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力の使い方  作者: やす
三年の夏
407/474

#406~カイコウの力?~

#405~力の邂逅?~のBパート的お話しです。

前半は#404~力が選ぶモノ~の続きですが、

後半は#405~力の邂逅?~後半の続きでもあります。



「あっ、秋穂お嬢様?!……」

凪乃は『シュタタタタ……』っと走り去る、茶色い布に包まれているお尻に向けて手を伸ばすのだが、その茶色い浴衣を着る女性の足は止まらない。


「秋穂お姉さん……そんなにトイレを我慢してたの?!……」

勝也は走り去る者のお尻を眺めながら、そんな言葉を吐き出してしまっていた。

「デュフフ……うん?、、うん、まぁ……」「んん……」

春香は姉の嘘や思惑をある程度分かっているので口は重い。

厘は兄に何か思う所があるようにして目を向けるも、何も言わずに走り去る者をみるだけだ。


「……ま、まぁ、、、ともかく、”清敬”に早く行きましょう。”高校”なら信頼出来る先生方もいるハズですし、”清敬”の屋上で場所を確保したのちに売店等で食べ物も買えます。”私も”高校まで行けば、”お手洗い”に行こうと思うので……」

「えっ?凪乃お姉さんもトイレ?!っ?!なんで……」

「……じゃ、じゃあ急いで高校に行こう!」「……うん、春香お姉さま……」

また、彼女等・彼等の集団は、司令官的ポジションにいた最年長者がいなくなってしまった。なので、次の年長者である凪乃が率先して動き出す。

しかし、凪乃は凪乃で困った事に、あろうことか、”清敬高校”に付いたら一人で”お手洗い”に行く事を今の時点で宣言してしまっていた。

勝也はやっぱり隠語も使わずに”彼女等”が行く場所を率直に言ってしまう。

そして春香は遂にはたまらず、姉”たち”に助け舟を出すようにして歩き始めていた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー―

『……ワイワイ……ガヤガヤ……

「はいー!いらっしゃいいらっしゃーい、赤くてぶっといフランクフルトとモチモチモサモサしてるパンが絶品のホットドッグだよー!今清虹市で一番うまいホットドッグを出す”ホットドッグ屋ん!”はココだよぉーーー」

「へい!いらっしゃいいらっしゃい!、”シロップ”だけでもうまくて飲める”シロップ”を、きめ細かい氷にかける かき氷だぁ!今日だけ清敬高校に出店している”かき氷屋”はココだぁ!」

「、、ほい、、量よい、質よい、安い、旨い、メニューは焼きそばオンリィ!焼きそば屋!何か食いモン無い?ソコはよいよい、焼きそば屋だい!」


今宵、人がそれなりに集まっている場所はある程度限られている。

中でも一番北に位置する人が集まる場所は清敬高校だ。

その清敬高校の校庭には、今夜だけの出店として屋台が設置運営されている。


……ガヤガヤ!……ワイワイ!……

『ジュュュゥゥ!』『パチッ!』「……」

そして、校庭に並ぶ屋台の中でも一番ライトを照らしている個所は、人がひっきりなしに集まっていた。

「……ほい。400円。」「ぁ、はいどうも。」

校庭に建ち並ぶ屋台の中、寡黙に調理を行う店主はよく肥えた男性である。その屋根だけが有るような場所では、赤い火が腰辺りの高さにある料理器具から立ち上り、その上に置かれて炙られている食材が油を弾けさせていた。

「次のひと……「はい、えっと、、、」何本?「、、あ、6本で、、」んっ。ちょいまちっ……「、ぁ、はい。」『ジュュュュュゥゥ!』『パチッ、パチッ!』「……」

よく肥えた男性は、黒の半そでTシャツの表面の所々に汗で肌に張り付ける様にして、水玉模様を作っている。


「ほい。600円、「ぁ、」何?初めて?「、、はい、、、」ん、串は”ソコの籠”に戻してくれれば10円玉が戻ってくる。ただ、取り忘れとかはどうしようも出来ない、取り忘れには注意、串を入れても10円玉が出てこない事はそうないけど、もしも10円玉が出てこなかったらすぐに言ってくれればどうにかする。いじょ」

「、、ぁ、はい、分かりました。」

その肥えた男性が調理しているのは鉄の串に刺されている鶏肉である。

その店の名前は”焼肉屋やろが!”だ。

鉄串に刺さっている肉は結構大きい塊だが、一本100円と言う価格設定で、鉄串を店先の箱に入れると10円玉が返ってくるシステムを採用しているらしい。

差し引き90円の焼き鳥は値段の割には、脂が多すぎず、かといって貧相な鶏肉ではない事から清虹高校の校庭に出店されている屋台の中では一番の盛況ぶりを見せている。




『ヒュォォォォー』

「……」

そんな清敬高校の北側・正門には、この建物の長である妖精さんが立っていた。

……ガヤガヤ……

また、その正門の外では人が並び、一人、また一人と、順番に正門をくぐっている。


「……ほい、「ん?ありがとうございます?」うちわじゃ。「あぁ、どうも」」

どうやら正門で、清敬高校の校長、清田三郎が丸い厚紙に持ち手として円の形で穴をあけるタイプな簡単な造りの”うちわ”を配っている。


「ほい。「あざっす、校長先生!」うむ。」


「ほい。「ぁ、あの、、校長先生、、」うん?「、、校長先生、こんばんわ」うむ、こんばんわ。どうしたのかな?凪乃君。改まって挨拶なんて?」

そんな列には凪乃と雨田兄妹、そして春香達が訪れている。

凪乃は秋穂を心配している様子を見せていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー―



「んあ?……えっと、、、どちら様ですか?……何か問題でも?」

秋穂の声に、ジャージを着る者達のなかから一人の男性が”代表”と言うよりも”雑事を引き受ける”様にして声を返す。

「えっ?!」

しかし、秋穂はその声を返してきた男性を見て戸惑いの声を口から漏らしていた。


「あ?、今”何をやっている”って、、なんですか?」「いや、関係ない人はそっち行ってくださいよ?」「うるせぇよっ!、すみません……何か問題でもありましたか?」「えっ?!そういう態度を取るの?」「おんなだから、、だろ?きっと。綺麗な人だし……」

