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力の使い方  作者: やす
三年の夏
419/474

#418~力は泳ぐ~


『……ジャバジャバ「がっ!がっ、、、」「……んっ……むぅ……」ジャバ!ジャバ!ジャバ!……』

『……ジャバ!ジャバ!「っぷぉ」ジャバ!「っぷぉ」ジャバ!ジャバ!「っぷぉ」ジャバ!、バシャ!「っぷぉ」バシャ!……』


平岩がなんど言っても、癖になってしまっているのか水中で腰を曲げてしまって泳げない”男の子”の横に平岩が付きそう様にして立ち、その”男の子が”溺れない様に手で支えている。

そのプールコースの反対側からは一人の女性がコチラに泳いできていた。彼女もまた”腰を曲げながら”泳いでいているが、こちらはなんとか溺れないように足掻きながらも”泳ぎの練習”をしている。


「……むぅ、、ちょっとここで待ってて貰える?」「っ、、、ぁ、はいっ……」「っ『ジャボッ!』っと、『ジャボジャボジャボジャボ、、、』

平岩は 何度指摘しても・泳いでる最中に太ももやお尻に手を添えて腰を曲げない様に手を出したとしても 一向に腰を真っすぐにしない”男の子”にそう声をかけてプールコースの中間地点でプールサイドの”へり”に手をかけ腕の力だけで身体を浮かせてプールから上がっていく。その”男の子”はプールのへりに手をかけている状態だ。


『……ジャバ!ジャバ!「っぷぉ」ジャバ!「っぷぉ」ジャバ!ジャバ!「っぷぉ」ジャバ!、バシャ!「っぷぉ」バシャ!……』

”女性”の方は、今も水を『バシゃバシャ』叩く様にして泳いでいるので”彼の”言葉は聞こえていない……



「あの、ちょっといいですか?「ん?はい?何か?……」ここには……」

プールから上がった平岩だが、彼はすぐそこにいる”男性”へ声をかけ始める。その”男性”とは、この25mプールを”監視”している男性だ。

”プールの監視員”をしている平岩よりも見た目では若そうな男性は、”お手伝い”として”泳げない者”に”泳ぎを教えている平岩”へ二言三言の言葉を返している。


『……ジャバ!ジャバ!「っぷぉ」ジャバ!「っぷぉ」ジャバ!ジャバ!「っぷぉ」ジャバ!、バシャ!「っぷぉ」バシャ!』「……ぁ、あのっ……」

平岩がプールから上がって何やら”監視員”の男性と話している頃、プールの”第一のコース”終着側から『バシャバシャ!』と盛大に水を叩く様にして泳いでいた女性がその”男の子”の近くまで泳ぎつく。

「んっ?」

その女性・飯吹は水泳ゴーグルを着用していて、その”男の子”が水の中でもその女性へ手を向けていた事で異変に気付き、『バシャバシャ!』と水を叩く行為を中断していた。

「んっ?……平岩さん?……プールから上がって?……何してるんだろ?」

飯吹はプールの底に足を付けて『ノッシ、ノッシ、、……』と水の中を歩き出す。


「……っ、っ、」「……」『ダッ、ダッ、ダッ、……』

プールサイドでは監視員席に座る男性と話していた平岩がその監視員の男性が指を指した方に歩き始めていた。


『……ガッ、ガッ、ガッ、ガッ、ガッ、……』

飯吹はプールの中、交互に片足のかかとでプールの底を付く様にしての移動に切り替えている。

この様に”うしろ向き”に跳ねる様にして歩く事で普段使う筋肉とは違う筋肉が使用される。


普段人が歩く際、前に歩いていると太ももの前面の筋肉を主に使うが、”うしろ向き歩き”をする場合は太もものお尻側の太ももの筋肉を使う。

また、腰の角度を付けて”うしろ向き歩き”をする事で足全体の筋肉が使えるのだ。

腰の角度を付けても転倒しない”水中”でしか使えない”後ろ向き走り”だが、その分速さに少しだけのアドバンテージがある。

勿論だが、前を見て歩けないので使える状況は限られる水中走法だ。


「ふぅ「二人には”コレ”を使って貰います。」っ「?」」

飯吹が平岩がプールから上がった地点に着いて一息吐いた頃、二人に”泳ぎ”を教える”臨時の先生”が戻ってくる。

平岩の手には青色の板・ビート板が二つ存在している。

一見した限りでは”一般的な水泳ボード”だが、板の両端が少しだけ膨らんでいるモノだ。

”そういうデザイン”と言われればそんなモノなのだろう一品である。


「ただ、これを前に突き出して普通に使うんじゃなくて、足……と言うか、股で挟んで泳いでください。「えっ?股で?」ええ……イヤですか?……一応、”泳ぐのに”慣れてない人は溺れる事もある様な練習方法なので、出来れば一人ずつ交互に”コレ”を足で挟んで練習して欲しいんですが……」

平岩はその”ビート板”をお腹の前に建てて突き出すが、すぐに左右の足の膝で挟んで見せている。

「……”この練習方法”は本来、泳げる人がビート板で足を使えなくして、スイミングフォームや、手で水をかくのを鍛える練習方法なんですけど、”二人”の癖を矯正するには良いと思います。」

