は終わったしね。…これぐらいは『面倒な事』にも入らないよ。」


「やっぱり、完璧です秋穂お姉さん、尊敬します!」

と完璧なお姉さん像を見事に体現している秋穂に、勢いよく頭を下げて大仰に返事をする勝也は誰にも責められはしないだろう。


「ふん!」

……

…いや、一人だけ責める者がいた。


「大学三年生の!夏休み前の祝日に!彼氏の一人も作らないで!家に籠ってる秋穂お姉様には丁度良い気分転換よ!そんな”身なり”で、まだ誰とも付き合った事が無いなんて…しかも、男友達も居ない…『バカ!止めろ!』んっ…っぱぁ、な、何よ!?勝也!勝也もこんな……」

勝也が春香の口を塞いで止め、春香は言葉を遮られる。ぎりぎりで秋穂の逆鱗に触れなかった春香は勝也に泣いてお礼を述べるべきだろう…春香は意外と後先を考えない、、時がある…


秋穂はなまじりを少し上げて反論する。

「ふ、ふん!……わ、私にだって男友達ぐらいは…い、居る(・・)ぞ!!この前だって同じ学年の男子から電話番号を教えて貰った所だった(・・・)!そういえば…それ(・・)…は?…ま、まだ(・・)?電話は掛けてないが…」

秋穂は言葉の途中で凪乃を伺い、凪乃の首振りを確認すると言葉を結ぶ…嘘が混じっている為、若干言葉が軽い。


秋穂はうっかり失念していたのでどっちもどっち(・・・・・・・)だろう…秋穂は続ける。

「それに…自分で言うのもアレだが…私たち姉妹は、顔の造形がお母様に似ている。春香も同じだぞ?自分だって男友達なんて…勝也君ぐらいだろう?他人事みたいに言われるのは…心外だ!」

「ふん!小学生と勝負するなんて…秋穂お姉様も大概なんだから!」

勝也は春香が仕掛けた姉妹の口論を止められない…ここまでデットヒートするのは姉の秋穂が食いつくからだが、喧嘩の題材が題材で、勝也達児童は誰も口を挟めない。


『う~~~……』

と睨み合う姉妹を凪乃と勝也はなだめる。勝也は凪乃の顔色は伺えないが、顔を青くして一生懸命になだめているのだろう…



その喧嘩を止める者が勝也達一行の近くに現れる。いや、いつの間にか、何処からともなく現れていた(・・)

「…ねぇ、ちょっと良い?君たち…清瀬小学校の子たちだろ?写真を撮るんだっけ?何でも良いけど、ちゃっちゃと始めてくれない?こっちは非番で寝てようと思ってたのに…疲れてるんだ…ふぁ…あ~…」

私服姿の髪はボサボサなショートヘアーで顔は細いが、どこか丸っこい、30ぐらいの女性が欠伸をしながら勝也達に話しかける。


風間が目を光らせ、体を間に挟むようにして対応する。

「どちら様でしょうか?ご用件と…何故、身体の物音を遮る風装甲(ウィンドアーマー)を纏っているのかご説明をお願いできますか?」

声に怒りが含まれているのは、”慣れた物言い”と風間には”出来ない”『風装甲』を自然体で纏っている為”でも”ある。


「えぇ…?あぁ!ごめんごめん…仕事がらいつも使っててね…”無意識に”発言しちゃうんだ…ふあぁ~…すぐに止めるから…」

と欠伸を挟むと少しの風をまき散らし、体に纏っていた風を無くす。


…と『グゥゥゥゥウゥ……………ぷぅ…』


その女性は腹の虫と放屁を丁度よく鳴り響かせた…


その女性は『こりゃ失敬!』と体で体現する様に右手で頭を押さえながら明るく話す。

「はっはー!腹が減っては何とやら!公園の売店でお昼を食べてから写真撮影にしないかい?」

「いえ…私たちはお弁当を持って来ているので…いや、ですから!…どちら様ですか?それを言わないのなら…警察を呼びますよ?」


風間の鋭い声に応える様にして女性は姿勢をそのままに、真剣になって返す。

「いや、私が…いえ!本官(・・)は法力警察官であります。法力警察 特別捜査課 実戦隊 前線隊ちょ……う、う゛んっ!…特別捜査課の 飯吹金子(いぶきかなこ)警部補であります。今は非番(・・)なので出来ればそれはご遠慮頂きたい!」


咳払い交じりの自己紹介を聞く全員は思った『…何言ってるの?この人?』と…

不(ry

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