素顔を晒すジャージ集団は口々に秋穂に返答をしたり、ジャージ集団の中でも互いの態度を咎める様にして口を開き始めている。

その”ジャージ集団”の見た目から察する年齢は、皆バラバラなのだが、ほぼ全員が二十歳よりも少し若いだろう男子達だ。


「い、いやっ……すみません、、近頃清虹市で悪さをする”仮面ジャージ集団”が、”ここ”でも何かをするのかと思ってしまって……」

茶色い浴衣を着る秋穂は足を揃え、手を腰の前あたりで合わせて腰を折る。


「はぁ?……」「ひでぇ物言いだな……」「ふぅん?……」「へぇ?……」「ホゥ……」

秋穂は陽が落ちる頃に走っている姿を見かけたジャージ集団を”何かと悪さをする土色仮面黒ジャージ集団”と思って追ってきていたが……

改めてよく見てみると、ココにいる者達は”茶色いジャージ”に身を纏い、”素顔”をさらしている男子たちだ。

また、”男子たち”と言うのも、件の”仮面ジャージ”の者達よりも幾分かひょろい身体の集団で、今ココにいる者達の素顔は、秋穂が見ても分からない者達だが、彼等の手足は暴力を振るう事がまずないだろう程には細い。


「……いっ、いやっ……でも……仮面の下は誰も見ていないし、(ソイル)装甲(アーマー)で腕や足を太くしていたのだから、”この人ら”が”仮面ジャージ集団”の可能性もあるんだよな……」「「「「……んっ?」」」」

秋穂が人知れずにつぶやく言葉は否定しきれない事柄だ。


秋穂達が何度か相手をしていた土色仮面黒ジャージ集団は皆、ある程度はたくましい二の腕や足等の身体をしていたが、今目の前にいる幾分か細い体形の者達でも、(ソイル)装甲(アーマー)をジャージ下に着こめばそれらしい集団になるのかもしれない。


「まぁ、、実は”俺ら”も同じ様な事を言ってたんで別に良いですけど、、、俺らは高校の”手伝い”って事で”今日はココに”駆り出されてるんですよ。」

「見えない所に気を使ってる俺らは”かっけー”事をしてるんじゃないですか?」

「めんどい役回りですけどね?」

「モゥ良いンデ、花火を見に来たんなら、校舎の方に行って貰エマセン?」


秋穂と茶色ジャージ集団が互いに”何か”が相手に伝わる様な、”声を出す出せていない”状況が数秒過ぎると、”茶色ジャージ”集団の1人が”今日は高校に多くの人が集まるんで、湿気が多い空気から水分を取り出してたんです。俺らが何をしてたか分かりました?”と言う様な事を言われてしまった。


「……”今日はココに”……ん?なら、”いつも”はどこかに行ってるんですか?具体的にそれはどこかを教えて貰っても?」

秋穂は、自分1人でジャージ集団についてきながらも、”雲行きが怪しく”なって来た所で、茶色ジャージ男の言葉の一点に疑問を抱く。

まるで、いつもは”他の所に駆り出されている”ような物言いだ。

もしかしたら、本当に”仮面ジャージ集団”の”仮面”を取り外している状態なのかもしれない……


「なっ?」「”逃げる”か?」「抜けられねえぇだろ?こっからじゃ……」「眠ぃし……」「ノスタルジックプレィッイズヒィアー?」

「くっ!?」『ジリッ……』

秋穂が気になった言葉の説明を求めるも、茶色ジャージ集団は不穏な空気を発し始めた。

秋穂はたまらずに半歩だけだが後ろに後退する。


秋穂の目の前にいる”彼等”の中には、先ほどの様子を記憶と(かんが)みるに、”風系法力”を結構な出力で発現出来るハズだ。

”風系法力”は奇襲や暗殺に結構なアドバンテージがある系統なのである。

秋穂が得意とする”土系法力”はその強固さや継続して法力を発現させなくても良い点から防衛戦等に向いていても、『風系法力の早い技』には対応しきれない。

また、彼等彼女等がいる清敬高校の西・清虹川の辺りはある程度開けた空間で”風系法力”発現にはかなり有利でいて、代わりに”土系法力”を発現させるには土場が絶対的に少ない場所だ。

ここらはコンクリートで舗装されている地点なのだ。

一応土系法力は”人体”にも多少は発現出来て、皮膚の強化等は出来るが、とても実戦に使える程ではない。

明日(4/11)は小袋怪獣行けの共同体の日ですね。

時間は11時~17時までで、

11時~19時の間に草蛇怪獣を最終進化させると

御三家で草怪獣通例の”硬植物”を覚えるとか覚えないとか……

また、その時間内で怪獣を捕まえた時に貰える砂が三倍なのでかけらを使うと砂がガッポガッポな事になるらしいですね。

ゲッツイロチ、高個体!

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