「ふぅん?足で挟む……」

但し、画ズラ的には少しだけ滑稽で、その実腰が浮いてしまう為に頭が沈んでしまい、ある程度”泳げる者”か、人数が少ない時に出来る練習方法である。

まぁ、よほどの事が無ければ溺れる事はないだろうが……

「……あぁ、じゃあ私からやるよ。良いよね?」「はい……」

飯吹は物怖じせずに手をあげて平岩からビート板を受け取っている。


「……では軽く足で挟んで泳いでみてください。キックも普通にして貰って構いません。」

「はいはい、えーと、ではでは……」


…………

……



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー―



『ザパァァァン!ザバァン!ザバァン!ザバァン!ザパァァァン!ザバァン!ザバァン!……

『ガヤガヤ……』

場所は変わり、波が一定間隔で打ち寄せている”プール”である。

そろそろ清虹市にある教育施設等の”夏休み期間”が終わる頃らしく、”総合体育館”には児童や少年・少女と言える頃合いの子供が何人か訪れている。


「厘ちゃーん!どこ~?」

そんな人工的な波が打ち寄せる、ビーチチェアが置かれている場所でとある女子児童が声を張り上げていた。

「はぁぁぁーーーーいっ!」

すると、何処からともなく……ではなく、プールの端にあるウォータースライダー出口から女の子が飛び出てきている。


そこは総合体育館の”遊戯用プール”である。

ここは教育施設が有する体育館とプールだが、”遊戯用プール”にはウォータースライダーまで完備されていた。

また、このプールは人工的な波が造られていて、プールの一辺:ウォータースライダーから出て来た者がそのまま泳ぎつく先はなだらかな傾斜になっている特殊なプールだ。

ウォータースライダーから出て来た者は人工的に作られている波で否応なく流され、その場に静止できない造りになっている。

広さも結構あるプールで、100人程度までなら人とぶつからない様にして遊べそうな程の規模だ。


『ジャババジャジャ「うぉぉぉおお!」ジャババババーーー……』

ウォータースライダーから飛び出て来た厘は、あろうことか顔を前に出してお腹を下にして出てきていて、”遊戯用プール”を5m程水面を跳ねて飛び出てきている。


『ピッ!』「いやっ、っ、んん゛、、あ、あんまりウォータースライダーではスピードを出し過ぎない様にしてください……」

そんな厘を見ていたこのプールに配置されている、ある程度の年齢な監視員は笛を鳴らして”厘”を注意しようとしたが……まぁ、見た限りでウォータースライダーから飛び出て来た女の子はそれほど高学年と言う訳ではなく、”恐らくは”やむを得ずに”勢いづいてしまった”のだろう。

ここのウォータースライダーは本来、頭を後ろにして、足から先に”スライダーの出口”から出る様にしなければならないルールがある。

また、スライダー内部は足や手を滑っている時に立てればスピードが減速する様になっているハズだ。上手くスピードを調整しなければ今の様に水面を跳ねて人とぶつかってしまう可能性がある。何度も繰り返される様なら”ウォータースライダー”の使用を止めさせるべきだが、その女子児童はまだ数回しか”今日は”利用していない。

今この遊戯用プールの監視をしている男性は、もう少し様子を見る事にした様子だ。


「はぁぁーーーいっ!ごめんなさーい!」

まぁ、その女子児童も満面の笑みでだが、謝っているし、”遊びに来ている者”を注意しすぎるのは自重しようと思った様だ。


「勝也君……君は聞いた話だと……泳げるんだよね?「ぁ、はい。」良かったら”あっちで”泳ぎの勝負でもしないかい?」

「えっ、ええ……良いですけど……」

そんな厘を見るのは何も、たった今、ピンク色セパレート水着を着る”厘を呼んだ女の子”だけではない。

プール横に置かれているビーチチェアには、”厘を呼んだ女の子”の父親、海水パンツ姿の二枚目男性・金山賢人とその厘の兄、競泳用水着を着る雨田勝也である。

「では、厘ちゃんが戻ってきたら移動しましょう。」

そして、暗い緑色・暗緑(あんりょく)(しょく)の競泳水着を着る風間凪乃だ。


彼らは今日のこの日、雨田兄妹・金山父娘・風間凪乃の計五人で総合体育館のプールへ遊びに来ていた。

そういえば小袋怪獣行けで今妖精伝説yイベントが開催されていますが、その”前編”が明後日?(5/24の18時?)までで、その間は”悪い怪獣”の”やつあたり”が普通の”技2機械”で変更できる様になっています。※妖精伝説yは5月いっぱいやるそうですが……

まぁ、”今日のまとめ”に書かれていますけどね。

普通の”技2機械”で変更できるタイミングは多分それほどないので、今持っている”技2機械”を使いきってでも、少しでも強い・もしくは伝説の”悪い怪獣”の”やつあたり”を変更させておいても良いかもしれません。

ただ”悪い怪獣”を使う予定がないのなら”技2機械”を温存しても良いのかな?とは思いますが……

※訂正します。妖精伝説yの前編は5/24の20:00までですね。

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