#38~力の再会~
言い回しを直しました。
話は変わりません。
茉奈は足を『水の矢』にすくわれ、木で盛り上がった土に躓き、転んだだけだ。
かなりの速度で走っていた為に、受け身が取れなかったのだろう。『水の矢』の直撃は受けていない。
土まみれになりながらも涙目を拭いて立ち上がる茉奈。その姿を見て、春香はひとまずは安心する。
『知識』は全速疾走している事が分からないほどの落ち着いた呼吸で春香達に迫る。
『フンっ!』と茉奈が躓いた場所を踏み台に大跳躍をする。
春香達を跨ぎ跳び、逃げ道を塞ぐ様に立はだかった。『知識』は束の間を狙って話し出す。
「待て、話を聞け。そこの土まみれのガキは見逃してやる。代わりにお前は我々と来てもらおう。『悪い取引』では無いだろう?土まみれのヤツはそのままここに居ろ…」
『『なっ…』』と春香と茉奈は互いに見合う…いや、見合ってしまう。
…『知識』の思惑は狙い違わず成功していた。
『水操作』『バシャ!』『えっ…』『ちょ…』
春香と茉奈は背後から『知識』の操る水に襲われ、水浸しにされる。
『ふふふ…』と笑う『知識』は狡猾だ。
そんな取引を持ち掛けられては、『突っ撥ねる』にしても互いを見る様にして動きを止めてしまう。
互いに意志疎通を図ってしまうのだ。『取引には乗らないよね?』と…
長年連れ添った相方ならまだしも小学三年生の女子児童二人には酷な手法だった。
『知識』の狙いは水浸しにする事だけでは無く、『動きを止めた瞬間に全身に水を被り、手玉に取られている』と思わせる事でもある。
精神的に不利な状況に持ち込まれる事で戦意を削ぐ効果を期待している。
続けて『知識』は発言する。
「水牢獄…」
『うぁ…』『ぁぅ…』
水がある個所を固定し、対象の動きを阻害する技が使われ、苦しそうにする春香と茉奈。
『知識』は任務完了の意味で『ふぅ…』と息をつく。
『やられっぱなしはイヤ』と言う様にして『ぐぁあ………ふ、……んッ……ふんっ!』と春香が口元の拘束を引きちぎっては言う。
口元の動きを見ると全身を動かす事はどんなに頑張っても無理そうだ…
「貴方達の狙いは何?!何がしたいの?!誘拐なんかしても…」
と言う春香の言葉を『まぁ、待て。』と遮る『知識』、提案する様に話し出す。
「お前は人の法力下で動いている物体を自分の力で上書きする事で、物体を乗っ取る事が出来るらしいな…まぁ、完璧に。とは行かないみたいだが……私とした事が調査不足だった…研究対象として興味を持った。研究報酬を前払いしてやる。お前の望みを聞こう……どうだ?『土まみれの方は解放してやる』その代わり、『素直に私たちと共に来る』と約束するのは…?友達なのだろう?友達なら助けてやれ。」
と『知識』が場違いにも交渉を始める。研究員として、春香の類まれなる力に興味を持ったのだ。
「なっ…ふざけないでよ!私たちを拘束して!!信用ならない!!」
春香は自由になった口で『今度は騙されない!!』と怒鳴り始める。
「ふむ…ではこうしよう…」
『知識』が腕を振ると茉奈を縛る水が部分的にゆるむ。
「…っ…んん~……」「ま、茉奈ちゃん!!」
「足だけは自由に動ける様にしてやった。そのまま自分の足で行け、お前が見えなくなったら…」
と言う『知識』の背中から『ダッダッ…タン!』という足音を響かせてから遮る声。
春香は馬車馬と再会した。騎士の登場である。
「春香!マナー!!」「あら……」「な……」
声に振り返り、『…お前は…』と言う『知識』は見覚えのある顔を見て渋面を作る。
不(ry




